人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

市場操作のカラクリ・・・なぜ日経平均が上昇し、円安になるのか?

2012-02-22 06:03:00 | 時事/金融危機
 

(日経平均株価推移)


(ドル/円相場)



■ 日銀の追加緩和で何故、日経平均株価が上昇し、円安になるのか ■

1) 日銀が長期国債を10兆円、市場から買い上げる
2) 日本の金融機関は長期国債のリスクを低減出来ると同時に10兆円を手に入れる
3) 日銀から株を買い上げる指示が出される
4) 日本の金融機関が株を買い上げ、株式相場が上昇する

5) 売り一色だった海外投資家が、日銀の量激緩和による株価上昇を予測。
6) ヘッジファンド勢が円売りドル買いで円相場を円安に振る
7) 円安で日本株を効率良く買う

海外勢は「円安で買い、円高で売る」を繰り返しています。
今回の日銀の発表は、明らかに決算対策であり、
日本の企業が「株安」では決算を乗り切れない証拠でもあります。

昨年の311の直後にも同様の動きがあり、
震災で株価が大きく下落した後に、
3月の後半にかけて大きく値を戻しています。
株が値を戻す要因は何もなかったのですが、
結局金融機関を中心に、海外勢力の売り圧力に対抗しました。

震災後、円高に振って日本株を売却して利益を出した海外勢は、
その後円安に誘導して、株を買戻し、
さらに決算相場のピークをにらんで円高誘導と日本株売却を仕掛けています。
海外勢力にとっては「泥棒に追い銭」状態で「濡れてに粟」だったでしょう。

今回も3月後半にかけて同様の状況が発生しており、
決算相場のピークを見極めた所で、
ヘッジファンドが円高を仕掛け、海外勢が日本株を売り始めるでしょう。

マスコミは3月決算に向けて政府・日銀と一体になって、
株式市場の復活をイメージ操作する必要があり、
その裏で、日本の国富がまたもや失われてゆくのです。

ニュースは結果しか報道せず、原因に触れる事はありません。
それを報道してしまったら、せっかくの株価操作が水の泡になってしまいます。



ギリシャ問題は先送りされただけ・・・だんだんとデフォルトに追い詰められていないか?

2012-02-22 05:56:00 | 分類なし


■ ギリシャ問題は解決したのか ■

ユーロ蔵相会議が長時間の協議の末にギリシャへの第二次支援を決定しました。
これによってギリシャの当座の危機は回避されます。

しかし、ギリシャが債務削減プログラムを誠実に実行しなければ、
直ぐに又、財政赤字が膨らみ始めます。

ギリシャに課せられた債務削減へのハードルは高く、
それは同時にギリシャ経済をさらに悪化させ、
税収を減らす要因にもなります。

債務削減によりギリシャ国民の生活が圧迫されるのは「これから」であり、
先日の様なデモが日常化する可能性も低くありません。
生活が厳しくなればばなる程、
ギリシャ国民は債務削減よりもむしろデフォルトとユーロ離脱を望むでしょう。

ギリシャは4月に選挙を控えており、
選挙の結果国民が「債務削減」を拒否する可能性もあり、
ドイツやオランダでは、第二次支援を総選挙後に伸ばす事も検討されていました。

ドイツではギリシャの選挙を延期すべきという
「ギリシャ国民の権利を制限しろ」と言うに等しい主張までされています。
民主主義の真の姿が見え隠れし始めました。

■ ユーロ首脳は当座の責務を果たしたと国民を説得するだろう ■

今回の第二次支援の決定により、
ギリシャがデフォルトを選択した場合にも、
ユーロ首脳達は、「最善の策を投じたにも関わらずギリシャが勝手にデフォルトした」
と言い訳が出来るようになりました。

ギリシャ議会は「集団行動条項(CAC)」の法案が21日に提出され
23日には可決される見込みです。
これにより、ギリシャは国債の債権放棄に強制力を持つ様になり、
これが発動された場合、「デフォルト」と同様の認定をされる可能性もあります。
その場合、クレジットイベントが発生する可能性はゼロでは無く、
CDS爆弾は脅しの道具として依然威力を温存する事になります。

■ ギリシャ問題は先送りされただけ ■

ロイターは今回のユーロ危機の混乱を助長する記事が多く、
楽観論を流した後に、悲観論を流すなど、
市場にあえてゆさぶりを掛けている様に思わせる節があります。

ギリシャの第二次支援の決定を速報して、
市場が上向くと報道した舌の根も乾かぬうちに次の様な記事を掲載しています。

「ギリシャ債務、再び軌道から外れる可能性大=トロイカ報告書」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81K00D20120221

「ユーロ/ドル下げに転じる、ギリシャ支援合意後の値を消す」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81K00820120221

何れにしても、市場はギリシャ問題に悲観的です。

EUやIMFが思い切った資金援助をギリシャに行わない限り、
ギリシャ問題は先送りされるだけで解決される事はありません。
そして、それこそがEU首脳の望む事だと思えてなりません。

とりあえず、市場が乱高下する事で大儲けする勢力が居る事は確かです。

日経平均もダウも上昇し、マスコミがこれを煽っています。
個人投資家がリスクを取り始めたと報道するマスコミは確信犯です。