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『アクションヒロイン チアフルーツ』・・・千葉県大多喜町 聖地巡礼

2017-07-09 03:39:00 | アニメ
 

■ 変なアニメが始まった ■


前期アニメが名作・秀作ぞろいだったので、今期アニメはあまり期待していませんでした。だいたいシーズン初めはひと通りチェックするのですが。1分とか5秒で視聴中止の判断をする作品が多い。

そんな中で、普通なら3分で切りそうな作品を最後まで観てしまったのが、『アクションヒロイン チアフルーツ』



『アクションヒロイン チアフルーツ』より

女子高生達の町興しの話の様ですが・・・・1話目冒頭は変なアクションヒロイン物で始まります。


『アクションヒロイン チアフルーツ』より

「おいおいダイミダラーかよ!!」と思わず突っ込みを入れてしまいましたが、昭和臭プンプンのオープニング部分は、どうやら出雲のご当地アクションヒロイン「カミダイオー」のヒーローショーらし。


『アクションヒロイン チアフルーツ』より

「日本全国でご当地ヒロインが人気を博し、カリスマ的存在までが現れた今、政府はついに故郷ヒロイン特例法案を可決させた。この物語はその流れに乗り遅れた地方都市を元気にしようとする少女達の物語である。」

という冒頭ナレーションですが、このカリスマこそがカミダイオーの様です。

このアニメ、カミダイオーのショーのTV放映のエンディングまで創り込んでいます。これがもう抱腹絶倒、フォントまで昭和アニメの再現で、歌もまさに・・・。実は今作の制作スタッフやスポンサーがさらりと入れ込んである辺り、かなりの曲者と見た。

脚本は荒川 稔久。『仮面ライダークウガ』を始め、東映の特撮ヒーローを多数手がけ、その筋では超有名なお方。そして監督は草川 啓造。私は『アスラクライン』が好きですが、最近は『風夏』が好印象でした。
脚本が荒川 稔久ならば冒頭の異常?なまでもツボを押さえた作り込みも納得というもの。



『アクションヒロイン チアフルーツ』より

この「カミダイオー」国民的カリスマヒロインらしく、子供達はもちろんの事、「大きなお友達」のファンまで居ます。これ、今作の主人公の一人赤来杏ですが、彼女はカミダイオー・オタク。部屋は抱き枕やフィギアを始めとするグッズで溢れ、ブルーレイは全て持っている。上の画像、コスプレじゃなくて「お面」ですよ・・・。

彼女達の住む陽菜野町にカミダイオーショーがやって来ます。大ファンの杏は学校を抜け出し、お面を頭の後ろに被って一目散で会場に走って行きます。その後頭部にお面を付けて走る姿のの何とシュールな事か・・・・。そして躓いて転びそうになった彼女は空中で一回転して着地、そして上の写真の決めポーズ。もちろん顔に見えるのは後頭部のお面です。

「バカだ、こいつ本物のバカだ!!」と突っ込みを入れる一方で、何十年とアニメを見て来た中でベスト3に入るショッキングな映像です。「これこそがアニメーション」と喝さいを送りたくなります。だって、これ実写じゃ絶対ヤラナイ・・・と言うか出来ない。アニメキャラクターの「絵としての顔」と「お面という絵」が表裏になる事で生まれる何とも言えないシュールさ・・・・。これが実際の役者やお笑い芸人がお面を後頭部に被ってやっても確かに笑えるのですが、アニメで感じた不気味なまでの感じを生み出す事は難しい。このシーンだけで今期の視聴継続が確定しました。

そもそも1話冒頭のカミダイオーの番組自体、作中劇の入れ子構造な訳ですが、それが街にやって来るあたり、メタ的な要素を多分に含んでいる訳で、物語の構造としてはなかなか複雑で面白い。


『アクションヒロイン チアフルーツ』より

第一話の大まかなストーリーは、何の特徴も無い地方都市の陽菜野町で開催されるイベントにカミダイオーショーが呼ばれます。女子高生の黄瀬美甘は妹を連れて出かけますが、なんとイベントは「調整の都合で中止」・・・。落胆する妹に、「お姉ちゃんが何とかしてあげる」と約束してしまったものの、どうしたら良いのやら皆目見当も付きません。

そんな折、カミダイオーのお面を被って疾走して行ったクラスメイトの赤来杏の「決めポーズ」を思い出します。二人でカミダイオーショウーをやるしか無いとお願いすると、何と杏は即決で快諾。

そこから二人の特訓が始まります。元新体操部の杏はとにか身体能力が高い。チアリーデイング部だったミカンもそこそこの動きが出来ます。放課後や昼休みを使って猛練習する二人、アクションシーンの連中でミカンの体は痣だらけですが、妹を喜ばせる為に必死です。

衣装、音響、舞台装置と手作りして、いよいよ妹とその友達達の前でカミダイオーショーを披露する二人ですが、その後大変な事が・・・・。

えええええーーーー、これちょっといい話じゃないですかーーーーぁーー。そして滅茶苦茶面白い。



■ 行って来ました、聖地巡礼 ■

ところでこの作品の舞台、何か既視感が在る様な・・・



『アクションヒロイン チアフルーツ』より

私、このカットで確信しました。これは千葉県を走る「いすみ鉄道」。そして、このホームは・・大多喜ダァーーー!!!



はい、大当たりでした。


『アクションヒロイン チアフルーツ』より





『アクションヒロイン チアフルーツ』より


彼女達が通う高校はこのカットで「大多喜高校」だと一目で分かります。お城を背景にした高校なんて全国にそう沢山は在りません。



『アクションヒロイン チアフルーツ』より

ところで杏が学校をエスケープするシーン。3階の廊下の窓から外に飛び出して、視聴者をびっくりさせますが、何やら瓦屋根の上に降り立って、地上に着地します。何だか意味不明のシーンですが・・・






実は後者の脇に、江戸時代に二ノ丸に建っていた門が移築されて残っているのです。彼女はこの屋根に飛び降りてエスケープしたのです。



『アクションヒロイン チアフルーツ』より




車寄せのシーン。アニメではお城が見えますが、実際には同じアングルでは見えません。



『アクションヒロイン チアフルーツ』より




橋も特定しました。夷隅川に掛かる「外廻橋」です。



『アクションヒロイン チアフルーツ』より



新聞配達店も町の中心部にあって簡単に見つかりました。





ところで作中では何の特徴も無い地方の街として描かれる大多喜町ですが、江戸時代の建物が多く残る城下町です。大多喜は武田氏、里見氏の支配の後、徳川家康が徳川四天王の一人、本多忠勝を入城させ、里見氏に備えます。

本多忠勝は城下を整備し、市を開くなど大多喜の発展の基礎を築きます。











自然も豊富で、房総の小江戸として観光客が集まる街なのです。聖地巡礼のついでに大多喜観光など如何でしょうか。



今回は、聖地巡礼一番乗りを目指し、炎天下を自転車で行って参りました。熱中症一歩手前・・・。