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ヒーローの戦いとは

2007年04月16日 22時48分03秒 | ▼雑記
尊敬する人は芹沢大助のren.です。
美術専門学校時代、肖像画の授業に彼を描いて、先生に呆れられました(w


今朝方、仕事の合間の気分転換にネットをうろうろしていましたら、こんなのを発見しました。

エキプロ「仮面ライダーカブトvsストロンガー
エキプロ「平成ライダーバトルロイヤル 入場編試合編

いやはや、エキプロのエディット職人の仕事は、本当にすごいですね。
私も一度挑戦しましたが、無理無理無理無理。ファイプロのエディットならそれなりに得意なんですけれどねぇ。


で、ひとしきり笑った後に考えたのは、ヒーロー特撮の殺陣について。

まず、大きく分ければ、「タイマン勝負」と「集団戦」に分けられますよね。
前者の代表は「ウルトラマン」、後者は「戦隊モノ」です。「仮面ライダー」は、最近のものは「タイマン」ですが、昔は1対多の戦いが多く、言うなれば「10人組み手」でしょうかね。

また、戦闘スタイルも大きく2つに分けられます。
1つは戦隊モノに代表される「スタイリッシュバトル」があります。これは「バトルフィーバーJ」が目指した"最高の舞踏は最強の武術だ"という考えと、時代劇の殺陣の流れを汲んだもので、実践的なリアルさよりもテレビ栄えを追求したものです。最近の「仮面ライダー」もこれになるでしょう。
もう1つは、その対極である「リアルファイト」。実際にある格闘技を模してみたり、組み合ってからの殴り合いなど、泥仕合ともいえる様相を見せます。印象的なものだと「ウルトラマン」の馬乗りチョップ。技も何もあったもんじゃない(w でもフィニッシュはビシッとかっこいいですから、その辺はさすがヒーロー。

もちろんこの分類は、極端なところを抽出して名づけたもので、実際にはリアルファイトでもテレビ栄えを考えますし(テレビ番組ですから当たり前)、スタイリッシュファイトでも現在放送中の「ゲキレンジャー」のように、実際にある拳法(ゲキの場合五形拳など)を意識されているものも多いです。


子供の目をひきつける「かっこよさ」はやはりスタイリッシュバトルに分があります。しかし、リアルファイトにはそれにはない「痛み」があります。
そのためか、戦隊モノではコミカルな敵や爽快な演出が多く、ウルトラマンや仮面ライダーには社会風刺や問題提起が含まれる話が多いように感じます。

最近の特撮では、いろいろと問題があるようで、特撮でのリアルファイトを見ることが少なくなりました。これは明確に「仮面ライダークウガ」で線引きがされます。クウガまでは、攻撃エフェクトに流血が多く登場します。アマゾンはやりすぎですが(w

クウガでは串刺しシーンなんてのは、衝撃的でした。ネタバレになりますが、ラストバトルをご覧ください。お互いの弱点であるベルトを破壊しあい変身が解けた後は、ただの殴り合いです。これは"ヒーローの戦いも暴力という哀しさに変わりはない"というクウガのテーマが反映されているところです。
これに対して、顕著な反対意見が殺到。その後の仮面ライダーでは、攻撃エフェクトは火花が飛び散るものになっています。

ちなみに、クウガ後の仮面ライダーではバイクアクションもなくなる傾向にあります。クウガではプロのトライアル選手である成田兄弟の協力で、とんでもないバイクアクションが多くありました。参考
これは、街中でのバイクシーンの撮影が難しくなっているのが関係しているようで、クウガは"最後の仮面「ライダー」"になってしまうのかもしれません。

リアルファイトの代表作品をもうひとつ。それは「七星闘神ガイファード」です。
主人公・風間剛の設定が空手家のため、ガイファードの技は全て、実際にある格闘技(空手以外もあります)がモチーフになっています。これは殺陣を担当していた高瀬道場の面々が苦心して作り上げたことが、DVD特典で観ることができます。
また、敵も格闘家が改造されていることが多いため、ボクシングや中国武術、女子プロレスなどの使い手であり、異種格闘技戦の様相です。前半の敵は無手、後半では武器を持った敵が現れるというのも、描きわけがはっきりしていて面白いですよ。こちらがそのバトル動画。
これは、スポンサーが当時「ストリートファイターシリーズ」でブイブイいわしていたカプコンだったというのも、少なからず影響があったのでしょう。

ちなみに、ガイファードは当時18歳の清水あすかのテレビデビュー作です。当時からすでに、その蹴りは出演者の誰よりも鋭く、さすが鳳龍院心拳・護衛護身術17代目宗師といったところ。
その後、再び東宝特撮「超星神グランセイザー」に登場して強さを見せつけ、さらには由美かおると芸能界最強美神決定戦も(w


子供への影響を懸念され、絶滅していくリアルファイト特撮。
戦うことへの苦悩」という表現も十分、情操教育として役に立つと私は考えているのですが、最近は実際にゲームやアニメを言い訳にした事件も多いため、自粛もやむなしなのか……とため息をつくばかり。

暴力表現を反面教師と受け止められる時代を再び作ることが、若い世代の急務なのかもしれません。



あれ?こんな真面目なことを書こうと思ったんだっけか……まあ、いいや(w