季節を描く

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“語りかける風景”展(Bunkamura ザ・ミュージアム) 2010.7.06

2010-07-15 00:07:06 | Weblog
 渋谷のBunkamuraで“語りかける風景”展を見る。ストラスブール美術館所蔵作品。
 ギュスターブ・ブリオン「女性とバラの木」(6、1875年)はバラを見る女性の白い上着がまぶしい。
 
 パブロ・ピカソ「闘牛布さばき」(14、1956年)は黄色と黒が際立つ。粗雑だが勢いがある。
 ポール・シニャック「アンティーブ、夕暮れ」(34、1914年)は新印象派の点描画法。明るさが美しい。
 
 アルフレッド・シスレー「家のある風景」(63、1873年)は爽やかな風を感じる。明るい田舎の風景。とても魅力的な絵。
  
 クロード・モネ「ひなげしの咲く麦畑」(64、1890年)は可憐ではかない花の風情が感じられ大変気に入る。印象派のすばらしさ!
 
 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「ヴィル=ダブレーの池」(38、1860-63年頃)はいぶし銀の静寂を描く。コローらしい樹もある。
 
 ヴァシリー・カンディンスキー「サン=クルー公園」(73、1906年)は小品だが強烈。この数年後、カンディンスキーは抽象画へ移行する。
  
 落ち着いた展覧会だった。

レジナルド・ローズ『12人の怒れる男たち』(1955年舞台化)東京芸術座公演、2010.7.7

2010-07-11 19:45:07 | Weblog
 「無罪の推定」の意味が何かが明らかとなる。「無罪の推定」の概念が舞台全体の骨組みである。証明されるべきは「有罪」である。「無罪」は証明される必要がない。
  
 有罪が証明されないかぎり被告は無罪である。だから有罪の証明に対して「合理的な疑い」があれば無罪である。有罪の証明が完璧で何の疑いも持たせない場合にのみ陪審員は有罪と判断する。
 議論の展開は有罪の証明が不完全であることを、証拠の一つ一つについて検討するという形で進行する。『名探偵コナン』の謎解きを思い起こさせる。
 アメリカの陪審制度は陪審員が裁判に出席し、その後、別室で12名全員が有罪か無罪に意見が一致するまで、あるいは一致をみなかったと確認するまで討議し、裁判長に報告する。後者の場合,裁判所は新しい陪審員を選び直し、もう一度初めから裁判をやり直す。
 この舞台では陪審員は意見が一致するまで議論する。全員一致の評決は無罪である。