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“契丹、草原の王朝展”東京藝術大学大学美術館(2012.9.4)

2012-09-04 17:08:46 | Weblog
 契丹(遼王朝)は耶律阿保機(やりつあほき)によって916年、建国された。遊牧民族の帝国。北京以北の中国、およびモンゴルを勢力下におく。1125年、女真(金)と宋に挟撃され滅亡。遼王朝は約200年続いた。

 「金製仮面」(11世紀前半)は葬られた女性の遺体の顔をおおっていた。会場のビデオ映像によれば、埋葬されていた様子は、心のこもったものである。金は、遊牧民の財産の中核をなす。
          

 「龍文(リュウモン)化粧箱」(11世紀前半)は、この貴族女性の墓の副葬品。贅沢な彫金である。中に合子があり頬紅・白粉が残っていた。1000年前の化粧品!         

 「彩色木棺(サイシキモッカン)」(10世紀前半):建物風に階段と手摺がある。豪華。ただし階段とは不正確で、滑り台のように板があるだけ。死者は生者を寄せつけないのかもしれない。
          

 「鏡箱(カガミバコ)・鸚鵡牡丹文鏡(オウムボタンモンキョウ)」(10世紀前半)は、白銅の鏡の背面に鸚鵡2羽がいる。鸚鵡は昔から人気の鳥だと思う。
          

 「三彩鴛鴦形水注(サンサイエンオウガタスイチュウ)」(11世紀後半):10世紀から約100年、契丹では三彩が流行った。確かに白色、黒色、茶色の陶磁器の中にあって、三彩は派手で目立つ。
          

 「板絵近侍像(2枚)」(10~11世紀)は、正装した男女の近侍の像で、墓に描かれていた。彼らの服装の立派さから見て、主人の身分の高さが分かる。