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“特別展、中国王朝の至宝”東京国立博物館(2012.12.5)

2012-12-08 09:47:44 | Weblog
  対決1 四川の金:蜀、中原の青銅:夏・殷
 「爵」(前16-前15世紀):殷時代の青銅器。酒を温めるために用いられた。今は青緑色だがかつては金色で豪華だった。
          
 「金製仮面」(前12-前10世紀):古代蜀文化の代表的な作品。小さいが輝く金の顔。
          

  対決2 南方の神秘:楚、中原の伝統:斉・魯
 「羽人」(前4世紀):木製、漆塗。楚の作品。蝦蟇の上に鳥、その上に羽人が乗る。羽人は仙人であり、鳥の身体に人間の顔。道教的世界に属する。
     
 「犠尊」(前4-前3世紀):斉の青銅器。金銀トルコ石象嵌。祭事用の酒器。動物が写実的である。
     

  対決3 絶対権力が生んだ破格の美:秦、安定と洗練が生んだ様式の美:漢
 「跪射俑(キシャヨウ)」(前3世紀):秦始皇帝陵兵馬俑2号坑出土。等身大でリアル。権力の強大さを思い知らされる。
     
 「女性俑」(前2世紀):墓の副葬品。女官を表す。均整がとれ端正で上品である。
     

  対決4 清新な北方文化:北朝、爛熟の伝統文化:南朝
 「仙人仏像文盤口壺(センニンブツゾウモンバンコウコ)」(3世紀):三国時代の呉の作品。南京市出土。中国古来の神仙世界に属す羽人と仙草が壺の地に描かれる。そこに外来の仏像が付け加わる。伝統と新奇さの不思議な混淆。
     
 「天人龍虎蓮華文柱座(テンニンリュウコレンゲモンチュウザ)」(北魏・484年):龍虎は中原文化の伝統。天人は西方からの伝来。清新さを感じさせる。
     

  対決5 世界帝国「唐」:絢爛の国際都市「長安」と聖なる宗教都市「洛陽」
 「金剛神坐像」(唐、8世紀):密教系仏像。長安・安国寺址出土。ヘラクレスが起源。金箔や彩色で荘厳されていた。
     
 「仏坐像」(唐、8世紀):洛陽郊外、龍門石窟の仏像。伸びやかで均整がとれた造形。
     

  対決6 精神性の漢民族文化:宋、奔放な北方民族文化:遼
 「千仏磚(センブツセン)」(北宋、10世紀):レンガで型作りされた浮き彫りの複数の仏像がきれいに彩色されている。
     
 「銀製仮面」(遼、10-11世紀):遼の貴族の墓から出土。墓主の顔にかぶせた。
     

  新発見&日本初公開 
 「阿育王塔(アイクオウトウ)」(北宋、1011年、南京市出土):古代インドのアショカ王(阿育王)が8万4千の塔を造立したのにちなむ。銀製・鍍金(内部は木製)。高さ120cmで豪華。