季節を描く

季節の中で感じたことを記録しておく

特別展「縄文―1 万年の美の鼓動」(東京国立博物館):(1) 生まれてくる子どもが嬉しそうに顔を出している、(2) 妊娠し、肥っている土偶、(3)男神の男根、(4)亡くなった幼児の手形・足形

2018-08-28 09:33:50 | Weblog
(1)
大きな壺形土器の上の縁に出産する女性の顔が付け足されている。表情はあっけらかんだ。顔の前側に、壺の中空部分があって、その前側外の壺側面の真ん中、ちょうどすわった女性の足の股の間に当たる位置から、子どもがどこか嬉しそうに顔を出している。印象が強烈だった。驚いた。縄文時代、無事、子どもが生まれることは、大きなめでたい出来事で、それが隠されることなく表現されている。


(2)
縄文のヴィーナス(土偶)は、妊娠し、肥っている。子どもが生まれること、また肥っていることは、繁栄の象徴だ。


(3)
石棒は男根だ。まっすぐで元気そうだし健康そうだ。生殖、そして繁殖は、おそらく強い雄が優先だったろう。生存競争の時代だ。石棒は、権力者、強力なボスの男根か、あるいは男神の男根だ。日本の神々にとって、生殖は、讃えること、自然のことで、恥ずべきことでない。

(4)
お墓から出た子どもの手形、足形の焼き物は、おそらく亡くなった幼児のものだろう。縄文時代の親心が思いやられて、胸が痛んだ。