息子の選択

2009年01月26日 | 健康・病気
昨日、息子の結婚式、披露宴が何事もなく終わりました。
終わってみると、なんかあっけない感じです。
昨年の5月だったか、「来年の1月に結婚式を挙げる」
と聞いたときから、いろんなことを思ってきました。

私も次男のKも結婚式というものを挙げずに夫婦生活を始めた。
なのにUは、人並みに結婚式を挙げるといった。
Uらしいなと思った。
そしてやはりKはKらしいなと思った。
一卵性双生児なんですが、UとKにはそれぞれに個性がある。
同じ遺伝子を受け継いでいる息子たちですが、
差異はあるのです。

結婚式をやる目黒雅叙園に着いたのが11時半だった。
家は9時40分に出た。目黒に着いて20分ほど喫茶店にいた。
女房が着付けをするために、12時40分にはそこに行かなければならない。
それまで行くところもなく、エントランス近くのイスに坐っていた。
しかし、目黒雅叙園というところはすごいところですね。
私が27歳のとき、求人広告の営業をしていたとき、
アポイントがとれて営業で訪ねたときがあった。
そのとき(あまり記憶はないが)とは、えらく違っていた。
親族控室にいたときに、私のきょうだいが来た。
姉3人と兄1人です。そしてKの嫁と孫。

ぎりぎりになって女房の弟が来た。
1時半に始まった結婚式は神前式だった。
式場に入って笙とひちりきの生の音で胸が熱くなった。
音楽とは心をかき乱しますね。
でも、姿勢の悪い男ふたりの音は長く続かないし、
けっこう雑な演奏だった。だけど、
私は、それらの音を聴いただけで涙があふれてきてしまった。
披露宴が始まり、最初に乾杯の音頭をKがした。
これは、Uが決めたことです。
Kは、乾杯の前のスピーチを小さな紙に書いていて、
式場の控え室にいるときからときどき覗いていた。
今、Kが何を話したかまったく覚えていないが、
Kが話しているとき涙が出てとまらなくなってしまった。
あのちっちゃかった息子たちが、片方が新郎で、
もう一方が披露宴の乾杯の音頭をとるという。
Kは上がっているせいか、声がうわずっていた。
どちらかというとKの声はUより低い感じです。
だから私はふたりの声を聞き分けることができるのですが、
あいつの声がそのときはUに似ているなと思った。
緊張して声が高くなりUに似ている声になったのだろう。
乾杯が終わってKが私の隣の席に戻ってきた。
「どうだ、今からでも結婚式挙げたくないか?」と訊いた。
「おれは挙げたくないよ。M子はしたいようだけど」といった。
「そうか…」
「こんど、家を買おうと思ってるんだ。だから金遣いたくないんだ」
Kには、一戸建ての家を買う計画があるらしい。
司会者が、新郎新婦の紹介をする。
同じ大学の1年違いの学年で同じグリークラブにいたのに、
そのときはつきあいはなかったらしい。
社会人になってミクシィーでつきあい始めたという。
面白いもんだなと私は思った。
Kがこのとき、
「ここでスライドということだったが、
 作るのに30万だったのでUはやめたんだ」という。
息子も嫁も会社関係の人を呼んでない。
親族と幼なじみや大学の友人だけだった。
これはいいなと思った。
結局、友人のスピーチは2人だけだった。
歌は、息子と嫁の大学時代のグリークラブの
男のグループと女性のグループだけだった。
それだけだった。
これじゃ、私のケーナなど出る幕はない。
息子と嫁は、できるだけ簡素な結婚披露宴を選んだようだ。
花束の贈呈があり、そして問題の新郎の父の挨拶がきた。
なんとかつかえずにいえた。女房や息子たちは、
私が泣き崩れてどうしょうもなくなると予測していたらしい。
私だって、やるときはやります。
まぁ、そんなわけで、なんとか無事、披露宴が終了しました。
いい結婚披露宴だったなと思った。金がないなりにも、
それなりの結婚式を挙げたいと息子は思ったのだろう。
いい選択だったと思う。
これだけは息子を褒めてやりたい。
コメント (2)
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