後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

出会い

2008年10月14日 | Weblog
徳島県の石井町から約40km  
吉野川を高速道路で遡る
ちょっとスピード狂の気配が濃厚な不思議おじさんは
会社の軽自動車でも
小雨の中100kmを超えてしまった

目指すは美馬市の篤農家●藤さん
ジャイロが頭の中に入っている不思議おじさんは
やっぱり歳をとっても偉いもんだ
田舎の「こんな道を行っていいのか?!」という地形で
●藤さんの家から100メートルの地点までチャンと行った

50歳すぎの●藤さんは紳士であった
温厚な中に、日本の農政に対する反発と自立精神を感じた

彼が話の途中で倉庫に行った
持ってきてくれたのは麦である

その麦は、数ヶ月前にブログで取り上げた
紫色をした「もち麦」である
精麦しているので、麦自体は色を失っている
米一合にスプーン一杯
その出来上がりが写真のとおりである

楽天でも売っているが
http://www.rakuten.co.jp/tuchi/515741/516380/
同じものを滋賀県高島市の三田村さんが作っている
針江有機米に問い合わせれば入手できるはず
http://nonkifarm.com/
ただしこのアドレスは石津さんのものだから問い合わせてください

昔、もち米も取れなかった貧しい農民は
この麦で餅を作ったという

いまはまさに贅沢そのもの
不思議おじさんの子供のころ
貧しかった自宅では藁で風呂を沸かした
貧しさの象徴だが
今ならそんな風呂に入ろうとしたら
数万円の旅館代を請求されるだろう
そんなものである

さてこの麦のお味は??
極上の食事の時間を味わわせてくれた
麦自体が持つ特性も当然だが
この麦の向こうに
あの温厚な●藤さんの心が感じられる

戦後の農政で膨大な税金が使われたが
それは農協の箱ものと職員を養うことに使われ
その結果、農民は疲弊し
専業農家は激減し
田畑は荒れ
食料自給率40%という
「国」として存立する基盤を喪失する事態を招来した

不感症で楽天的な人は別にして
日本という国が迎えている
最大の危機であると捉えざるを得ない

子や孫の代のことは気にはなるが
おれは死んでいるから
当座の楽しみを楽しむのだという
団塊世代の刹那的退職者群が横行している

そうなってみたいという気もないではないが
悲しいかなと言うべきか、残念と言うべきか
一人で憤っている不思議おじさんではある