銀座、日本橋の町内会の上層幹部のみは、頻度高く寄合を開いていた。
ここで交わされる、互いにとって、普段は云うに云われぬ、重量なる迷惑ごと、他者への追い立てごとを含み得る言い回しの連射は、この概括を共有させていった。
“単純な言い方、単純語の使用を以ってして、現況を、まずは浅くでも、とにかく丁寧に表現すべし場が、この寄合。”
震災より以前、寄合には既に、“井戸”、“毒”、“横暴さへの傍観者”、“傍観者を非意図的にでも、利用してしまう者が、人様にとっての頭部組織の幹部として立つ事の意味を、臨場にて、言語で追う事の、甚大なる愚かさ”、これらの観念が、既に存在しており、公知済みだった。
そして、ある事案を、この寄合が重く見る事態となる。
事案とは、井戸に、猫の毛をむしる道具、損壊状態が入っていた状況が起点だった。
その道具と、損壊状態、そして猫、井戸、の観念は、必ず、唯一の連関を常識人の頭部に、実に丁寧に、求めてくる様、何と、猫の手触りへの、人の怒りの皆無さ、心地良さに関する無謬信仰に頼り切りての、つまりは、猫の背中への、突如なる異常憎悪の根源を、井戸との、人にとっての無垢なる拠り所へ指定する所以を、発見者立ち位置たる、世の常識人、全員に問うていた。
寄合たる、日本の民間象限、筆頭知性の真剣思考時間は、井戸の前に、作為にて立ちし何者かの存在仮定に頼り始める。
“我は、ここら旧来なる常識により、行為へ追い立てられた様は、不当と唱えるが、審議を求める相手は、震災後の、銀座、日本橋の町内会の上層幹部のみの寄合との、猫の毛をむしる道具と、時間、井戸、これらへの無知、毛触りの無垢さを知らずなる、辣腕思考により尖り切った唐辛子興奮知性共。
これによる、突如審議を求める所以は、無手よりの自然着想であった猫の毛の感得法たるや、大興奮、全身大うねり仕草の猫、三匹への路上での容易遭遇を当然とする、自然左脳とこれが好む小説の素性を疑わず集団の構成者が、厳重審議思考にて、ようやく決めた。
何者かが気に入らんとする対象、回転する駒の細首との、頭部がらんぐらん操作へ、しなり続けるのみの唯一の茎なら、既に自明。
まず、井戸への損壊道具の投げ入れ行為へ、我を追い立てし、旧来なる常識への参画権が、左脳依拠者のみに頼り切りての、偏狭判定。
全身での瞬時衝動者の頭部への希望が皆無。
次に、当該常識との遭遇者へ、瞬時に、もたらされるべき、丁寧説諭の機の広宣が、皆無。
然るに、全身での瞬時衝動人生者の、提訴法はかくも、人による夕立降雨。
旧来の常識が、ある時、我に追い立てしが、旧来の常識。
以前より、首の下から全ての内蔵が、これを気に入らんと叫んでいた。”
旧来の常識とは無縁であった、気違い人種、これが犯人で、要望とは無し。
常識による、水を経ての、人への追い立てが、大いに気に入らん。
その様は、猫に怪我をさせず毛を、むしる道具の、ある日の移動先、要り用先を大間違いしてしまった頭部が、猫の毛ではなく、人にとっての皮膚の水気の湧出ゆうしゅつ、の源との、人、盲目なる胃の頼り先を、丁寧に到着先として選択し、水と毛の相互の絡まり合いで、寄合に苦悩せしめる級、が決定らしき。
水、猫の毛に関する価値を、言語化した人間は、過ぎる日常にてその忘却が常であるが、その日々の果てには、水、毛、人の間を、完全に無視人が。
“相手の顔を鷲掴みにし、前後に力強く揺らし振る。
答えを、云わん状態になる朝鮮人。
銀座は、告白の周囲へ、ゆっくりとまとわりつく衝動を丁寧に告白して欲しかったが、こうに至り、もはや希望は潰えてしまった。”
日本橋への襲撃組は、この寸前段階を経験してしまった。
怒鳴られまくれ、申し訳無いと伝えたい衝動と、策謀に関する告白を素直に済ませようとの衝動が、首の下の胸元で鬱積してしまった、らしい。
“告白をしようと思ったのに、この告白姫を目出たく、お迎えしようとする態度が、全く見えずだった。
申し訳無いという衝動は、その判定による憤慨で、燃焼してしまったアイゴー。
人間が可能である、突如なる奔出行為を迎えいくであろう接待の存在を、何故容認しないのか。
常識編纂者、頭部は、深い憤慨と悩みを、お呑みになって頂きたい。”
銀座、日本橋は井戸に警備役を常駐せざるを得なくなる。
井戸の事案を関知していた警察は、常駐に伴う疲弊を伝え聞くが、警察には既に書面や言語では触れられぬ透明なる疲弊が溢れていた。
