■準備
今年の全日本は新横浜である。宿泊が伴うが、新幹線で降りたらすぐだから、まあ行きやすいのかもしれない。しかし、会場の新横浜プリンスホテルスケートセンターというのは、とにかく客席が少ない。私はこの夏にそこで行われたエキシビジョンを観に行ったのだが、観客席が少なかったのが印象的だったので・・・。
果たして、チケット争奪戦であるが、会社を休んで先行予約の電話をしてくれた友人のお陰で取ることができた。しかし一般販売ではかなり厳しかったらしい。
ホテルも会場から近いところを取ることができた。12月24日は平日であるが会社も休めたし、あとは、行くだけ・・・。
■全日本という大会
思えば、初めて行ったのは2年前の京都アクアリーナで開催されたときであった。その1ヶ月前、初めてフィギュアスケートの生観戦をしたのが同じ場所で開催されたNHK杯だった。そこで売店周辺をうろうろしていると、その片隅で全日本選手権のチケットを売っていた。
「ん?全日本・・・?」
テニスの「全日本選手権」の印象しかなかったので、これは観戦初心者としてはいいかもしれない、と今から思えば全くの見当違いで出かけた2年前の全日本選手権。しかし、そこで見たものは・・・世界選手権の切符をかけて争う壮絶なバトルであり、テニスの全日本選手権とは全く違う位置付けの大会であり、国際大会とは違う異様な盛り上がりと緊張感を感じた大会であった。
この大会の後、「何はともあれ、全日本選手権の観戦ははずせない!」という気持ちになり、去年は長野まで深夜列車に揺られて行ってしまった私・・・。(好きねえ、と合いの手が入りそうである。)
■会場入りまで
12月24日(金)は平日。だからか知らないが、全席自由席である。
自由席・・・?
あの少ない客席に自由席なんてしようもんなら、何時間も前から並ぶ列ができて座れないのではないか?と前日からかなり気を揉んでいた。
しかし、朝から待つ勇気もなく、結局1時間ちょっと前に行くと、既に数十人列ができていた。
「これなら、座れそう・・・。」
と安堵し、一緒に行った友人と列に並んだ。
会場時間が近づいてきた。と、そこへ、男子選手の一団が会場から出てきた。手を振る観客もあり、男子選手たちはそれに応える者あり、おどけている者あり、そしらぬ顔(?)で携帯を見る者あり・・・。
本番とは違う「素」の表情を見ることができた。
とかしていたら、いよいよ開場である。
■席取り
どうせならいい席を取りたいので、少し小走りになってジャッジ側中央の最前列をゲット!並んだ甲斐があった。それほど血みどろの争いになるような席取り合戦ではなく、ちょっとほっとした。
席に座ってだいぶ経ってから、足元が暖かいことに気付いた。床暖房!!いいねえ。床が暖かいだけで随分体感温度が違う。ただし、鞄にチョコレートなどを入れて、その鞄を床に置いていたらひどい目に遭うでしょう。実際友人はリップクリームが液体になっていたようです。
■テレビ中継
今年は去年と違ってテレビ中継(フジテレビ独占中継)がある。そのせいかフェンスに有名企業の広告もたくさん見られ、それがまぶしい。
■シンクロナイズドスケーティング
とても迫力がありました。大勢で演技するにはすごく厳しい練習を積んでこられたのだろうなあ、練習以外にも厳しいのかな・・・などと思っているうちに演技が終わった。しかし1チームだけ。プログラム巻末の歴代の優勝者が載っているページを見ると、以前は1チームではなかったのに・・・。競うチームがあるともっと良いのかもしれない。
■アイスダンス(コンパルソリーダンス)
練習に出てきた選手で、何より「おおっ!」と思ったのが、坂頂兄妹のカップル。雰囲気のある、美しいカップル、そして、貫禄も出てきたと思う。その様子をじーーっと見ていたら、何やら迫力のある2組が・・・。渡辺・木戸組と都築・宮本組は練習から熱かった。練習から技を見せつける2組が火花がバチバチと聞こえてきそうな気迫であった。千田・柴田組は練習のときは少し緊張があるようにも見えた。
果たして演技は・・・。
練習の様子がそのまま演技に、得点に、となったように思う。
しかし都築・宮本組は今年のNHK杯で見たときよりも雰囲気があって今まで見た中で一番良かったと思った。渡辺・木戸組を応援していた私としては、むむ、油断できないな、というところであった。
■ペア(ショートプログラム)
「川口悠子さん、おかえりなさい!!」
客席からもそういう拍手がこだましていたように思った。新しいパートナーのDevin PATRICKさんについては全く知らずに行き、もちろん初めてみたのだが、片手リフト自慢?片手でひょいとおろす。いくら悠子ちゃんが軽いからってあのおろしかたは難しそうな。スピンは・・・そろえるのが難しそうであった。ともあれ、ペアが見れて、悠子ちゃんが見れて本当によかった!
