
夏の恒例になったあみゅーずのリーディング公演である。昨年の「さかい利晶の杜」でのお茶会をセットにした公演に続き、今回は普段なら本来なら本公演の舞台であるウイングフィールドでの公演である。同じところに止まらず常に目新しい企画を嬉々として用意する。なんとリーディング公演で「ウイング再演大博覧會」に登場する。
だから朗読劇(飛び出す絵本!)で参加するのだ。これは画期的な試みではないか。それくらいにあみゅーずのリーディングは特別なのだ。もちろん最初からそうだったわけではない。毎年の公演の積み重ねがそこに行き着いたのである。
今回はこれまでの作品からピックアップした短編集。3話からなる。(これも定番パターンだ)西加奈子『炎上する君』、江國香織『いつか、ずっと』、朱川湊人『栞の恋』というラインナップ。
今回のキャストは8名。基本的にはずっと全員が舞台に出ている(炎上する男、松原一純は最初出てない)というパターンは初めてではないか。特定の誰かが主演を務めるのではなく完全なアンサンブルプレーだ。もちろん各エピソードの中心になる人物はいる。小説だから、ね。だからその人物だけでなく、語りや、脇を固めるキャストに音楽隊も含めたチームプレイで作品を立ち上げる。フィナーレの『また会う日まで』まであっという間の80分。
少し不思議で基本楽しいお話が並ぶ。だけど最後は戦後80年の夏だから、戦争の悲劇にもちゃんと言及した。そんなこんなで盛りだくさんのリーディング公演。
なんと今回で15回を数えるということだ。(コロナ禍のシークレット公演を含めたらそうなるらしい!)「後20回はやってね」と帰りに条さん、笠嶋さんにお願いした。あみゅーずはまだまだ続く。