季節を描く

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“SHUNGA 春画展 ” 永青文庫(2015/11/24)

2015-11-26 18:01:46 | Weblog
春画の歴史が古いことに、驚いた。
しかし、考えてみれば、人間は動物であり、性行為をするよう身体が構造化されているから、性行為が絵画化され、興味を持たれるのは、当然である。

春画が、江戸時代になるまで、上層の者たちだけに、享受されたのは、絵画が商品として高価だったからである。
相対的に廉価な版画が成立し、また生産力・経済力が向上した江戸時代に、誰もが興味をもつ性行為を描いた絵画(春画)が、普及した。
当然、需要は盛んであるから、品質が良ければ、商売として、十分に成り立つ。

絵師たちは、もちろん糊口の資を得るため、絵を描いたのだが、彼らの芸術家あるいは職人的プライドが、素晴らしい春画を生み出した。
春画なので、いい加減なものもあるのではと思ったが、商品としての競争に勝ち残った作品のためか、いずれも真面目、丁寧、真摯な筆致で、感動する。
内容は、事実的図鑑的であったり、ロマン主義的であったり、様々だが、いい加減な作品がなく敬服する。

もちろん、煽情性もあって、人を興奮させる威力は、確かである!

大変、興味深い、展示だった。
作品展の開催を引き受けた永青文庫の勇気に、感服します。


(狩野派「欠題春画絵巻」/紙本着色/1巻/江戸時代(17世紀前期)/大英博物館蔵)

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