代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

ダム建設推進のための過大水需要予測(東京新聞の記事紹介)

2014年10月07日 | 八ッ場ダム裁判
 昨日(2014年10月6日)の東京新聞の特報面で、ダム事業推進のために水需要が過大予測されている様子をわかりやすく解説した記事が掲載された。紹介する。



 下図のように東京都の一日最大給水量(年間もっとも多く水を供給した日における供給量)は、1992年の636万立方メートルから2012年には471万立方メートルまで減少。しかし東京都の水需要予測は現在でも最大給水量592万立方メートルという予測で、国も都も、それに基づいて八ッ場ダム建設の必要性を訴えている。もちろんいきなり100万立方メートルも水需要が増加することはあり得ない。



 記事中では、嶋津暉之氏と、本年出版された『戦後河川行政とダム開発』(ミネルヴァ書房)の著者、梶原健嗣氏が登場してコメントしている。

 嶋津氏と梶原氏が紹介している札幌市の例では、市当局は一日最大給水量の予測を87万立方メートルという需要予測を行い、当別ダムを建設。ダムが完成した途端、需要予測を62万トンに下げたという事例が紹介されている。
 さて、東京都の水需要予測はいつ見直されるのでしょうか? 皆さん次の選択肢の中から予想してみましょう。

ア、明らかに不合理だから、ただちに見直されるだろう。

イ、万が一に備えて多めに見積もっているのだから、今後も600万立方メートルという予測を維持するだろう。

ウ、八ッ場ダムの本体工事が完成するまでは今の水需要予測を維持し、完成後に見直されるだろう。

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 本日は八ッ場ダム住民訴訟の埼玉裁判の控訴審判決。東京高裁の判決、回を追うごとに劣化し、稚拙・卑劣の度合いを高めている。今回はどんなメチャクチャな判決文になるのだろう・・・・。
 この常軌を逸した水需要予測も、裁判官の手にかかると「誤っているとはいえない」のだそうだ。裁判官がそう判断する根拠に関しては、小学生にも全く説明できない。この国の大人たちが何をやっているのか、恥ずかしくて子供に見せられない。ああ・・・・・。
 

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