そして偶然に、井戸の事案が、警察の何の作為も無い、野放図な立ち話を経て内務省の高官に知られる。
高官は警察が沈む、無言なる脅威や斥候沙汰、東京の一等地での連射事態を深く案じていた。
“しかし、公的な支援は、出来かねる。
組織認識が、溶解し、縫合の際に乱雑を見るは必定。”
高官は井戸の事案を知り、激昂する。
内務省高官、複数が参じし公的会議、これが事案に浴びせしは、上の分析の四倍密度だった。
全会一致。
許さん。
内務省が警察から伝え聞いていた事案は、常識が、間抜けに、不動産価値として、素朴に頼らざるを得ない、人間体重にとっての、間抜けに、不動産価値として、素朴に頼らざるを得ない、頭部にとっての、間抜けに、不動産価値として、素朴に頼らざるを得ない、仏像や、武道場、武道具店や、竹刀にとっての竹林、はたまた学業優等女子が選ぶ袴を卸す着物店が広告を載せる新聞の、販売店を、姫としていた。
高名な剣術の名代みょうだい、が師範として教える道場が、放火に遭い半焼の憂き目を見る。
途方に暮れる関係者を尻目に、道場は再度、放火に遭い、完全焼失を見る。
警察だけは分かった。
震災後、東京各地での失火沙汰と、素行不逞者への尋問結果から、これは衝動優先犯罪に分類さる、と。
接近が満たされ得ぬ憧れ、を燃やし切りての、別の人生への船出の燃料を得るべくの頭部とは、一瞬すら無く、ススキ化中との無罪意識らしき。
銀座、日本橋の寄合の部下が、不埒な検分中風体、複数を捕え、尋問に処す。
何をやっていた、と聞く。
立派なる直方体構造の答えは返って来ず。
“衝動の至りいきに、任せ続けて沸く新着想に、突如全身を委ねる旅程にあったと言えます。”
お前は、自己を人間と捉えるつもりか、今の問答の直後にもまだ。
“・・・・・・。
周囲方々は皆、私と同じ頭ですよ。”
人間性に改善への一婁いちる、の希望を見出せずでの、暗澹たる思いが寄合に溜まっていく。
この頃、警察を介さず、内務省が派遣せし、“震災後東京に於ける民度象限異譚特別調査官”が新京橋に展開されていた詰め所を訪れる。
事前予約は無しとの、やおらの訪問先は、現代で言うテントとその下に、おはぎが米、が無数、だった。
“今の番頭さんはどちらでしょうか。”
奥へと通された特別調査官、二名は詰め所の幹部により、過去から続く現況を詳しく、口語伝達される。
“云うに云われぬ、崩し将棋から漏れ沸く歩の駒と乗る指への楷書美化法とはこれか。
何という事だ。”
調査官は入念に確認する。
“連中に、統御意思は、始終皆無続き、でしょうか。”
唖然と戦慄で顔が凍り付く二名。
“日本語の習熟環境で、近隣上司から、罵声や桶の水を浴びせかけられた、との強固確信への接近履歴は、無いでしょうか。”
“今のところ、この詰め所が知る膨大件数、軽く百件以上から、言語周辺でのかいな仕草が、頭部での苦闘意欲を沸き立てていった、との仄聞は一度として伝え聞いてはおりません。
言語は、無関係でした。
関係があるのは、ここら、銀座、日本橋の、震災後の瓦礫を見て沸いたらしき、衝動らしき、です。
衝動と、こう告げ放つも、何らかの太極、吉相をもたらす、尋問役開陳の人生璽奥や店舗の運営視座のハギレが在るなら、それは衝動ではなく、一、真剣上申との捉えを求めてきますが、その主体は当該衝動です。
疲労困憊の限りです。”
調査官二名は顔を見合わせ、途方に暮れる。
予定として抱えている訪問先詰め所は、六本木と麻布方面に二十一カ所、内四カ所ではこん棒での武装団が常駐と把握していた。
“いちいち、詳らかを聞きほじっていったとして、ニ十カ所それぞれで、頭部に人間への慨嘆を溜めていったとして、次の仕事はどうなる。
奇怪極まる、通俗よりの無軌道跳躍小説を読ましめられる時へ自ら向かう、か。”
調査官の人間としての腹はこう叫ぶ。
“もう、知らん。
無限の黒雲を吐く焚火に手をかざしにいくが、本官の職務か。
構っては居られん。”
内務省は調査官、約五十名分もの、当ての無い慨嘆が満ちる報告とそれに満つ表情を知り、無言に伏す。
内務省が重く見ていたのは、重要文化財が座す寺での不審火事案だった。
近くをうろついていた朝鮮人複数を問い質すと、やおらの昇龍言動なる同胞を挙げる。
“あれは、無手より、十を、倒したらしき、歩の頭部、王の駒の材を求め叫ぶ様と思われます。”
