9月25日に図書館で文藝春秋9月号を借りられた。
図書館では雑誌の最新号は借りられない。
10月号が棚に並んだら、文藝春秋9月号を借りたいと思っていた。
でも芥川賞の作品が載る9月号は借りたい人が多いので、諦めていた。
そしてやっぱり文藝春秋10月号が発売になった日には、9月号は借りられていた。
それでも図書館に行くたびに文藝春秋の棚は見ていた。
そして9月25日に、奇跡的にそれはあった。
私ははじめに「サンショウウオの四十九日」(朝比奈秋 著)を読んだ。
双子のことを書いた小説だというので、この小説を先に読んだ。
ラジオの「高橋源一郎の飛ぶ教室」(NHK)に、朝比奈秋が出て話していた、のを聴いていた。
私の息子たちは双子だが、この小説の姉妹は結合双生児だった。
二人の女性がひとつの身体を共有していた。
私の頭のわるさなのか、この小説がよく分からなかった。
そして今週から「バリ山行」(松永K三蔵 著)を読んだ。
この小説は私の心にストンと入ってきた。
古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年、
会社付き合いの苦手な波多は、同僚に誘われるままに会社の山岳部に参加するようになった。
波多は親睦を図る目的で気楽な山登りと思っていた。
あるとき、職人気質で職場で変人扱いされているベテラン社員妻鹿(めが)が、
山登りに参加するということだった。
彼はいつもは、あえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしている男だという。
波多の転職から気にかけてくれた藤木常務が定年退職してから、会社の営業方針が変わって、
そのために会社は景気がわるくなった。
そのうちに、波多に早期退職の話などもくるようになる。
ある日、波多は妻鹿にお願いしてバリ山行に連れて行ってもらう。
あらすじはここまでにします。
私も転職を何度もしてきた男です。
会社内の人間関係のいろんなことに、心当たりがあります。
そういうわけで興味深く小説を読んだ。
この人の作品はこれからも読みたいと思った。
「サンショウウオの四十九日」は、もう一度読み返してみます。