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一時的な正常化とさらなる崩壊・・・グリーンスパン氏の「予言?」

2016-08-30 10:30:00 | 時事/金融危機
 

■ 不気味なフリーンスパンの「予言」 ■

投資をされている皆さんの興味はFRBの9月利上げの可能性に集中しているでしょう。しかし、投資など興味の無い陰謀論者の私の興味は、短期的な利上げよりも、グリーンスパン氏の先日の発言、「近い将来に金利は想像以上のペースで上昇するだろう」という発言に引っ掛かっています。

この「予言」は、はたして何を意味するのか・・・。


■ FRBは3%の成長がニュートラルと示唆 ■

ジャクソンホールの講演で、FRBのイエレン議長はは当面のインフレターゲットを2%としていますが中期的には3%程度がニュートラルだとの見方をイエレン氏は示しています。

先進国の金利は5%前後が定常状態というのがリーマンショック前までの定説でしたが、先進国の成長率が構造的に低下する中でFRBも中長期的な成長率を下方修正しています。

これは下がり過ぎた金利の資産を保有する投資家にとっては安心材料となります。

■ 金利の急上昇は起こるのか ■

先日、「グリーンスパンは将来的には短期的に金利は人々の想像以上に上昇する」との予測を示していましたが、彼はその根拠に米経済統計にインフレの兆候が見られ、将来的にはスタグフレーションが発生すると発言しています。

実はこの発言とFRBの予測は相反します。グリーンスパンは「インフレが発生し、その率も想像以上に高い」と言い、FRBは「インフレ率は中長期的には3%台で安定するだろう」と予測しています。

アメリカ経済のファンダメンタルはそれ程強く無く、世界的にも経済を牽引する国が存在しない中で、どうやってインフレが起こるのか・・・常識的にはFRBの見方や、サマーズらの長期停滞論の方が正しく思えます。

■ 戦争というインフレ装置 ■

先日mジョージ・ソロスのメールがハッキングされ、彼とその仲間達のやり取りが漏えいしました。内容は目新しい物は無いのですが、イスラエルの新聞がジョージ・ソロスの資金援助を受ける団体を俯瞰すると、国家の力を弱体化させる団体ばかりだと評論しています。

ジョージ・ソロス氏が左派系の団体に資金援助している事は公然の事実で、アメリカの黒人団体であたり、地球温暖化の団体であったり、シリアの難民の移住支援団体だったりします。

これらの一つ一つはリベラル派と言え、人道的な団体なので、「金の亡者」が資金援助するのは「不思議」とも「贖罪」とも捉えられています。

しかし、アメリカの黒人団体は、警官の黒人射殺事件が発生すると猛烈な抗議を行っていますし、シリアのヨーロッパへの難民はドイツを始めとする諸国の内政を不安定にしています。

どうも、ジョージ・ソロスを始めとする「世界の一部の人達」は世界を不安定な方向に導こうとしている様に感じられます。ロスチャイルド系のドイチェバンクが莫大なデリバティブリスクを抱え込んでいるのも「自爆攻撃」の準備の様で不気味です。

「シリアのロシア軍機を攻撃しろ」というアメリカ軍内の発言と、それに対応するかの様なロシア、イラン、トルコ、サウジアラビアの結束強化も不気味です。

これらの動きが何の為の準備なのかと考える時・・・グリーンスパン氏の発言は重要な意味を持って来ます。

「スタグフレーション=不景気とインフレの同時進行」が先に先進国で発生したのはオイルショックの時でした。

先進国の成長力は弱くインフレなど発生しそうが無い、むしろ金融緩和で発生しそうなのはバブル崩壊なのに、グリーンスパンはインフレを警告する。この違和感を解消する手立ては戦争では無いか・・・。


1) 中東で大規模な戦闘が発生する
2) 原油価格が高騰してコストプッシュインフレが発生する
3) インフレによって金融危機が発生する

まあ、こんな最悪なシナリオも想定し得る訳で、安倍政権が憲法改正に積極的なのもこれと無関係では無い・・・。


■ ガラガラポンで成長力を取り戻す ■

仮に戦争から金融危機に突入した場合、アメリカや日本、その他の先進の経済は崩壊的な痛手を被るばかりか、通貨の信用危機が発生します。

成長力の低下したこれらの先進国は石油ショック時と同様に、スタグフレーションで国家が疲弊しますが、中国を始めとする新興国は早々に経済が回復し、今までのアメリカの座を脅かす様になります。

