決勝の日、この日は台風が来るという予報があった。前日、前売り券を買うか買わないか散々迷い、いろんなサイトで降水確率だの3時間ごとの降水量だの睨みつつ、降らない方に賭けて前売りを買った経緯があった。快晴ではないが晴れは晴れ。この天気は嬉しい誤算であった。そして、この日は一年ごとに靱で出会う観戦友だちも来てくれるとのこと。晴れて本当によかった。
靱のセンターコートの場合、日差しのある日は審判台側に陣取らないと眩しい。10分前に到着では席はどうかなと見てみると、まあまあの席に陣取れた。逆に言えば、観客が…それほど入っていないということ。前日の土曜、観客が以前より少ないけど決勝では増えるよね、と思っていたけれど、それほどでもなかった。以前はもっとお客さん入っていたよね、席がなくて、もっと上で観たこともあったよね、なんて友人と話したりしていた。
シングルス決勝
Samantha STOSUR (AUS) [1] def. Zarina DIYAS (KAZ) [5] 7-6(7),6-3
緊迫した展開だった。ザリーナはこの日もサーブもストロークも好調、そしてネットプレイも随所に決まっていた。ストロークが深くベースラインに釘付けにしておいた上で、刺さるようなショットを打つ。そういう動き、テニススクールでコーチが何度も解説していたが、まさにそんな場面が多数あった。Samは出だしにブレークを許し、その後はバックのスライスで応戦。横から観てるとあのスライスは低くすーっと進んでくる感じで想像しているより遥かに打ちにくいのかもしれなかった。ファーストセットはとうとうタイブレになり、どちらが取ってもおかしくない展開の中、Samが取ったが、辛うじて…という印象だった。
セカンドセットの最初の方は、若干ザリーナの気落ちした様子が見て取れたが徐々に取り戻しストローク戦では優位に立つ局面が何度もあった。一方Samはリードしての進行だったが途中らしからぬフレームショットを何本もしたりしていたし、圧倒とかそういうのではなかった。セカンドセットでもバックのスライスがとても有効だったのと、スマッシュを多分一本もミスらなかったのは素晴らしかった。そして経験ゆえかもしれないが、セカンドセットの戦い方、ギアの上げ方が、多分ちょっとだけ、Samの方がうまくいったのかしら、との印象だった。6-3というスコアより濃密な試合内容だった。
Sam
ザリーナ
Samはチャンピオンズスピーチで、大阪は応援してくれる人も多くて、大好きな大会、また戻ってきたい、と言ってくれた。ネットで改めて検索してみると、第一回の2009年の優勝は記念すべきツアー初優勝、その後2010年全仏ではその時の決勝と同じ顔あわせで準優勝、2011年全米ではあのセリーナに勝って優勝…と、トップ選手に名乗りを上げるきっかけになった大会と思ってくれているのならとても嬉しい。そして、Samが言うように、本当に応援者は多い。手作りバナーやうちわ、豪州国旗もちらほら揺れる。そしてバナーとか持っていない客でも…私もそうなのだが…第一回の時優勝を見届けたあのSamが強くなってまた戻ってきてくれた、おかえり、よく帰ってきてくれたね、みたいな、思いを感じてくれているのかしら?。でも一方的、排他的な応援には決してならないのが大阪の良さ、そういった選手を見守る温かさが会場にはあったと思う。ちょっと真央ちゃん似(友人談)のザリーナも、今後応援したい選手になった。
ダブルス決勝
Shuko AOYAMA,Renata VORACOVA def. Lara ARRUABARRENA (ESP) ,Tatjana MARIA (GER) 6-1,6-2
ダブルスは、私的には見所満載だった。青山さんが、あのレナータと組んでいる。レナータは14年前、ここ靱でジュニアの大会で単複優勝。生で観るのはそれ以来だった。相手のペアも前日の準優勝ではスーパーショット炸裂で、特に神懸かり的ショットが何本も決まっていたタチアナ マリアさんに注目していた。
しかし始まってみると、レナータ、青山組ばかり観てしまっていた。
