人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

欧州とアメリカ・・・危機はどっち?

2011-11-09 12:21:00 | 時事/金融危機
 
 

■ 欧州はしたたかだ ■

ロイターの記事は必読です。

「焦点: 仏独首脳らが新グループ、欧州危機脱出への手腕に注目」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24059720111109


ドイツ         メルケル首相

フランス        サルコジ大統領

欧州連合(EU)    バローゾ欧州委員長
            ファンロンパイ大統領

欧州中央銀行(ECB) ドラギ総裁

国際通貨基金(IMF) ラガルド専務理事

ユーロ圏財務相会合   ユンケル議長
            レーン欧州委員(経済・通貨問題担当)


ちょっと仕事の出来そうな面子ではないですか。
EU、ユーロ圏は危機を利用して「緊急政府」を作ってしまいました。
「正統性は無いけれど、実効性はある」という事は、
議会承認無しに、大胆な改革案を打ち出せるという事では無いでしょうか。


ユーロ危機はイタリア債権危機に発展し、
まさに「崖っぷち」に見えますが、
狙いはまさに、EU財務省の設立。

今後危機が一層深刻化すれば、
フランクフルトグループは、
民主主義の手順など無視して
大胆な案を実行に移してゆくでしょう。

問題はメルケルがどれだけドイツ国内をまとめられるか。
あまり突っ走ると、政権基盤が弱いだけに足元を掬われる結果になります。

ドイツの巨大銀行はEUの他国の債権を
ユーロ建てで大量に保有していますから、
ドイツの銀行破綻を食い止める方法は、
最早「ユーロ防衛」しか無いのですけどね。

いやー、しかしユーロ・クラート達の何と手際の良い事か。
ギリシャ危機に一筋の光明が見えたと思った瞬間、
畳み掛ける様に、イタリア危機を仕掛けて来ました。

それに引き換え日本の官僚達は「危機感の醸成」が下手ですね。

■ こっちは手の付け様が無いアメリカ ■

一方、アメリカはと言うと・・・Bloombergのこの記事。

「米ファニーメイ:78億ドルの支援、財務省に要請-7~9月赤字で(1) 」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aHDYhI74_ayA

リーマンショックから3年も経って、全く進展無し。
こちらはオリンパスに勝るとも劣らぬ粉飾決済ぶりです。

オリンパスの「飛ばし」を責めるなら、
あんたらの銀行の「飛ばし」はどうなんだと言ってやりたい。

欧州危機が必要以上に「煽られる」一方で、
アメリカの危機は、「こっそりと」進行している様に見えます。
それだけ事態は深刻という事なのでしょうか?



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3 コメント

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Unknown (鍛冶屋)
2011-11-09 14:02:00
こんにちは 人力さん。

>ユーロ危機はイタリア債権危機に発展し、・・・狙いはまさに、EU財務省の設立。
EU頑張っていますねぇ・・・。ホントにこれで統一がなったら凄いな!。
一時の事を思うと穏やかに見せておいて、実はギリシャはかませ犬、
本命はイタリア(スペインも?)の膿を出させる事だった?。

>「米ファニーメイ:78億ドルの支援、財務省に要請-7~9月赤字で(1) 」
ドル円は順調に下がってますし、こないだの介入分はもう米国債に化け
たかな。ちょっと粉飾されったっぽかった最近の指標も、そろそろ少しは
実数近くに戻さないとなぁ・・・っまいっか・・・って感じででしょうか。

米国経済崩壊説はもう何処ででも聞かれて、たとえそれが今起こっても
サプライズにはならないかも知れませんが(・・・そんな事ないか^^;)、では
次ぎの"予期せぬ出来事"は・・・やっぱりリアルな戦争?><)。

そろそろ、"消費税増税に関しての妄想"もお聞きしたい頃です。
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Unknown (人力)
2011-11-09 15:21:30
鍛冶屋さん

「ユーロ・クラート、かっっけぇーー!!」
などと言ってたら、ユーロが崩壊したりして・・・。

アメリカの崩壊は、ドルと日本という打ち出の小槌がいつまで振れるかに掛かっているのでしょう。

TPPに関しては、本日の板垣英憲氏のブログが私の書いたことに似ていてビックリ。まあ、同じ陰謀論者同士、思考回路が似ているという事ですね。

さて、消費税は本当は上げなければいけないんです。
でも、今では無い。景気が軌道に乗ってから行う政策です。もし、財源が危ないのであれば、国家公務員の給与削減を専攻させなければ、世間は納得しません。

国家公務員の給与が削減されれば、人事院の勧告で、地方公務員の給与も削減されます。

景気が底に向っている時に、公共事業を削減すると、それこそ生活出来ない人も多く出てくるので、難しい所。

後、国民の理解が得られそうな政策は、老人医療費の抜本改革でしょうか?無駄な延命治療を保健適用外にするとか・・・。でも、これは倫理の問題があるから、IMFでも無い限り、日本人では手の付けられない事でしょう。

「日本は大丈夫」と言う人達は、「今」しか見ていません。5年後、10年後にどうなるかを考えたら、今改革するしか無いのですが・・・。

TPPの様な外圧を利用しなければ改革出来ないのは悲しい事ですが、薬にも毒にもなるTPPは、きっと「苦い」のでしょう。
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Unknown (鍛冶屋)
2011-11-09 16:18:52
>などと言ってたら、ユーロが崩壊したりして・・・。
または一見乗り切ったように見えてる "ウォン が 寒ニダ・・・"って言うのも案外
・・・失敬 ^^;)

>さて、消費税は本当は上げなければいけないんです。
それについては消極的ながら同意・・・しかし絶対に先行きも底も見えない、今の
ような状況で行うのはべきではないと思います。
なにより、未だ海の物とも山の物とも・・・コブラの毒かマムシの毒かも分からない
(どっちにしても死線は彷徨いそう・・・)な"TPP"とセットなんて・・・頭おかしんや
ないっすかね!。

>国家公務員の給与削減を専攻させなければ、世間は納得しません。
>・・・地方公務員の給与も削減されます。
もとよりですね。
自分はこないだ市役所でバイトしましたが・・・ホントに市民税払うのが嫌になりますよ。

>「日本は大丈夫」と言う人達は・・・
そうなんですよ!
何故か自分の周りにも、"所詮日本は大丈夫"=根拠なし派が多数なんですよね・・・。
自分はTV見てないので知らないんですが、ニュースを毎日見てても危機感って
ないんでしょうか、今は?。

>TPP・・・薬にも毒にもなるTPPは、きっと「苦い」のでしょう。
"薬"とまでは期待しませんが、せめても"猛毒"でない事を祈りたいです。
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