代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

「緑のダム」効果 大雨時ほど鮮明 東大演習林での研究結果

2012年09月25日 | 利根川・江戸川有識者会議
 本日(2012年9月25日)の『毎日新聞』の西日本版の朝刊に以下の記事が掲載されました。

***以下サイトより一部引用***
http://mainichi.jp/area/news/20120925ddp041040009000c.html

森が降った雨をためて洪水を緩和する「緑のダム」効果が、時間雨量30ミリ以上の強雨時に顕著に表れ、総雨量400ミリを超す大雨でも頭打ちにならないとの解析結果が、東京大学付属演習林(愛知県)の観測データから得られた。26日から広島市で始まる水文・水資源学会で発表され、来月発行の「日本森林学会誌」に掲載される。【福岡賢正】

****引用終わり****

 研究を行ったのは東大大学院生態水文学研究所の五名(ごみょう)美江特任研究員と蔵治(くらじ)光一郎准教授です。私もご本人たちから、ポスター発表の要旨をいただきました。それによると400mm台の豪雨が来た場合でも、森林の貯留量は平均でハゲ山期に比べて森林生長後には33.5mm増大しているそうです。森林による貯留機能はとくに時間雨量30mmを超える集中豪雨で大きく発揮されるという結果で、2000年の東海豪雨のような集中豪雨では、ハゲ山期と比べると森林の貯留量の増加幅は71.3mmに増えています。集中豪雨ほど緑のダム機能は高まることになります。
 「これは画期的な研究だ」と思い、本日の利根川・江戸川有識者会議の場で、各委員と国交省の担当者の方々に配布させていただきました。

 ちなみに私も、利根川の流出解析から、1950年から2010年のあいだの森林生長によって、利根川の治水基準点における洪水時のピーク流量は少なくとも13.7%減少したという結論を得て、八ッ場ダム住民訴訟の意見書として東京高裁に提出しています。以下サイト参照。

 http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/tokyo_k/tokyo_k_g_iken_seki_1201.pdf

 本日の利根川・江戸川の有識者会議の場で、森林の機能を正しく評価するように強く要請してまいりましたが、その場でK委員(東京大学大学院教授)から「森林の効果は見いだせなかった」と強く否定されました。全く科学的根拠のない否定です。

 僭越ながら、K委員は「森林の効果はないのだ、ないのだ」と自己暗示をかけておられるのではないかとさえ思われます。
 科学的事実は事実です。権威がある学者が何と言ったところで、科学的事実がねじ曲がることはないのです。

 
 

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