ファーストセットは、レナータに見惚れているうちに終わってしまった。レナータについて友人は可愛いと言い、私はええやんめっちゃええやんを連呼し、表情筋上がりっぱなしだった。特に、前衛レナータ後衛青山さんの時。青山さんが堅実に深く返してチャンスメイク(テニススクールで言われるその通り)し、レナータが長いリーチで仕留める、というパターンが、とにかく見ていてかっこいいのだ。14年前のことを友人に話すと、ってことはベテランさんなんや、みたいな話になり、ハッとした。冷静に計算するとレナータ31歳、青山さん26歳。私の記憶が少女のレナータしかないので、目の前で動いているレナータの見かけに拘らず咄嗟にそういうふうに思えなかったのだった。
セカンドセットは、青山さんの気迫が素晴らしかった。青山さんは両サイド両手打ちだが、あんな高い打点から、意表をつく角度に打つウィナーが何本も決まっていた。Serving for the Championship は青山さんのサーブで、緊張感も相当だったと思うのに、そこでも堅実に決めて、勝ち取った。審判に握手に行くときに、青山さんの頭を、レナータがなでなしていて、ああレナータ、いいお姉さんになったね、と感激した。
チャンピオンズスピーチで、レナータは14年前に優勝した思い出の場所で、と言ってくれて、なぜか私が誇らしかった。その思いが通じたのか、レナータのサインボールの打ち込みの一球めが、なんと我々のところに飛んできたのだ。ボールは友人の手の中に一旦入ったものの、ボールの勢いで弾かれ、惜しくもすぐ後ろの人のものとなったが、楽しい思い出となった。
大会について多少心配な点といえば、表彰式があまりにもあっさりしていたことだ。
主催者の挨拶なし、副賞なし…。hp の時はパソコンとか副賞あったよね…。冠スポンサーの降りた中、何とか開催に漕ぎつけたといった事情だからかな、と友人と話したりした。この友人との観戦は何を喋ってるわけでもないのに楽しくて毎年恒例になっているので再会は本当に嬉しかった。別れ際、いつものように「また来年!」と再会を約束したけど、大会はやってくれるかしら?大会のサイトには「来年もこの大会をお楽しみに!」と締めくくられているので、とりあえずはその言葉に期待しようと思っている。
靱のセンターコートの場合、日差しのある日は審判台側に陣取らないと眩しい。10分前に到着では席はどうかなと見てみると、まあまあの席に陣取れた。逆に言えば、観客が…それほど入っていないということ。前日の土曜、観客が以前より少ないけど決勝では増えるよね、と思っていたけれど、それほどでもなかった。以前はもっとお客さん入っていたよね、席がなくて、もっと上で観たこともあったよね、なんて友人と話したりしていた。
シングルス決勝
Samantha STOSUR (AUS) [1] def. Zarina DIYAS (KAZ) [5] 7-6(7),6-3
緊迫した展開だった。ザリーナはこの日もサーブもストロークも好調、そしてネットプレイも随所に決まっていた。ストロークが深くベースラインに釘付けにしておいた上で、刺さるようなショットを打つ。そういう動き、テニススクールでコーチが何度も解説していたが、まさにそんな場面が多数あった。Samは出だしにブレークを許し、その後はバックのスライスで応戦。横から観てるとあのスライスは低くすーっと進んでくる感じで想像しているより遥かに打ちにくいのかもしれなかった。ファーストセットはとうとうタイブレになり、どちらが取ってもおかしくない展開の中、Samが取ったが、辛うじて…という印象だった。
セカンドセットの最初の方は、若干ザリーナの気落ちした様子が見て取れたが徐々に取り戻しストローク戦では優位に立つ局面が何度もあった。一方Samはリードしての進行だったが途中らしからぬフレームショットを何本もしたりしていたし、圧倒とかそういうのではなかった。セカンドセットでもバックのスライスがとても有効だったのと、スマッシュを多分一本もミスらなかったのは素晴らしかった。そして経験ゆえかもしれないが、セカンドセットの戦い方、ギアの上げ方が、多分ちょっとだけ、Samの方がうまくいったのかしら、との印象だった。6-3というスコアより濃密な試合内容だった。
