手前ミソで恐縮ですが、まさのあつこさんと梶原健嗣さんと私との共著で『社会的共通資本としての水』(花伝社)という本を出しました。紹介させていただきます。
出版元の花伝社には非常に美しい装丁の本に仕上げていただいて、感謝しております。何か新選組の羽織を連想させる装丁です。
日本の水行政の「闇」に切り込むつもりで書きました。この間、経験してきた「小説より奇なり」と思うしかなかった、唖然とするような事実の数々を赤裸々に書かせていただきました。
この本に関して、「八ッ場あしたの会」がウェブサイトでさっそく紹介記事を書いて下さいました。大変に的確に本書を要約して下さっていますので、この場で一部引用させていただきます。
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八ッ場あしたの会のウェブサイトより引用
八ッ場ダム事業が不要でありながら止まらないのはなぜか、という問いは、ともすると民主党政権がだらしなかったからというわかりやすい答えでお茶を濁して終わりがちなのですが、本当の理由を理解するためには、まずは本書で詳述されている水行政の根深い問題を知る必要があります。本書では、民主党政権が政権公約(マニフェスト)に掲げ、国民が支持した八ッ場ダム事業をはじめとする全国のダム事業の見直しがなぜ挫折したのか、水行政を継続的に監視して来た人々にしか知られてこなかったこの間の経緯も取り上げられており、現在の閉塞した状況を打開するカギがどこにあるかが明示されています。
八ッ場ダムに関係の深い水利権、審議会、利根川の治水計画のほか、札幌市水道と当別ダム、大阪市の水道民営化問題、ダム堆砂など、専門・アプローチの違う著者らによる考察は多面的です。最終章の座談会では、戦前から続く河川局と土木学会との癒着、改革派河川官僚による画期的な淀川方式や河川ムラの実態などのエピソードも盛り込まれています。
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花伝社ホームページもご参照ください。
http://kadensha.net/books/2015/201504shakaitekikyoutushihon.html
本書の各章は少し小難しい議論も並んでいますが、まずは第4部の座談会を最初に読んでいただければ、本書の主張はおおまかに把握できると思います。個々の章は、第4部に続いて読んだ方が理解しやすいかも知れません。
なお座談会には、竹中平蔵氏の評伝である『市場と権力』(講談社)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞された佐々木実さんが参加して下さり、佐々木さんの問題提起により、非常に引き締まった議論になりました。
ちなみに、佐々木さんは、宇沢弘文先生の社会的共通資本研究会に参加されており、私も宇沢先生を介して佐々木さんと知り合いました。現在、佐々木さんは宇沢弘文先生の評伝を講談社の『G2』という雑誌に連載中です。佐々木さんは、すでにケネス・アロー、ロバート・ソロー、ジョセフ・スティグリッツ、ジョージ・アカロフなど生前の宇沢先生と深い交流関係にあったそうそうたる経済学者たちにインタビューをし、宇沢先生の評伝の域を超えた、「戦後世界における新古典派経済学の栄枯盛衰物語」といった趣のすぐれた連載をしています。『G2』のVol.18に掲載されている「宇沢弘文 ―資本主義の探究者」をご参照ください。
http://g2.kodansha.co.jp/
出版元の花伝社には非常に美しい装丁の本に仕上げていただいて、感謝しております。何か新選組の羽織を連想させる装丁です。
日本の水行政の「闇」に切り込むつもりで書きました。この間、経験してきた「小説より奇なり」と思うしかなかった、唖然とするような事実の数々を赤裸々に書かせていただきました。
この本に関して、「八ッ場あしたの会」がウェブサイトでさっそく紹介記事を書いて下さいました。大変に的確に本書を要約して下さっていますので、この場で一部引用させていただきます。
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八ッ場あしたの会のウェブサイトより引用
八ッ場ダム事業が不要でありながら止まらないのはなぜか、という問いは、ともすると民主党政権がだらしなかったからというわかりやすい答えでお茶を濁して終わりがちなのですが、本当の理由を理解するためには、まずは本書で詳述されている水行政の根深い問題を知る必要があります。本書では、民主党政権が政権公約(マニフェスト)に掲げ、国民が支持した八ッ場ダム事業をはじめとする全国のダム事業の見直しがなぜ挫折したのか、水行政を継続的に監視して来た人々にしか知られてこなかったこの間の経緯も取り上げられており、現在の閉塞した状況を打開するカギがどこにあるかが明示されています。
八ッ場ダムに関係の深い水利権、審議会、利根川の治水計画のほか、札幌市水道と当別ダム、大阪市の水道民営化問題、ダム堆砂など、専門・アプローチの違う著者らによる考察は多面的です。最終章の座談会では、戦前から続く河川局と土木学会との癒着、改革派河川官僚による画期的な淀川方式や河川ムラの実態などのエピソードも盛り込まれています。
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花伝社ホームページもご参照ください。
http://kadensha.net/books/2015/201504shakaitekikyoutushihon.html
本書の各章は少し小難しい議論も並んでいますが、まずは第4部の座談会を最初に読んでいただければ、本書の主張はおおまかに把握できると思います。個々の章は、第4部に続いて読んだ方が理解しやすいかも知れません。
なお座談会には、竹中平蔵氏の評伝である『市場と権力』(講談社)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞された佐々木実さんが参加して下さり、佐々木さんの問題提起により、非常に引き締まった議論になりました。
ちなみに、佐々木さんは、宇沢弘文先生の社会的共通資本研究会に参加されており、私も宇沢先生を介して佐々木さんと知り合いました。現在、佐々木さんは宇沢弘文先生の評伝を講談社の『G2』という雑誌に連載中です。佐々木さんは、すでにケネス・アロー、ロバート・ソロー、ジョセフ・スティグリッツ、ジョージ・アカロフなど生前の宇沢先生と深い交流関係にあったそうそうたる経済学者たちにインタビューをし、宇沢先生の評伝の域を超えた、「戦後世界における新古典派経済学の栄枯盛衰物語」といった趣のすぐれた連載をしています。『G2』のVol.18に掲載されている「宇沢弘文 ―資本主義の探究者」をご参照ください。
http://g2.kodansha.co.jp/