唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ / トルストイ

2015年08月31日 | 
イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫)
トルストイ
光文社
18

なんか、生きるのは苦しくて、死ぬ瞬間はすごく肉体的にも精神的にも気持ちいいのかもと思ってしまいました。
記憶にはないけれど、実は生まれた時が一番苦しかったりして。なんて考えました。
自分が築きあげた幸せと思っていたものが実は違うのかもしれないと死ぬ間際に考えてしまう残酷さって、どうしようもないですね。でも、どんな人にも、共通に訪れる安らぎは、本当に死ぬ瞬間なのかもしれません。

もう一つのほうは、もう、女ってこえー!でも、それを作り上げた男社会と男のエゴが一番こえー!って感じでした。愛ってなんだっけ?マジでわかんなくなりそう・・・。
自分を殺した人を恨みながら、その恨む人の目の前で、ゆっくりと死んでいく。それがその恨んだ人に対する復讐でもある。最初に言った死ぬ瞬間の安らぎなんて考えられないね。
刺して殺すんだけど、それがセックスとダブるみたい。





三浦綾子 / 海嶺

2015年08月19日 | 
三浦綾子 電子全集 海嶺(上)
クリエーター情報なし
小学館
17

お盆休みに読みました。

こんな悲しい話があったとは。

何が悲しいかというと、幕府の鎖国政策のもとで、そもそも長い航海ができないように船の規制があったこと。そしてやっと帰ってきたと思ったら、大砲で追い返されてしまうこと。こんな理不尽な話はない!事実はやっぱり残酷です。あれだけ日本に帰る日を夢見ていたのに、それが、ほかならぬ日本人によってさえぎられてしまうとは。理屈や人間としての心の問題が通用しない、幕府の硬直した姿勢が安倍政権に見えてきた。あの時代から自民党政治に至るまで、じつは、お上というのは進歩していないのかもしれない。

日本に残された人たちが帰ってこない人たちを待ち続けたのか、どこで諦めたのか、気になります。