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唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

武士の一分

2007年11月23日 | 男はつらいよ・山田洋次
武士の一分

松竹

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山田洋次さんの時代劇は他の時代劇と違う気がします。いい意味で時代劇っぽくないというか、うそくささがないです。しかも、その反動で自然にというのを意識するあまり、うすっぺらな現代劇みたいになったりということでもないし・・・自然に・・・ということは貫かれているんだけれども、時代という制約は、かなり厳しく考えたんだろうと思います。

それは、しゃべり方もそうですし、しぐさとか、男女の位置、身分の差でも位置関係とかありますし、その社会の中でそれぞれの人間がどのように動いていたのかをかなり気を使ってやっているんだろうと思います。

檀れいさんが鳥みたい。きれいなんだよなあ・・・
追い出されるときそそくさと出て行くところがなんかリアル。あの時は、あの場から早く立ち去りたかったんだろうというのがすごいでています。

この話、ずっと不幸な話です。そのなかのささやかな心のつながりです。この先も、幸せかどうかはわかりません。でもこの先もずっといっしょに生きていこうという素晴らしいお話です。

目が見えなくなって、動揺して、奥さんの心も見えなくなって信頼をすることができなくなったわけですけれど、復讐して今までのこみ上げてくる感情がおさまった時に、失ったものの大きさを感じて寂しさが襲ったんでしょうね。

山田さんの、「息子」とか、「家族」とか、「故郷」をみて、世の中の厳しい現実をまっすぐ捉えて、そこで生きる人たちをいきいき描いているところが好きでした。今でも好きだけど・・・
でも、この間見たはるかなる山の呼び声とか寅さんとか見ていて、それとはちょっと違った印象がありました。この武士の一分もそうなんですけど、人間の心から出発しているというか・・・現実のリアルさという点では同じなのかもしれないけれど・・・現実という土台があってそこで人が生きているというのでなくて、人間の心から出発してそこの舞台が現実であるという感じかなあ・・・そこにいる人間を自然に描いていけば現実が見えてくるというか・・・
意味わからないですかね。

まあ、いいや。

「母べえ」が楽しみになってきました。檀れいさんもでてるみたいだし・・・

男はつらいよ 寅次郎の告白

2007年11月23日 | 男はつらいよ・山田洋次


松竹

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男はつらいよは、いままで面白いとは思っていたけれど、だからといってみんなが愛するようには深くかかわってこなかったですけど、この作品はとてもすごい!

後半に登場して一気に盛り上げてくれる吉田日出子さんと寅さんの恋模様はとても複雑で・・・女性の方が迫っているのに寅さんはそれにびびっちゃうわけだけど、オレだったらありえない・・・また舞い戻って一緒に暮らしたい!なんて思っちゃうんだけど、寅さんはそれをしないわけです。そういう後ろ髪を引かれてるんだろうけど、それはしちゃいけないと思っているみたいです。

もしかしたら、相手を幸せにする自信がないのかも。そこで盛り上がってしまったはいいけれど、相手を想いすぎるばっかりにひいてしまうのではないかなあ・・・「勢いで行っていいのか?おまえはこの人と一生幸せにくらす自信があるのか?」と。それでひいちゃって後でたぶん後悔する。枕を涙でぬらすこともあるでしょう。でも、それ以上は近づけないのです。なんて、よくわかりませんけど・・・

手をつねられるシーンが切ない・・・
あの女の人だって、忙しく働いて心が安らぐひまがなくて・・・(というところをあれだけでみせてくれるのもすごい!)しかも前の旦那さんとはあまりうまくいってなくて・・・後悔と寂しさでずっとつらい思いをしているはずなんだけど・・・。朝の2人の間の空気もとてもつらい。すごい短い時間だと思うんだけど、すごい濃いですよね。

恋は美しいけど、ぶざまなんだよなあ・・・だから、オレも寅さんを笑えないや・・・

さくらさんがみつおの報告を聞いた後に寂しい顔をして涙ぐむシーンがとても切ない。お兄さんを思っていて、お兄さんに幸せになってもらいたいし、そうなる資格のある人だと思ってるのに・・・そうならない悲しさがよくでていて・・・

みつおと泉ちゃんもよかった!

そしてお正月。どこか寂しさを引きずりつつ・・・映画を見終わってみんな家に帰って・・・家族のいる温かさとか、一人暮らしの寂しさとか・・・いろいろその人なりのものを重ね合わせて・・・それが日本のお正月だったのかもしれないです。

寅さんのいないお正月はいまさらながら寂しい気がします。