■男子(ショートプログラム)
以下、滑走順に印象に残ったところなど。
・本田武史さん:「Grieg's Piano Concerto in A minor」という曲だが、これは去年の田村岳斗さんのショートの曲と同じで、それ以外にも何人かが使う人気の曲のようだ。最初の4回転のところでミスがあったが、NHK杯よりジャンプの調子が良さそうに見えた。怪我からの復活の年。どこか無理をしていないと良いのですが。
・岸本一美さん:練習では決まりまくっていた最初のトリプルアクセルからのコンビネーションジャンプで少しミスがあり残念。スピードはあって迫力があった。
・小塚崇彦さん:おおっ!ノーミスですばらしい演技!!それだけでなく演技終了直後に決めポーズをとるのをすぐやめてガッツポーズを2度、3度・・・。見た感じおとなしそうな感じのする選手だっただけに、気持ちを表に出してのガッツポーズに心打たれた。小塚くんのお父さんは過去に全日本覇者のようで、そういうプレッシャーの中、「親と比較されることが多いけど自分は自分。負けへんで。」みたいな強い心があったのかな?とか考えていた。とにかく、すばらしい演技。当然得点もそれに相当したすばらしい点がでました。
・南里康晴さん:緊張が伝わってくるような気がしたのは私だけ?はじめのトリプルアクセルと次の3回転3回転はさすがと思ったが、途中多分3回転の予定が抜けてしまって・・・。
・織田信成さん:スーパーマリオブラザーズ、この演目、織田くんしかできないプログラムという感じでいいですね。私、このゲームしたことないのですが途中「ぴょ~ん」「ぴょ~ん」と何かをつかむ動作が特にいいなあ、と思っていて、大阪のジュニアの時にはここで笑いもおきていたのに、新横浜では笑いはなかったなあ・・・。それはともかくこの演目は技術力と表現力があってこそできるとても難しいプログラムではないかと思うのですが、織田くんは大阪のジュニアの時よりよかったと思いました。
・中庭健介さん(写真):恩ちゃん風に言えば(笑)「大和魂」を見たような演技だった。演技開始のポーズをとったときから体全体に行き渡らせた表現の力に私もぐぐっと見入ってしまった。そして出だしの4回転コンビネーションで一気にひきつけられた。
・・・と思っていたところ、横に座っていた私の友人の様子がおかしい。さっきからと拍手の仕方が全然違うのである。技が決まるたびに大拍手を送りつづけている。ふと横を見ると、確かにその友人の目からハート(笑)が飛び跳ねていた。後から聞いてみると「気迫が伝わってきて、応援せずにいられなくなった。」のだそうである。それくらい、ひきつけられる演技であった。
・高橋大輔さん:羽が付いたスケスケシースルー衣装に驚く(?)が、高橋くんもまた、極度の緊張が伝わってきそうな演技だった。途中、ステップからクルクルクル・・・と連続してまわるところが印象的であった。
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ホテルに帰ってたまたまテレビをつけたらピングレディーをやっていて、懐かしく見てしまう。
明日の準備・・・の前に、ついついパソコンに向かい今日の男子ショートプログラムのジャッジドスコアを見る。するとどんどん時間が経っていくのでじっくり見たいが早々に切り上げ、明日の女子ショートプログラムについて滑走順を見て考える。滑走順を見ると明らかに有名選手が前半に固まっている。うーむ。これは早く写真や映像を配信したいマスコミの仕業か・・・などと勝手な想像をするが、おそらくそういうことではなく単に抽選の結果なのだろう。それはともかく大応援中の恩ちゃんは2番滑走。さあ、がんばれ!と思いつつこの日は終了。
今年の全日本は新横浜である。宿泊が伴うが、新幹線で降りたらすぐだから、まあ行きやすいのかもしれない。しかし、会場の新横浜プリンスホテルスケートセンターというのは、とにかく客席が少ない。私はこの夏にそこで行われたエキシビジョンを観に行ったのだが、観客席が少なかったのが印象的だったので・・・。
果たして、チケット争奪戦であるが、会社を休んで先行予約の電話をしてくれた友人のお陰で取ることができた。しかし一般販売ではかなり厳しかったらしい。