当該、自陣より敵陣の王に一手らしき、奇形桂馬を厳しく問い質すと、ただ謝罪を叫ぶばかりで、行為を招来せし衝動群を、丁寧に言葉で明かさずの状態に至る。
思い出し、丁寧に教えろ。
“頭が、真剣な謝罪で、焼け付いてしまい、思い出すと、言語開示、二者が溶接されていき、すぐさま真剣な謝罪による頭焼きが再開されてしまいますアイゴー。
真剣な謝罪と、思い出す、は頭に同居しないようですアイゴー。”
周囲の朝鮮人への詰問により、当該唐辛子頭の桂馬は、ごく普通の属性として、東京に偏在している、と内務省は把握するに至る。
景気良く、川崎方面の瓦礫を、所属集団が検分、報告し合う日々に包まれていた矢先、“お前も一人だけで、希望を何か見出したらどうだ”との言葉を投げ掛けられた後に、やおら昇龍言動化らしき。
“成功の言葉と視野を、頭部が投げ掛けられると、朝鮮人が走る事は、重要文化財が座す寺への放火”。
そして、かくなる高濃度概括を、取調資料に記録するには、取り調べ担当官の私的記憶の筆記事態を要し、不可判定。
もし、概括を記録するとなれば、公的庁舎が、人生訓育の裁量を認める事になり、いずれ至るは、制服階級と筋肉の錬磨量の相関を外界へ罵声宣伝しゆく、威厳の裃かみしも、の両肩尖り、今更登用組織。
取り調べ担当官には、応じた箔、在りき。
こうした末尾文を求めし当該事案曰く、東京に偏在する、ごく普通属性の朝鮮人は、外界での放火決意へ出会う以前に在りし、個人内観を見事に告白する言葉が皆無にて、張りぼて。
内務省は概括した。
“震災後の奇形事案を無視するとして、彼ら朝鮮人の在り様を、公的省庁が、節度を以って明晰把握すべくの体制を整えていかねば、日本語教育の習熟段階や、機会、鷹揚提供気運を以ってして、いずれ、日本の重要文化財は放火ではないが、正統統御が破れしとの、失火事態にいちいち晒されゆく筈。
文化財の、重要、通俗価値いずれ判定を、・・・避けるは市井の民、・・・非忌避は上流文化人。
市井の民の人数は、文化財の、重要、通俗価値を、・・・太極、陰陽の相に、溶かし込みいく判断を・・・せず。
市井の民、常識人は、上流文化人を招聘する事を、忌避。
そして、日常作務へ邁進は、その手足と頭部。
文化財の正統統御が破れるとならば、市井の民はただ、安穏と、文化財の、公には云われずが常識である上下、鳳凰と鶏の二極を、大衆が好む焼き鳥屋台の煙に晒しての、相互溶解、即ち、俗化へ。
何故、ある時、突如、高尚なる障子を破るのか。
言語習熟の果てに、突如彼らが立たしめるこの問いへの、答えとは、役所の公的資料は、・・・何と言う事だ、・・・始終知らず続け。
無力と言ふ事だ。
寺への集団参詣へ、言語初段階者をいざなう企画。
これを後期段階者が、突如提案。
既に顔見知り関係を得たる、寺の住職へ強いるは苦笑い。
この、乱雑なる急造梯子を昇り行く果てには、これが不可避。
肉体体重と集団人数を係数としたる末端者発議、次は他国からの留学生を、間抜けに集団化する研修企画に、奈良の東大寺、薬師寺に、目出たく出会わせ、日本の過去は十割全て、朝鮮の公家理性が、足首から頭頂部にかけての、決死の思案と荒波への渡来船に訴えての結果であって、現地の坊さんら、無量大数人数形容は、毛、無価値、なのですよ。
陰陽を成す的は、乱雑なる急造梯子と、東京で見聞されし民生用品の間で鳴りし、雑音。
俯瞰上、何となく、消費資格が、乱雑衝動まみれな気がする。
以降の至りいきに関する、作為者、眺望者は、不在続きである。
他国からの留学生を、ソニーの新規工場の部課の長の見習い、次期当代候補に、接着しゆく現実力の収集元が、現実世界の左脳、右脳営為いずれにも属さぬ、芸能象限、歴史文化象限をも無視する、高級旅館のラウンジ、冬のソナタ最高視聴率回、大画面上映現実との、大吉相。
何故、突如なる放火頭が、平然と、言語学習を、着実に進展させしか。
人間理解力にとって、これとの甚大奇形症例を、矯正する視座を、公的省庁は成立させられず。
どうと、する日本は。”
内務省が到達を迫られし、未来眺望は続く。
“政治政党が発表する施策を丸暗記し、大学教授へ昇り詰めようと試みる、集団人数にて、行政分野を乱雑化する。
これを強制する視座は立たず。
故にパチンコと大阪の存命力、異常癒着は不可避。
故に芸能人は、朝鮮の食文化を箸で摘ままざるを得ない。
故に大阪は香港との乱暴通商に走る。
故に神奈川のあばら家市は、長く直らず。”