唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

ハイジ/ヨハンナ・シュピリ

2019年12月16日 | 
小説を読んでしまいました。初めてです。
写真に出てるヨーゼフは登場しません。時間稼ぎのキャラだったのかも。いいやつですけどね。
…そして、ペーターが意外と悪い子でした。悪い子というよりは、浅慮(せんりょっていうんですって)というか子どものままの思考(子どもですけど)というか、…読めばわかります。アニメではそこを和らげてくれてますが、小説は、かなり危なっかしい子です。嫉妬、執着がすごい。でも浅慮だから、行動も幼稚。(子どもだって!)

子どもなら、自分の欲求のためにありえないことしちゃうときだってあるだろうさ。だから、最大限おおめにめてあげる。人はそうやってしていいことと悪いことを判断して、大人になり、社会の歯車になっていくのだから。

しかし、クララのおばあさんの太っ腹なこと。そんなペーターに信じられないプレゼント。

ハイジも、将来安泰の道が開かれた。情けは人の為ならずでしょうか。

宗教色が強い作品です。気になるといえば気になりますが、でも、面白いことに変わりはないです。



仁義なきキリスト教史 / 架神 恭介 / 筑摩書房

2015年09月22日 | 
仁義なきキリスト教史
架神 恭介
筑摩書房
19


おやっさん・・・おやっさん・・・なんでワシを見捨てたんじゃあ!

安息日はのう・・・人のためにあるんじゃろうが・・・。安息日のために人があると思うとるんかあ!

おやっさんは何でもできるんじゃろう!わしは本当はこんなこと、しとうないんじゃあ。堪忍じゃ・・・堪忍してつかぁさい・・・。じゃけんど、おやっさんがそれを望んどるんじゃったら、おやっさんがええ思うようにしてつかぁさい・・・」

こんな感じで、イエスの物語は流れるように面白く読めました。

その後は話自体が初めてだったので、それほど面白く感じませんでした。

イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ / トルストイ

2015年08月31日 | 
イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫)
トルストイ
光文社
18

なんか、生きるのは苦しくて、死ぬ瞬間はすごく肉体的にも精神的にも気持ちいいのかもと思ってしまいました。
記憶にはないけれど、実は生まれた時が一番苦しかったりして。なんて考えました。
自分が築きあげた幸せと思っていたものが実は違うのかもしれないと死ぬ間際に考えてしまう残酷さって、どうしようもないですね。でも、どんな人にも、共通に訪れる安らぎは、本当に死ぬ瞬間なのかもしれません。

もう一つのほうは、もう、女ってこえー!でも、それを作り上げた男社会と男のエゴが一番こえー!って感じでした。愛ってなんだっけ?マジでわかんなくなりそう・・・。
自分を殺した人を恨みながら、その恨む人の目の前で、ゆっくりと死んでいく。それがその恨んだ人に対する復讐でもある。最初に言った死ぬ瞬間の安らぎなんて考えられないね。
刺して殺すんだけど、それがセックスとダブるみたい。





三浦綾子 / 海嶺

2015年08月19日 | 
三浦綾子 電子全集 海嶺(上)
クリエーター情報なし
小学館
17

お盆休みに読みました。

こんな悲しい話があったとは。

何が悲しいかというと、幕府の鎖国政策のもとで、そもそも長い航海ができないように船の規制があったこと。そしてやっと帰ってきたと思ったら、大砲で追い返されてしまうこと。こんな理不尽な話はない!事実はやっぱり残酷です。あれだけ日本に帰る日を夢見ていたのに、それが、ほかならぬ日本人によってさえぎられてしまうとは。理屈や人間としての心の問題が通用しない、幕府の硬直した姿勢が安倍政権に見えてきた。あの時代から自民党政治に至るまで、じつは、お上というのは進歩していないのかもしれない。

日本に残された人たちが帰ってこない人たちを待ち続けたのか、どこで諦めたのか、気になります。

三国志 / 吉川英治

2015年02月09日 | 
三国志 全12巻完全版 地図付
吉川英治
Incunabula.Inc.
 5.6.7.8.

