■ さすがに調整したくなったダウ ■
皆んな大好きラノベトークで盛り上がっていたら、ダウが調整に入りましたね。流石に今年最高値更新というのは、現実から乖離し過ぎていますから。
日本株はダウにお付き合いして下落ですが、GPIF、日銀が支える限り、海外投資家と、それに便乗する個人投資家にお小遣いをあげるだけに終わるのがいつものパターン
■ 大統領選の影響 ■
ただ大統領選挙を前にウォール街がどう動くかが注目されます。バイデンは投資家や金持ちに不利な政策を打ち出していますが、投資家が株価でバイデンに圧力を掛けても、現職のトランプもダメージを被るので、余り派手には下落させられません。
陰謀論的には「仕掛け時」ですが、トランプとFRBが追加緩和に出たら予定変更でオイシイ汁戦略をもう少し続けるかも知れません。
■ 金融危機は分断の仕上げ? ■
注目は大統領選挙自体よりは、それに伴うアメリカ 社会学の分断。金融崩壊で分断をさらに決定的なものにするというのが今回の危機のシナリオだと妄想しているので、一番気になるのは警官による黒人殺害のニュース。しかし、昨日の「全裸黒人」の事件では、デモ派もチョット盛り上がることに躊躇します。
■ インデクス取引とNFG(ネガティブ・フィードバック) ■
株式市場の主役はインデックス取引なので下落に敏感に反応した後は、スタビライザーが働いて、次第に正常に戻るというのが現代の株価の構造。
このスタビライザー、リスクヘッジの反対取引引きという「ネガティブフィードバック」が適度に働く事で、「発振」を防ぐシステムだと私は理解しています。ネガティブフィードバック(NFB)はオーディオのアンプの設計で、発振を防ぐ回路としており入れられています。出力信号を反転させた信号をある割合で入力信号に入れる事で、振幅(下落)が極端に大きくなる事を防ぐ手法です。
インデックス取引主体の市場では、株価はマスで捉える事が出来るので、個々の株価を個別の調整する必要はありません。インデックスという枠に対して、売り買いを適切化する事で、株価をコントロールする事が出来ます。
■ NFBとしての仮売りの買い戻し ■
出力信号はダウ平均などの株価指標。NFBは反対取引。実際には空売りの買い戻しがこれに相当する。フィードバックの量は、買いを入れる下値設定と考えると分かり易い。
要は、市場参加者がどの程度の底値で買い戻すかを予め決めておけば、大きな暴落はたいがい防ぐ事が出来ます。仮に、投資家達の運用するAIが、過去の経験から同じ様な買戻しラインを予測するならば、インサイダー取引などの不正を行わなくても、フィードバックは適切に機能します。
下落を仕掛けるタイミングも似た様なもので、人の勘も、AIも予測も材料は似たり寄ったりの市場の経験則や過去のデータですから、仕込みも仕掛けるタイミングも、だいたい似たり寄ったりになる。
■ 管理された市場 ■
この様に現在の市場は、ある程度適切に管理されているので、資金が流入する分だけ株価が上層し、そして下落は一時的なもので収まる傾向がある。(短期的には大きく値を下げますが、それもシステムが同調していると考えれば分かり易い)
■ 管理された市場で崩落が発生するメカニズム ■
暴落はこの様な「システムの制度設計による暗黙の協調」が乱される時に発しします。例えば、システムが予測し得ない大きな危機が起きた時などに、フィードバックの調整を越えてしまう状況が考えられます。
これは〇〇ショックなど、分かり易い危機で、個人投資家が恐怖に囚われるケースなどで発生するでしょう。要は、システムの予想下落ラインを株価が一時的に大きく下回った時、人間同様にシステムもパニックを起こす。
ただ、現在の市場は、この様なケースではサーキットブレーカーが働き取引が一時的に中断します。システムの設計で、サーキットブレーカー発動後に売りを抑制して、買いを入れる様なプログラムが導入されていれば下落は鈍化させる事が出来ます。多分、共通の利益として、そういう協定が暗黙に存在しているのかも知れません。
これをした抜けする様なケースは、個人や、協定に属さない投資家が、パニック状態で許容以上の売りを浴びせた場合でしょう。
■ 均一化する市場の弱点 ■
思い付くままに書いて来ましたが、昨今の底堅い?相場の原因は、FRBなどの資金の注入もありますが、テクニカル的には、「AIが同じ様な判断をし、市場参加者も未だ大丈夫という判断をする傾向にある」という市場システムの複雑性の欠損に原因している可能性が高い。
・・・ただ、複雑性を欠いた市場は、崩れる時には大きく崩れる・・・。これが怖いのです。