昭和54年に中学三年生だった。九州、久留米の田舎町で、転校生の彼女はカメラを持って学校にやって来た。ボックス型のライカ。そのオーソドックスな写真機を手にして、さまざまな風景をカメラに収める。彼は彼女から写真を教えてもらった。あの夏、2人はいつも彼の部屋でとりとめのない話をしていた。
あれから20年も30年もの歳月が流れた。彼は末期がんで、もうあと半年の命だ。本当ならカメラマンとして、これから . . . 本文を読む
その意気込みは買いたい。題材の選び方、アプローチ。ドラマの組み立て方も含めて、とてもいいと思う。しかし、それをどう見せていくのか、という地点で、あらゆる意味で失敗している。こんなにも緊張感のない芝居を作っては駄目だ。上手い下手という問題ではなく、センスの問題か、なんて思ったが、フライヤーも含めて、決してセンスがないわけではないから、これは経験不足と、勉強不足からくる空回りが原因と見ていいだろう。 . . . 本文を読む
青い鳥の『ポロロッカ』を原作にして再構成したあみゅーずの新作は、いつも通り、見ている人をほんの少しいい気分にさせてくれる、そんなお芝居だ。
青い鳥の芝居のように突き詰めていくことなく、ほんわかとした心地よさを、さらりと見せていくところにあみゅーずのよさがある。彼女たちの軽やかなフットワークとアットホームなスタッフワークで、こんなにも暖かな気分で舞台を見つめられる。そんな芝居ってなかなかないと . . . 本文を読む