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日銀化したFRB・・・ゼロ金利が続く限り市場は崩壊しない?

2020-09-19 03:39:00 | 時事/金融危機
■ FRBが日銀になった ■

コロナショック以降、世界の中央銀行が供給した資金は、リーマンショック後7年間で供給された資金の2倍になるといいます。

FRBはインフレ率が2%になるまで現在のゼロ金利政策を継続し、少なくとも2023年末までは金利を0~0.25%に維持し、米国債を買い入れる量的緩和を行うと発表しています。これ、日銀の異次元緩和のFRB版ですね。その結果、米国債金利は10年物で0.6%台。為替変動を考慮したら、まともな投資先とは思えません。

これで米国債市場が混乱するかと言えば・・・至って平穏です。日銀の異次元緩和の初期は国債価格が下落して、日本国債の金利がピョンと跳ね上がりましたが、流石に、コロナ禍の今、米国債にチョッカイを出す投資家は居ない。

日銀は世界の中央銀行のトップランナーというか実験台として、極端な量的緩和のリトマス試験紙の役割を果たして来ましたが、その結果は「現在の通貨の信用は以外に堅牢」という事が判明しました。人々はお金の価値を容易には疑わない。

日銀型の量的緩和の成立要件は、金利をゼロ近傍で維持する事ですが、極端に委縮した経済ではこれが可能になります。まさに、コロナ禍以降の世界経済がこれに当たる。各国の狂った様な資金供給が無ければ、世界経済は前年比で-30%以上落ち込んだハズです。


■ コロナ禍が去ればインフレ率が上昇するという幻想 ■

経済学者の多くは、FRBの狂った様な金融緩和の、「将来的な悪影響(テールリスク)」を懸念しています。「コロナ禍が過ぎれば過剰に供給された資金が動きだし、インフレ率が上昇する。そうなれば、財政の継続性が危ぶまれる・・・」と。

これ、ケインズ時代の思考です。インフレが消費の上昇によって起こる為には、庶民のお金を十分に増やす事が前提となりますが、コロナ禍の経済の「爆縮」で庶民の資産は激減しています。乗用車の需要が壊滅的になっている事からもこれは明らかです。

一方で資産を市場で運用する富裕層は、「コロナバブル」で焼け太りしています。高級車市場は結構、好調な様です。

再配分に偏りが生じた社会で、需要拡大に起因するインフレを起こす事は難しい。これはバブル崩壊以降の日本や、リーマンショック以降の世界が証明しています。インフレは資産市場で発生し、リアル経済の物価には反映され難い。

■ 資産市場の維持の為に実体経済を攻撃し続ける? ■

危険性が低いにも関わらず、専門家とメディアが過剰に危機を煽って経済被害を拡大し続けるコロナ禍。

ナンセンスとしか言いようの無い「人造の危機」ですが、これが起きたタイミングは資産市場の継続性に疑問が生じた時期です。穿った見方をすれば、市場を維持する為に危機が仕掛けられたと妄想する事も可能です。



■ 通貨の耐性が試されている ■


陰謀論的な見方をすると、「コロナの仕掛け人はウォール街」と見る事も可能ですが、コロナ禍の目的はもっと巨大な何かだと私は妄想しています。

各国の財政規律はコロナ禍によって完全に崩壊しています。しかし、緊急事態ですから、誰も「国債の発効を正常化すべきだ」とは言いません。私も言いいません。

しかし、世界の政府の国債残高はどんどんと積み上がり、一方で中央銀行がそれを市場から吸収するので国債金利はゼロに近づいて行きます。「統一政府」として捉えるならば、負債と資産が同時に増えているのだから問題は無い・・・。

本当に問題無いのか・・・。問題は大有りです。世界の国の通貨が、子供銀行のオモチャのお金の如くにどんどん増え続けているのですから。(実際にはデータとしての数字が増えている)

かつて多くの通貨が過剰発行によって信用を失って来ました。これが通過の歴史と言っても良い。

かつての通貨の過剰発行の背景には「戦争」が絡む事が多かった。戦争によって国家は資金が必要になり、通貨の大量発行でそれを賄おうとした。

「戦争で大量の資金が必要になる」=「コロナ戦争で大量の資金が必要になる」

異なる点があるとすれば、戦争によって作られた財は、破壊によって消えてしまうが、コロナ禍によってバラマカレタ資金は資産市場に流入し続ける事。

戦争によるインフレは、通貨が増え続ける一方で、破壊によって供給力が損なわれる事で発生します。

では、コロナ戦争ではインフレは発生しないのか・・・。問題は「リーマン超級」の規模で市場が崩壊した時に顕著になるでしょう。「資金供給で市場の崩壊が防げなかった」「中央銀行は市場の崩壊を防げなかった」・・・こう人々が気付いた時に、通貨の信用が保てるのか?


危機はもっと間接的に表れるでしょう。資産価格の暴落は、金融機関の経営を危うくし、人々は銀行を信用出来ずに資金を引き出す・・。これにより資金循環のサイクルが絶たれ、通貨の流動性が枯渇する事で、通貨の機能が損なわれる・・・。

これが、今後発生する危機であり、中央銀行制度のターニングポイントだと私は妄想しています。