習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『リアルフィクション』

2008-05-02 18:00:36 | 映画
 初期の実験的な映画の中でキム・ギドクは明らかに拙いミスを連発して、映画としての構造を損なっている。思いつきでストーリーを進め、観客との共通の磁場を作れないまま、話を先に進めてしまうから、見ていて呆れてしまうことしきりだ。  しかし、それがあと少し自分のスタイルとして定着すると怪しげな映画として僕たちを魅了することのなる。デビュー作『鰐』はともかくとして、『ワイルドアニマル』そして、この『リアル . . . 本文を読む
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豊島ミホ『花が咲く頃いた君と』

2008-05-02 17:00:40 | その他
 4話からなる短編集。いつもながらとても微妙な感情のゆらぎを繊細なタッチでとらえており感心させられる。このパステルカラーの淡さの中に、とてもささやかな毒を盛り込み、それが少しずつ体にまわっていく。かといって、それは決定的な何かにはならない。  『サマバケ96』の2人の中学生、ユカとアンナの夏休みの冒険は2人の間に男の子たちが介入することで、最初彼女たちが思っていたこととはずれてしまう。外見の派手 . . . 本文を読む
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