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「扇の国、日本」展、サントリー美術館(東京ミッドタウン):特に江戸時代の扇をめぐる美術・文芸の発展・普及は当時の日本人の文化的豊かさを感じさせ、誇らしい!

2018-12-14 10:13:14 | Weblog
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鎌倉時代の仏教説話集には「流れつく扇から愛する人の居場所を知り、再会する」というエピソードがある。ロマンチックだ。
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「扇流し図」が中世以降、多く作られた。扇の漂い流れ変化しやがて失われる姿は無常観を示す。
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扇は大量生産され、流通品としては江戸時代1本3000円から数万円位の価格だった。この価格なら中流階層以上は購入可能だ。
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室町時代後期には「扇の草子」も成立した。扇絵(扇面画)から和歌を当てる謎解きのジャンルだ。
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扇はまた長大な物語の名場面のダイジェストを描くのに適した。さらに屛風や画帖に貼り集めればストーリーの全貌も味わえた。

《感想》扇は楽しい世界だ。特に江戸時代の扇をめぐる美術・文芸の発展・普及は当時の日本人の文化的豊かさを感じさせ、誇らしい。