ホテルも会場から近いところを取ることができた。12月24日は平日であるが会社も休めたし、あとは、行くだけ・・・。
■全日本という大会
思えば、初めて行ったのは2年前の京都アクアリーナで開催されたときであった。その1ヶ月前、初めてフィギュアスケートの生観戦をしたのが同じ場所で開催されたNHK杯だった。そこで売店周辺をうろうろしていると、その片隅で全日本選手権のチケットを売っていた。
「ん?全日本・・・?」
テニスの「全日本選手権」の印象しかなかったので、これは観戦初心者としてはいいかもしれない、と今から思えば全くの見当違いで出かけた2年前の全日本選手権。しかし、そこで見たものは・・・世界選手権の切符をかけて争う壮絶なバトルであり、テニスの全日本選手権とは全く違う位置付けの大会であり、国際大会とは違う異様な盛り上がりと緊張感を感じた大会であった。
この大会の後、「何はともあれ、全日本選手権の観戦ははずせない!」という気持ちになり、去年は長野まで深夜列車に揺られて行ってしまった私・・・。(好きねえ、と合いの手が入りそうである。)
■会場入りまで
12月24日(金)は平日。だからか知らないが、全席自由席である。
自由席・・・?
あの少ない客席に自由席なんてしようもんなら、何時間も前から並ぶ列ができて座れないのではないか?と前日からかなり気を揉んでいた。
しかし、朝から待つ勇気もなく、結局1時間ちょっと前に行くと、既に数十人列ができていた。
「これなら、座れそう・・・。」
と安堵し、一緒に行った友人と列に並んだ。
会場時間が近づいてきた。と、そこへ、男子選手の一団が会場から出てきた。手を振る観客もあり、男子選手たちはそれに応える者あり、おどけている者あり、そしらぬ顔(?)で携帯を見る者あり・・・。
本番とは違う「素」の表情を見ることができた。
とかしていたら、いよいよ開場である。
■席取り
どうせならいい席を取りたいので、少し小走りになってジャッジ側中央の最前列をゲット!並んだ甲斐があった。それほど血みどろの争いになるような席取り合戦ではなく、ちょっとほっとした。
席に座ってだいぶ経ってから、足元が暖かいことに気付いた。床暖房!!いいねえ。床が暖かいだけで随分体感温度が違う。ただし、鞄にチョコレートなどを入れて、その鞄を床に置いていたらひどい目に遭うでしょう。実際友人はリップクリームが液体になっていたようです。
■テレビ中継
今年は去年と違ってテレビ中継(フジテレビ独占中継)がある。そのせいかフェンスに有名企業の広告もたくさん見られ、それがまぶしい。
■シンクロナイズドスケーティング
とても迫力がありました。大勢で演技するにはすごく厳しい練習を積んでこられたのだろうなあ、練習以外にも厳しいのかな・・・などと思っているうちに演技が終わった。しかし1チームだけ。プログラム巻末の歴代の優勝者が載っているページを見ると、以前は1チームではなかったのに・・・。競うチームがあるともっと良いのかもしれない。
■アイスダンス(コンパルソリーダンス)
練習に出てきた選手で、何より「おおっ!」と思ったのが、坂頂兄妹のカップル。雰囲気のある、美しいカップル、そして、貫禄も出てきたと思う。その様子をじーーっと見ていたら、何やら迫力のある2組が・・・。渡辺・木戸組と都築・宮本組は練習から熱かった。練習から技を見せつける2組が火花がバチバチと聞こえてきそうな気迫であった。千田・柴田組は練習のときは少し緊張があるようにも見えた。
果たして演技は・・・。
練習の様子がそのまま演技に、得点に、となったように思う。
しかし都築・宮本組は今年のNHK杯で見たときよりも雰囲気があって今まで見た中で一番良かったと思った。渡辺・木戸組を応援していた私としては、むむ、油断できないな、というところであった。
■ペア(ショートプログラム)
「川口悠子さん、おかえりなさい!!」
客席からもそういう拍手がこだましていたように思った。新しいパートナーのDevin PATRICKさんについては全く知らずに行き、もちろん初めてみたのだが、片手リフト自慢?片手でひょいとおろす。いくら悠子ちゃんが軽いからってあのおろしかたは難しそうな。スピンは・・・そろえるのが難しそうであった。ともあれ、ペアが見れて、悠子ちゃんが見れて本当によかった!
