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“ルドゥーテ『美花選』展”(Bunkamura ザ・ミュージアム )2011.6.24

2011-06-24 21:27:01 | Weblog
 フランス革命前後の時代、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759~1840年)は「バラの画家」・「花のラファエロ」と呼ばれた。彼の名声を不動にしたのが『バラ図譜』。それはナポレオン妃ジョゼフィーヌに捧げるべく制作された。

 「ロサ・ケンティフォリア」は薄い花びらの多くの重なりが印象的である。
            
 『美花選』はルドゥーテ晩年の1827-33年にかけ36分冊で刊行された。それは144枚の植物画を収録する。彼は序文で自分の花の絵が、御婦人達の手芸に、陶磁器の柄として手工業者に、また絵画の手本として教授者・学習者に使われると嬉しいと述べる。

 《ヨーロッパの花々》
 「ライラック」の薄紫色が美しい。
         
 《東洋への憧れ》
 「アジサイ」は中国からヨーロッパにもたらされた。
         
 《ブーケの魅力》
 「バラ」:豪華な3つの花を描く。そして青い蝶が2匹。
         
 「バラ、アネモネ、テッセン」:花びら、葉の描写の精緻さに驚嘆する。
               
 「アネモネ」:ブーケの赤いアネモネが鮮烈。
         
 輪郭を線描しない多色刷りの点刻彫版法(スティップル・エングレーヴィング)が、ルドゥーテの作品に独特の美しさを与える。