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“仏教伝来の道、平山郁夫と文化財保護”展 東京国立博物館(2011.1.25)

2011-01-30 19:25:43 | Weblog
「耳飾」(パキスタン・ガンダーラ、クシャン朝・1-3世紀):金製で大きい。金製の「装飾品」(同前)もある。
                   
 「仏陀立像」(パキスタン・スワート、クシャン朝・2-3世紀):とてもガンダーラ的。クシャン朝・1-3世紀はイラン系の王朝。これまでのインド的なルールがなくなる。釈迦を人間のように表現した仏像が成立。
                

 「バーミアン大石仏を偲ぶ」(平山郁夫筆、2001年):アフガニスタンのタリバーン政権が2001年3月、大石仏を爆破した直後の作品。

                 

 「執金剛神またはヘラクレス頭部」(アフガニスタン・ハッダ、クシャン朝・2-3世紀):ガンダーラ仏はギリシャの影響が強い。ヘラクレス(執金剛神)が仏の道案内・護衛を務める。執金剛神は仁王、金剛力士ともよばれる。

 「舎利容器」(中国・新疆ウイグル自治区クチャ、スバシ、6-7世紀):すばらしい。木材の上に麻布を貼り密陀画(油絵)で舞人、楽人、天使が描かれる。天使は裸の子どものようで背中に羽がある。

               
 
 「菩薩立像幡」(中国・甘粛省敦煌莫高窟、唐8世紀):1300年前のものとは思えない。完璧に保存された幡。色も鮮やか。そのとなりに 「地蔵菩薩立像幡」(同前)が展示されている。

                   

 「仏頭」(中国・山西省雲岡石窟、北魏5世紀):鮮卑の王朝である北魏の時代、雲岡石窟(大同)・龍門石窟(洛陽)が造営される。「仏頭」が微笑する。

 「ナーガ上の仏陀坐像」(カンボジア・アンコールトム、アンコール朝12世紀):ヘビ(ナーガ神)が瞑想する仏陀を雨から守る。人気があるデザイン。どこか微笑ましい。

                      

 「大唐西域壁画」(平山郁夫筆、2000年)は薬師寺玄奘三蔵院の本尊にあたる。
 「明けゆく長安大雁塔」:壁画の第1場面。鳥と夕日が塔の高さを思わせる。

                  
 
 「西方浄土須弥山」:壁画の中央、第4場面。平山画伯はエベレストを須弥山とみなした。空の青・雪の白・影の灰色の対比が鮮やかで印象深い。