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為替レートとダウの影響をモロに受ける日経平均株価・・・素人考察

2014-01-15 03:09:00 | 時事/金融危機
 


日経平均株価推移


対ドル、対ユーロ為替推移

■ 為替相場に連動する日経平均株価 ■

年初来、日経もダウも荒い値動きをしています。
株式投資をされている方は、昨日などもヒヤヒヤしている事でしょう。短期的な売買で利益を出される方は、それこそ条件反射の様に相場の流れに敏感に反応していないと損失を発生させてしまいます。

一方、私の様に株式投資など無縁な人間は、あまり細かな値動きには興味が無いので、こんな時だから長期チャートでも眺めてみます。

上のグラフは日経平均株価と対ドル、対ユーロの為替レートの長期推移です。
この二つが見事に連動している事が一見して分かります。

日本株式市場のメインプレーヤーは外国人投資家です。多分、7割位を占めるのでは無いでしょうか。

彼らは手元の資金のある割合を日本株投資に充てています。ヘッジファンドなど短期で利益を抜いて行く投資家を別にすれば、ある程度中長期的投資が多いのではないでしょうか。

これらの外国人投資家の投資額は、ドルやユーロ建てではある程度一定水準ですが、円建では円安で増え、円高で減ります。

上の日経平均と為替レートに相関が強く現れているのは、近年の日本株の大局的な価格決定をこれらの外国人の投資家が支配している事の顕れだとも言えます。

■ アベノミクス効果では無く、単なる円安による値動きをヘッジファンドが助長 ■

2012年11月来の日本株の値上がりは、安倍政権発足による効果と言うよりは、円相場が対ドル、対ユーロで値下がり(円安)になる事による効果が大きかったとも言えます。

為替相場は黒田日銀総裁の就任前、白川総裁の時代から上昇しています。これは、ユーロ危機が落ち着いてユーロが持ち直す事により、日本円に退避していた資金がユーロやドルに流出する過程で発生した円安とも言えます。

ただ、時期を同じくして、日銀は海外投資家への低金利の資金提供を復活していますので、これらの資金をヘッジファンドが活用して、日本株高を演出したのでは無いかと私は見ています。ここに黒田日銀総裁の異次元緩和が重なって、5月に日経平均は一時的にピークを付けますが、ジムロジャースらヘッジファンドは、このタイミングを狙って巨額な利益を上げています。

彼らは、単に円安の進行を予測し、それに先行する事で巨利を稼いだとも言えます。

■ 2007年のピークは、対ユーロにも注目したい ■

日経平均が18000円台のピークを付けていたのは2007年、サブプライムショックの前までですが、注目すべきはこの時期ユーロが非常に高かった事では無いでしょうか。

この時、円キャリートレードのみならず、ドルとユーロの間でドルキャリートレードが発生していました。リーマンショック直後にドルと円が値上がりした背景には、これらのキャリートレードの巻き返しの影響も大きかったと言われています。

■ 売買プログラムが為替相場にリンクしている ■

欧米の投資家の中には、コンピューターソフトによって大量の株を自動的に売買する投資家も少なくありません。これらのソフトは為替相場にリンクしており、円安で日本株を買い増し、円高で売却する様にプログラムされていると言われています。

出来高が少ない状況では、これらの定常的な売買の株価に与える影響は大きくなります。為替相場が動く(動か荒れる)事で、日経平均が連動して動き、これに国内投資家などが追随するので、為替の変動に株式相場は敏感になります。

■ 短期的にはダウを反映する日経平均 ■



一方、日経平均に与えるダウの影響も無視出来ません。
前日のダウが値下がりで終えれば、翌朝の日経平均は下げ、またその逆にダウが上げれば、日経平均の上昇で始まります。

日本の株価の短期的な動きに対するダウの影響は無視出来ませんので、ダウの値動きが荒くなれば、日本株も荒い値動きをする事になります。

それでは、ダウを少し長期レンジで見てみましょう。

リーマンショックで大きく下げたダウですが、その後は緩和マネーの流入により右肩上がりに上昇し、昨今は市場最高値を記録していますが、これは単なる緩和マネーによる株価のインフレーションに過ぎません。

一方、出来高を見ると低下傾向にある事が明確です。

■ 株式市場は過熱しているのでは無く、低迷しながら値上がりしている? ■

株価推移だけ見ると、ダウは緩和資金バブルの様に思えますが、実際には少ない売買量ゆえに、緩和資金の流入によって値上がりしていただけとも言えます。

米株式市場は実は過熱しているのでは無く、醒めているのではないか・・・・。
単なる資産市場のインフレです。

これがバブルと呼べる様になるには、個人や他国の投資家達の資金を吸い寄せる必要があるのではないでしょうか。これは日本株も同様で、バブル的な過熱感までは現状は達していません。

■ 出来高が少ないから荒い値動きになる ■

出来高の少ない市場では、少し大きな売買や、先物の動きによって株価が大きく揺さぶられます。

ダウの不安定な動きは世界の株式市場に伝搬し、日本株市場も荒い値動きをするのでしょう。

短期的な売買で利益を稼ぐ投資家は、ボラティリティーが高い方が利益(損失)が拡大しまうすから、喜ばしい展開とも言えます。

ダウはアメリカの経済統計に敏感に反応しますから、これらの統計を正確に予測出来れば、あるいは事前に情報を入手できれば、利益を拡大する事が出来ます。

■ 日経平均の天井は? ■

こうして、長期的な株価推移を見ていると、日経平均18000円などという予測が、為替相場とリンクしている事が分かります。

FRBがテーパリングを開始した現在、円安は2007年頃の120円台までは行かなくとも、少なくとも均衡点の110円位にはなりそうです。緩和マネーで株式市場が水膨れしている事を考慮すれば、18000円というのは、あながちあり得ない相場ではありません。

一方、これを達成する為には、円安が110円位まで進行する事と、ダウが順調に値上がりする事が前提となります。

ダウはアベノミクスの影響を直接は受けないので、結果的に日本株の動向は、アメリカの株式市場次第とも言えます。


天気予報的に言えば、

「大陸から高気圧が張り出して来て全国的に好天が予想されますが、午後には所々でにわか雨が降る恐れがあります・・・」


まあ、人力予測と天気予報は当てにならないので、話半分で・・・・。