終わりました。この本は、諸葛亮が死ぬところで終わりになってます。大活躍した人が死んでいく様は、本当にはかないです。まあ、大活躍ということはそれだけ人を殺したということなのだけれど。
そうそう、後半に近代戦みたいになっているのにもびっくりしました。この人たち、機械を使ってる!みたいな。

この本を読んでいる間にイスラム国の人質事件が起きましたが、三国志当時と今の人間の命の重みが全く違うことを感じつつ…。
その事件がなければ、首を切られたみたいな表現に対して、なんとも思わなかっただろうに。
うーん・・・

(自分にとっては)短い期間で読み終えることができました。

気になったのは、孫権の妹ですね。ネットで調べたら、後に戻った後、劉備の死を悲しんで身を投げたと「演義」ではなっているけれど、史実は、子どもをとり返された後に、別宅に住んで、その後の記録がないとか何とか・・・、もともとの結婚生活自体がかなりぎすぎすしていたような印象でした。

三国志4、5、6巻 / 吉川英治

2015年01月15日 | 
三国志 完全版(全10巻セット)
クリエーター情報なし
ゴマブックス株式会社


2.3.4.

気づいたら6巻目が終わってしまい…。どこか、読み飛ばしたかもしれませんが…

諸葛亮がやっと登場、曹操に追われる劉備たち。
趙雲が敵陣を劉備の奥さんと子どもを探し回るくだりは、酒のせいもあって、なんか泣けました。
切羽詰まった感じがなんとも。そして、張飛が橋のところで待ち構えてバッタバッタとなぎ倒すところがぞくぞく来ます。前半のハイライトですね。といいながら、この後、赤壁です。曹操の増長ぶりを打ち砕くたたかいとなりました。この敗戦によって、もう一度力を蓄えなければならない状況になってしまいます。

だからといって同盟を組んだ孫権と劉備が中がいいわけじゃなくて、表向きとは裏腹にかなりめちゃくちゃな駆け引きが行われ、そのすべてで劉備が得をする結果に。

そして、劉備が本当の意味で曹操と孫権に並ぶ力をつけました。3つの力の一番のピークなのでしょうか。

みんなレビューで誤字脱字が多いと書いてあります。



三国志2、3巻 / 吉川英治

2015年01月10日 | 
17.1

一応読んでます。激動の時代ですね。
曹操と劉備の位置関係の微妙さが面白いです。曹操の帝をないがしろにする行動が2人を対決させる決定的な結果になったわけですが、帝=善の構図で当てはめれば、曹操は悪者になりますが、漢王朝自体が衰退し、混乱している中で、それまでは民の困窮ぶりを表すエピソードが減っていて、政治的にはいい政治をしていたのかもしれません。わかりませんけどね。もしそうならば、漢王朝先にありきの劉備と、民を重んじる曹操という構図にもなってきます。まあ、そんなことを考えながら、ここまで読み進めてきました。曹操は極端にやさしさと怖さをもっている人で、劉備はいい顔しといて結構ひどい人だったりします。


英雄と言われている人も失敗を繰り返しています。みんなちょっと間違えば殺されてたような状況もたくさんあります。
ゲームならリセットすればいいけれども、そうはいかないですもんね。
人間の命が軽い時代。一般庶民の命はその中でも軽い。そんな時代に生き残る人たちのたくましさです。

三国志 1巻 / 吉川英治

2014年12月22日 | 
三国志 1巻 無料版
吉川英治
ゴマブックス株式会社

16

キンドルで読んでます。

黄巾党の乱から始まるものがたり。
結局、国家のゆきづまりが黄巾党を生み、黄巾党が壊滅しても、国家そのものの改革がなされないと、ゆがんだ支配体制が続くわけで、

「天下の乱は、天下の草根からおこるものでない。むしろその禍根は、民度の低きよりも、廟堂の高きにあった。川下よりも川上にあった」政を奉ずる者より、政を司る者にあった。地方よりも中央にあった。けれど腐れるものほど自己の腐臭には気づかない。また、時流の動きは目に見えない。」

まさにここのところなんでしょうね。

というわけで、今度は董卓が牛耳ってしまいました。まだまだ天下の乱は始まったばかりです。

イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言

2014年12月22日 | 
イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)
デービッド・アトキンソン
講談社
15

