後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

バイオミミクリ

2008年12月27日 | Weblog
不思議おじさんの故郷は
NHKの3回シリーズのドキュメンタリーで
すっかり有名になった
今日の夕方(4時から)も
BSで3時間の放映があるらしい

針江地区(不思議おじさんの生家から約1km)の
生水が湧き出る川端(かばた)はつとに知られるようになった

一昨日の朝日新聞(滋賀版)をネットで見ていたら
川端の水が枯れてきているとのこと

夜の8時頃に針江の農家・石●さんに電話
なんと彼は、氷雨降り寒風吹き荒ぶ暗闇の中で
田をトラクターで耕しているところだった

彼の言うには、
戦後の暮らし・経済が一変し
比良山系の森が荒れ
ツケが回ってきたのではないかとのこと

確かに不思議おじさんの子どものころは
山に入会地があって
馬を連れて芝刈りに出かけたものだ
石●さんにも同じ思い出があるとのこと

植林してもお金にならない
安い外国材が大量に使われてきた
対抗して育ちの早いスギなどの針葉樹が植林された
しかし手入れしないために日光が地面に届かない
そのためにスギは、自己の子孫を残せない
子孫を残すために、大量の花粉を撒き散らそうとする
自然の摂理である

自然の摂理を学び、暮らしに生かす方法
それを「バイオミミクリ」という
新幹線のパンタグラフは
音も無く飛ぶフクロウの羽を真似ている

森の再生は難事業だが
植物生態学者の宮脇昭氏のメソッドは有名
(横浜国立大学名誉教授、国立生態学センター研究所長)

「人間がこの世界から居なくなったら
その土地は一体どのようになるのかを想定した植林方法
事前の科学的な現地調査によって土地本来の樹種を把握
主役になる本命の木を選び、
それを支える三役、五役の樹種を選定
森を構成しているできるだけ多くの樹種を、
自然の森の掟に従って、混植・密植
それぞれが競争しながら
少し我慢して共に生きる
これが健全な生物社会」だという

川端の水が戻るには
今からはじめても
50年という歳月が必要だろう