■ 国債は無限に発行出来るという説 ■
三橋貴明氏が言及されている「自国通貨建ての内国債は破綻しない」という説。
これが本当ならば、それこそ無限に国債が発行出来てハッピーな訳ですが、はたして本当か?
実はもっと過激に「国債は無限に発行可能」と主張する方もいらっしゃいます。
廣宮孝信という方です。
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-157.html
にわかには信じがたいのですが、だいたいこんな事だと思います。
1) 政府が国債を発行して財政支出する
2) 発行された国債を日銀が市場から買上げて資金提供をする
3) 提供された資金(マネタリーベースの増加)でさらに国債を購入する
4) 財政支出された資金も、預金を通して国債購入資金になる
この繰り返しで、国債発行は無限に続ける事が出来ると主張しています。
・・・これて、財政ファイナンス以外の何物でも無いですね。
「じゃあ、ダメじゃん」と私などは短絡的に考えてしまいます。
■ 既に日本は無限国債に突入している? ■
しかし良く考えてみると、日銀は異次元緩和で新規国債発行額の7割を買い入れています。
実際には予定された月額7兆円を大きく上回るペースで国債を買い入れているので、
日銀は既に「財政のファイナンス」を実行していると捉えている人は少なく無いようです。
この記事が非常に参考になります。
http://thegoalnext.blog.fc2.com/blog-entry-986.html
まとめると・・・
1) 日銀は異次元緩和で事実上財政のファイナンスに踏み込んだ
2) 金利が2%を超えなければ、この政策の継続は可能
3) 金利が2%を超え、尚上昇を続ける様ならば、日本の財政は破綻する
■ 何故に2%なのか ■
ここで問題になるのが、「何故金利2%が限界なのか」という点です。
上の記事には詳しくは書かれていないのですが、
次の記事から推測してみます。
http://agora-web.jp/archives/942517.html
1) 一般会計の新規国債の他に、特別会計で年間100兆円程度の「借り換え債」が発行される
2) 借り換え債は、償還期限60年の建築国債を10年分割で借り換えしている
3) 国債の利払い費は一般会計の国債と借り換え債の合計
4) 現在の利払い費は、年間10兆円程度。
5) 政府試算で消費税を増税しても2021年度の利払い費は年間20兆円に達する
6) 金利が1%上昇すいると利払い費は10年程度の間に10兆円くらい増加する(合計)
7) 「利払い費>税収」となると、借り換え債が発行出来なくなる
金利が1%上昇した場合、日本国債の利払い費は年間20兆円以上に達します。
金利が2%なら、国債の無限発行が可能という資産はここら辺から来ていそうです。
様は、税収の50%程度が国債の利払い費であっても、財政破綻とはならないという事?
ところが、10年債の金利が2%を超えてくると、
上の記事では金利抑制が難しくなると分析しています。
10年債金利あ3%になると、長期国債を大量に保有している金融機関の経営が悪化します。
ここら辺で、金融機関が国債を処分せざるを得なくなると、国債金利が急激に上昇するのでしょう。
いずれにしても、小渕内閣時代に大量に発行した国債の償還次期を向かえ、
国債の需給環境は悪化する傾向にありました。
安倍首相が日銀に圧力を掛けて実現したかに見える黒田総裁の異次元緩和ですが、
日銀も政府も、けっこう阿吽の呼吸での実施だったのかも知れません。
■ 結局、無限国債も金利上昇には耐えられない ■
一見、可能に思える無限国債ですが、金利上昇でやはり破綻します。
では、金利が上昇しなければ無限国債は可能という事にもなります。
金利が上昇しないという事は、不景気が継続するという事です。
もしかすると・・・黒田異次元緩和とアベノミクスの真の目的は、
不景気の永続による無限国債(財政ファイナンス)の実現なのでは無いでしょうか?
だから、消費税増税を実行して、景気に水を差す事は実は合理的なのでは無いか?
そして、プチバブルの崩壊で、景気低迷を確実にするのでは無いか?
こうして、10年、20年と財政ファイナンスをこっそり実行しならが
人口動態の最悪期を、極端な増税を避けて乗り切れる・・・・。
恐るべき財務官僚の深慮遠謀。
でも、不景気が続いたら・・・イヤだな・・・。
国家は破綻しないかも知れないですが、国民は疲弊してしまいます・・・。
本日は「無限国債」について妄想してみました。
まあ、フリーランチなどは無い訳で・・・・。