イギリスがEUを離脱しようとしたり、中国に肩入れする理由はここに在ると私は睨んでいます。10年後の世界は現在とは大きく異なる姿をしている・・・陰謀論的にはそう考えるとワクワクします。

日本がその時どうなっているか・・・過去の大国と呼ばれない様に頑張りましょう。

9月利上げに一票・・・無責任な予測

2016-08-30 10:21:00 | 時事/金融危機
 
■ イエレン発言はいつもながら玉虫色 ■

ジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演は、「玉虫色」でした。

「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とイン フレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はこの数カ月で強まったと考えられる。」

1) 利上げの方針は変わっていない
2) いつ利上げするかは決めていない

大方の予想通りの発言でしたが、市場はこれ各自勝手に判断してポジションの調整が行われています。「9月利上げが有る」という勢力と、「9月利上げは無い」という勢力がバランスして現在の相場となっています。

これによって仮に9月に利上げを行っても、若干の市場へのインパクトはあったとしてもパニックに陥る様な事は起こり得ないでしょう。

FRBの市場との対話とは、「言質を与えず、市場がニュートラルとなる様に調整する」事なのです。

■ 副作用が分かり易い利上げと、副作用が分かり難い金融緩和の長期化 ■

利上げの副作用は容易に想像できます。低金利の資産の価値が減るので、これらを売却しようとする事で市場価格が下落します。ただ、「FRBの市場との対話」が成功している間は、極端なリスクの偏りは解消されているので、短期的な混乱の後は、市場価格は徐々に安定に向かいます。この様に利上げの影響は短期的に発生するので分かり易く、予測し易い。

一方、極端な金融緩和の長期化の副作用は分かり難いものです。量的緩和など供給過剰の金融政策では金利が必要以上に低下します。株式などは株価が上がるので「加熱感」が分かり易いのですが、債権市場では「金利が下がる」ので資金調達コストの低下というメリットが、金利収益の減少の効果を相殺する方向で働きます。

例えば、安い社債発行コストを利用した自社株買いによって企業の財務体質が改善するので、企業収益も改善し、結果的に社債金利を下げる方向に力が働きます。

このままの状況が永遠に続けば良いのですが、実体経済にはファンダメンタルな波が在りますから、景気はどこかの時点で縮小傾向に転じ、企業収益も悪化します。この時、社債金利も上昇に転じますが、あるポイントを境に、低金利の社債を保有している投資家に「損切」のインセンティブが働きます。こうなると金利はポンと跳ね上がります。

債権市場と株式市場は表裏の関係にあるので、債権金利が上昇すれば株価は下落します。

1)債権その原因は金利上昇で株式投資による収益(金利)が見劣りするのもとなる
2)社債金利の上昇は企業の資金調達コストを上昇させ業績を悪化させる
3)自社株買いのスキームが崩れるので、株価下落の圧力も高まる

この様に実体経済を反映しない低い債権金利は中長期的なリスクを拡大しますが、その影響はテールリスクに属する物で予測が難しい。

■ 9月に利上げは可能 ■

市場は利上げによる短期的リスクに敏感ですが、これは「市場との対話」で在る程度ショックを緩和させる事が出来ます。

一方、金融緩和の副作用であるテールリスクを意識し出すとFRBは打つ手を失います。再び量的緩和などに追い込まれるのかも知れませんが、市場は不安定さを増して行きます。

テールリスクが顕在化する前にFRBとしては利上げによって「低金利のリスク」をなるべく低減させておきたいでしょうし、リスクが顕在化した時の金利の下げしろも確保したい。

ですから、現状の米経済と世界経済の状況ならFRBは9月利上げに踏み切るのでは無いか。


一方、日銀の黒田総裁は量的緩和の拡大に踏み切って、FRBを援護する可能性が高まります。日本財政の継続性を考えるならば、40年国債当りを発行してこれを間接的に日銀が買い取るという手法が取られるかと思います。国債金利が底にある今がチャンスですから。


まあ、外れる事で有名な人力予測ですから、投資は自己責任で。