初めて、キンドルで読みました。

面白く読みました。

まさか、昔自分が勤めていた会社の社長がこんなことになっていたなんて。前に聞いたときに、たしかに、外国人の社長になったというのは聞いていたんだけど。

経営というか、経済を考えるベースは、新自由主義なんだろうと思うので、すべて正しいとか、そういうふうには思わないけれど、数字を厳密にみるというか、リアルにみるということとか、文化や、文化財を守るという観点で、しっかりしているのはやはりイギリス人だからなのかもしれませんが、日本のようなルールが全くない形でのむき出しの利益第一主義とは違う人のように思えてくる。
「おもてなし」のところなんかは、自分も違和感を感じていたので、その理由がこの本を読んでなんとなくわかりました。

一番納得したのは、日本のクレームの対応は、そこから会社を改善するということでなくて、相手が理解できていないからクレームがあるという、誤解を解くための対応となっているなんてことが書かれていて、全く消費者の目線が無いところが納得でした。それで思い出したのが、安倍政権が、沖縄基地問題とかも、世論の反対があることを、「説明が足りない」とかいって、反対してるのは、そっちの理解不足ですと言わんばかりの対応をして結局、国民に耳を傾けようとしない姿勢にも通じるようなきがしました。



デューン砂の惑星 (4)

2014年11月13日 | 
デューン砂の惑星 (4) (ハヤカワ文庫 SF (94))
フランク・ハーバート
早川書房
14

映画が上映された時から2度3度と挑戦して、初めて4巻読み通しました。
しかし、映画の助けがなかったら、想像することもできなかったと思います。ほんと、映画に当てはめてるだけで理解しているようなイメージを作っている状況。読んでいる中身は理解できていないような感じでした。

唐突に子どもができたり、死んだり。物語の展開もなかなかに唐突に大きな転換を迎えてその流れが全然見えないような感じです。余計なところでいろいろ難しい会話をしていて。その会話の内容も正直理解できない。自分にはレベル高すぎですね。

エイリアがまわりから怖がられてて結構かわいそうな子だったり、ポール自身がハルコンネンの血筋であるというショッキングな事実もあったり、面白いところもありました。ガーニーがお母さんを殺そうとするところはなんか泣けてきたし。あそこの部分は一番理解できた内容でした。最後の結末の政略結婚みたいなのも驚きでした。

それと、さみしいのは、親子の会話に、とても冷たいものを感じてしまうところです。特に4巻はそうです。クイサッツハデラッハになるということはすべてを超越した人間なのかもしれないけれど、あんなに母親を下に見なくてもいいのにという感じがしちゃいます。僕をこんな風に育ててなんてひどい母親だ!しかも、僕はあなたを超えたのに、まだそれがわからないのか!って感じで。

このポールさん、もっと先の「ジハード」のこととか、自分の死のこととか、そんなことも頭をよぎってましたが、未来がみえるということは必ずしもいいことじゃないなと思ってしまいます。

時間を超越した存在になるって、頭がおかしくなりますね。だって、いつが現在かわからなくなりそう。その現在の人たちから見ても、その超越した人は頭がおかしいとしか見えないかも。先を読むというのは根拠があってさみを読むわけだけど、先が見えるというのは、ただ先が見えただけですもんね。そこに後から根拠がくっついてくる。こっちのほうが矛盾が出てくる可能性をはらんでいます。だから、未来が見える人は、見えることはあまり口に出して言えなくなってしまうような気がしました。

そんなこんなで、この先は映画では描かれていない物語です。読むのも大変そうなので、ちょっと躊躇しています。










デューン砂の惑星 (3)  ハヤカワ文庫

2014年10月23日 | 
デューン砂の惑星 (3) (ハヤカワ文庫 SF (88))
クリエーター情報なし
早川書房
13

読んでいる中身の3分の1いや、もっとかな?理解できてないまま、でも、わくわくしながら読んでます。
なんか、アクション的なところも、ぱぱっといってくれないところがはがゆく、そう思ってたらいつの間にかアクションが始まっていて、なかなかにそのタイミングをつかめずにいたりしてます。
救世主として期待されるその先にある破壊の道という、ただ単に救世主が現れて星を救いました的なものではないようだと感じつつ。
いよいよ4巻目に入ります。