■男子(ショートプログラム)
以下、滑走順に印象に残ったところなど。
・本田武史さん:「Grieg's Piano Concerto in A minor」という曲だが、これは去年の田村岳斗さんのショートの曲と同じで、それ以外にも何人かが使う人気の曲のようだ。最初の4回転のところでミスがあったが、NHK杯よりジャンプの調子が良さそうに見えた。怪我からの復活の年。どこか無理をしていないと良いのですが。
・岸本一美さん:練習では決まりまくっていた最初のトリプルアクセルからのコンビネーションジャンプで少しミスがあり残念。スピードはあって迫力があった。
・小塚崇彦さん:おおっ!ノーミスですばらしい演技!!それだけでなく演技終了直後に決めポーズをとるのをすぐやめてガッツポーズを2度、3度・・・。見た感じおとなしそうな感じのする選手だっただけに、気持ちを表に出してのガッツポーズに心打たれた。小塚くんのお父さんは過去に全日本覇者のようで、そういうプレッシャーの中、「親と比較されることが多いけど自分は自分。負けへんで。」みたいな強い心があったのかな?とか考えていた。とにかく、すばらしい演技。当然得点もそれに相当したすばらしい点がでました。
・南里康晴さん:緊張が伝わってくるような気がしたのは私だけ?はじめのトリプルアクセルと次の3回転3回転はさすがと思ったが、途中多分3回転の予定が抜けてしまって・・・。
・織田信成さん:スーパーマリオブラザーズ、この演目、織田くんしかできないプログラムという感じでいいですね。私、このゲームしたことないのですが途中「ぴょ~ん」「ぴょ~ん」と何かをつかむ動作が特にいいなあ、と思っていて、大阪のジュニアの時にはここで笑いもおきていたのに、新横浜では笑いはなかったなあ・・・。それはともかくこの演目は技術力と表現力があってこそできるとても難しいプログラムではないかと思うのですが、織田くんは大阪のジュニアの時よりよかったと思いました。
・中庭健介さん(写真):恩ちゃん風に言えば(笑)「大和魂」を見たような演技だった。演技開始のポーズをとったときから体全体に行き渡らせた表現の力に私もぐぐっと見入ってしまった。そして出だしの4回転コンビネーションで一気にひきつけられた。
・・・と思っていたところ、横に座っていた私の友人の様子がおかしい。さっきからと拍手の仕方が全然違うのである。技が決まるたびに大拍手を送りつづけている。ふと横を見ると、確かにその友人の目からハート(笑)が飛び跳ねていた。後から聞いてみると「気迫が伝わってきて、応援せずにいられなくなった。」のだそうである。それくらい、ひきつけられる演技であった。
・高橋大輔さん:羽が付いたスケスケシースルー衣装に驚く(?)が、高橋くんもまた、極度の緊張が伝わってきそうな演技だった。途中、ステップからクルクルクル・・・と連続してまわるところが印象的であった。
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ホテルに帰ってたまたまテレビをつけたらピングレディーをやっていて、懐かしく見てしまう。
明日の準備・・・の前に、ついついパソコンに向かい今日の男子ショートプログラムのジャッジドスコアを見る。するとどんどん時間が経っていくのでじっくり見たいが早々に切り上げ、明日の女子ショートプログラムについて滑走順を見て考える。滑走順を見ると明らかに有名選手が前半に固まっている。うーむ。これは早く写真や映像を配信したいマスコミの仕業か・・・などと勝手な想像をするが、おそらくそういうことではなく単に抽選の結果なのだろう。それはともかく大応援中の恩ちゃんは2番滑走。さあ、がんばれ!と思いつつこの日は終了。