Sam
ザリーナ
Samはチャンピオンズスピーチで、大阪は応援してくれる人も多くて、大好きな大会、また戻ってきたい、と言ってくれた。ネットで改めて検索してみると、第一回の2009年の優勝は記念すべきツアー初優勝、その後2010年全仏ではその時の決勝と同じ顔あわせで準優勝、2011年全米ではあのセリーナに勝って優勝…と、トップ選手に名乗りを上げるきっかけになった大会と思ってくれているのならとても嬉しい。そして、Samが言うように、本当に応援者は多い。手作りバナーやうちわ、豪州国旗もちらほら揺れる。そしてバナーとか持っていない客でも…私もそうなのだが…第一回の時優勝を見届けたあのSamが強くなってまた戻ってきてくれた、おかえり、よく帰ってきてくれたね、みたいな、思いを感じてくれているのかしら?。でも一方的、排他的な応援には決してならないのが大阪の良さ、そういった選手を見守る温かさが会場にはあったと思う。ちょっと真央ちゃん似(友人談)のザリーナも、今後応援したい選手になった。
ダブルス決勝
Shuko AOYAMA,Renata VORACOVA def. Lara ARRUABARRENA (ESP) ,Tatjana MARIA (GER) 6-1,6-2
ダブルスは、私的には見所満載だった。青山さんが、あのレナータと組んでいる。レナータは14年前、ここ靱でジュニアの大会で単複優勝。生で観るのはそれ以来だった。相手のペアも前日の準優勝ではスーパーショット炸裂で、特に神懸かり的ショットが何本も決まっていたタチアナ マリアさんに注目していた。
しかし始まってみると、レナータ、青山組ばかり観てしまっていた。
ファーストセットは、レナータに見惚れているうちに終わってしまった。レナータについて友人は可愛いと言い、私はええやんめっちゃええやんを連呼し、表情筋上がりっぱなしだった。特に、前衛レナータ後衛青山さんの時。青山さんが堅実に深く返してチャンスメイク(テニススクールで言われるその通り)し、レナータが長いリーチで仕留める、というパターンが、とにかく見ていてかっこいいのだ。14年前のことを友人に話すと、ってことはベテランさんなんや、みたいな話になり、ハッとした。冷静に計算するとレナータ31歳、青山さん26歳。私の記憶が少女のレナータしかないので、目の前で動いているレナータの見かけに拘らず咄嗟にそういうふうに思えなかったのだった。
セカンドセットは、青山さんの気迫が素晴らしかった。青山さんは両サイド両手打ちだが、あんな高い打点から、意表をつく角度に打つウィナーが何本も決まっていた。Serving for the Championship は青山さんのサーブで、緊張感も相当だったと思うのに、そこでも堅実に決めて、勝ち取った。審判に握手に行くときに、青山さんの頭を、レナータがなでなしていて、ああレナータ、いいお姉さんになったね、と感激した。
チャンピオンズスピーチで、レナータは14年前に優勝した思い出の場所で、と言ってくれて、なぜか私が誇らしかった。その思いが通じたのか、レナータのサインボールの打ち込みの一球めが、なんと我々のところに飛んできたのだ。ボールは友人の手の中に一旦入ったものの、ボールの勢いで弾かれ、惜しくもすぐ後ろの人のものとなったが、楽しい思い出となった。
大会について多少心配な点といえば、表彰式があまりにもあっさりしていたことだ。
主催者の挨拶なし、副賞なし…。hp の時はパソコンとか副賞あったよね…。冠スポンサーの降りた中、何とか開催に漕ぎつけたといった事情だからかな、と友人と話したりした。この友人との観戦は何を喋ってるわけでもないのに楽しくて毎年恒例になっているので再会は本当に嬉しかった。別れ際、いつものように「また来年!」と再会を約束したけど、大会はやってくれるかしら?大会のサイトには「来年もこの大会をお楽しみに!」と締めくくられているので、とりあえずはその言葉に期待しようと思っている。