お客様からご依頼を受けまして、アンプを分解してみました。
そのままでも動作はするのですが、以下の2点にご不満があるとのこと
1.トーン回路を効かそうとすると左chが鳴らない。
2.小音量時に左右の音量に差が生じる。
DENONの小型コンポシリーズの中核アンプです。
『 P M A - 7.5 E 』という機種でネット検索するとマズマズの評価があるようですね 小さいながらも手にすると、ズッシリとくる感じなので、さぞかし電源とか筐体がしっかり作られているのでしょう。
上蓋を開いてみると中央に電源トランスが鎮座し、その左右に放熱板のパワーアンプが配置さている というしっかりした造りになってます!! なかなか カ ッ コ イ イ です!
上述1.については、トーン回路を通さない”ダイレクトモード”にすれば問題なく鳴るという状態ですからトーン回路基板の不調だろうと考えられます。(ネット検索しても同様の修理内容が数件みられました。)
トーン回路のOPアンプ関連の不調だろうと分解してゆくも、とにかくコンパクトにするために無理矢理押し込められたようなフロントパネル裏なので非常に厄介な作業となります。JRCのOPアンプでしたので、私の好み(というか手持ちがあったので)でBB(バーブラウン)のOPA2134に交換しました。
続いて、2.の対策とすべきメインVRを交換できるか(同等品が入手できるかどうかの確認)どうか?を、チェックするために取外してみました。
こりゃまた厄介なVRですぅ・・・
リモコンで遠隔操作するためにモーター駆動の付いた一昔前のVRですが、これは入手困難でしょ~ねぇ~
仕方ないですから、ギヤ部を断ち切ってVRだけにして接点の清掃を試みてみました。
あわせて、ネット検索によると同様の故障内容で”バランスVR”の接触不良で片chだけ音がでない現象も発生しているようなのでバランスVRも分解・清掃を実施しました。
せっかく分解したついで ですから、出力のリレーもチェックしてみました。(上写真の青矢印)
こちらは接点の汚れは見当たらなかったですが、アルコールにて丁寧に清掃いたしました。
ざっと以上の作業を行いまして(本当ならばVRやリレーは交換したかったのですが、部品調達に手間取りそうなので清掃・接点復活にとどめました)組立てしちゃいました。
現状では、手頃な音源やテスト用スピーカも有りませんのでSGとオシロで波形チェックのみで終了にいたしました。
SGからの信号(正弦波、矩形波)入力で見る限りは、恐らくは不調症状が解決できたように見受けられております。
いやはやコンパクトな機種はメンテナンスが非常に厄介なことが よ ー く 、 よ ー く 、 解 り ま し た ー
なんとか お客様のシステムに戻っても 無事に動作してくれますよう 心より祈っております~
その方はケンウッドLS-1001というSPをお持ちで接続したのですが、こじんまりと実にうまく鳴っておりました。この位のサイズで小音量で聞くには非常にバランスのとれた組合せで、しばらく聴き入ってしまいました。