ゆず湯

1998年12月23日 | 暮らし

 今日が冬至だとばかり思っていた。
 冬至にはゆず湯だ、と心待ちにしていた。
 ゆずは先日、会社の所沢にある倉庫でリアウィンドウの梱包を、パーツ担当
のおじさんとしていたとき、倉庫の大家さんが、「庭の柚の木になったもんだ」
とスーパーの袋にいっぱい入ったのをくれたものがある。おじさんはいらない
といったので、私が全部もらった。
 しかし待てよ、と手帳のカレンダーを見る。22日が冬至と書いてあった。
 ま、いいか、1日遅れてしまったけど、昨日は残業で家に帰るのが遅かった
から、新しいお湯を入れてる時間がなかったので、沸かし直しのお風呂にした。
 女房は年末で忙しく、私より遅く帰宅した。それから食事の用意をしたので、
夕食は9時半頃になってしまった。UとKは、晩ご飯がかなり遅くなっても、
文句もいわずに黙っていつも食べてる。
 今日は、「ゆず湯、ゆず湯」と心で口ずさみ、私は6時半には家に着いた。
 家に入り、とにかく湯船の残り湯を流し、洗い、新しいお湯を入れた。
 お湯が入る間、私は米を研ぎ、洗濯物をたたんだりして待った。
 お湯が入ったのを、お風呂のコントローラで確認し、ゆずのまわりに包丁で
切れ目を入れた。いい匂いがする。
 3個湯船に放り込み、いそいそと裸になる。
 ああ…、待ちに待ったゆず湯だ。
 目の前のお湯に、切れ目の入ったでこぼこのゆずが浮かんでる。
 手に取ってみる。かなりの力でゆずをしぼる。かすかにゆずの香りが漂う。
3個ともしぼる。
 玄関の扉の開く音がした。女房が帰ってきたのだろう。
 私は大声で女房に「ゆず湯だぞ~」と、自慢したかったが、ゆずを小突きな
がら黙っていた。
 この幸せは、とりあえず私だけのものにしておこう。

     でこぼこを三個浮かべてゆず湯かな

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