こんな彩瀬さんを見たことがない。軽妙なタッチで、チャボが語る毎日の暮らし。漱石の『吾輩は猫である』と同じように動物視点からの人間ウォッチングだが、ここでは人間と動物たちは等価で描かれる。しかも動物目線(チャボの桜さんの視点から)。
チャボの桜と一応彼女の飼主である茂さんのお話。ふたりは友人であり、家族でもあり、バディ。お互いに寄りかかり生きている。どちらかというと、桜さんが保護者。
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これは若い学生劇団の公演だ。藤井寺市の市民会館小ホールというマイナーな空間で上演される。春演参加作品なので見せてもらえた。そうじゃなくては、関係者じゃないとこんな芝居があることさえ知らないまま終わるはず。
土曜日の朝からの公演というのも珍しい。こんな僻地(!)で休日の早朝から芝居を見るなんてなんだか新鮮。初めてのところだったから時間に余裕をもって行った。開場前に着き、ロビーで読書しながら待つ。僕 . . . 本文を読む
こんな楽しい本だとは思いもしなかった。だから一瞬で読み終えてしまう。カフカのテキストの一文から書き起こすエッセイ集である。さまざまな作品の冒頭の一文、さまざまな登場人物、出来事、カフカの考え、そして最後は各作品のラストの一文。評論ではなく、カフカ入門書だけど、まずカフカで楽しもうとする本。これをきっかけにしてカフカに親しんで欲しいというカフカ研究会の面々の思いがしっかり込められた一冊。
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