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人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

西側諸国は新たな社会主義の実験に入る・・・人が不要になる時代に備えて

2022-11-01 04:57:13 | 時事/金融危機

■ グレートリセットって持続可能社会の実現が目的なの? ■

前回に引き続きダボス会議(世界経済フォーラム)が提唱する「グレートリセット」について妄想を膨らめてゆきます。

ダボス会議が提唱するグレートリセットですが、その内容で具体的なのは「資源を節約して持続可能な社会を実現する」というものです。その一環としてCO2の削減などお決まりのお題目が並んでいます。どんなリセットがされるのか戦々恐々の私には、いささか肩透かしの感が否めません。しかし、以前にも書いた様に1970年代のローマ会議の時代から、世界の経営者の一部は一貫して「持続可能な社会の実現」を目標としています。

■ 人口が国力とならない時代の到来 ■

一見すると「素晴らしい?」事に思える「持続可能社会」ですが、世界の経営者の視点から見れば、「有限な地球の資源を愚民どもに浪費させたくない」とい考え方になるでしょう。ここで、前回の内容に繋がりますが、近代から現代はでは「人口=国力」の時代でした。国土が大きく、国民が多く、資源が豊富な国は大国として君臨する時代でした。「人口=労働人口=国力」、さらに「人口=兵力=国力」という時代だった。

ところが、今後50年、100年といった未来を予見した場合、「AI化」や「自動化」は相当に進むハズです。「AIが人の知能を凌駕する(シンギュラリティーポイント」が来るとか来ないとかの議論を置いておくとしても、「知的作業の効率性」においてAIは近い将来に人間を越えるハズです。AIはデジタル化された仕事が得意ですから、経理や会計といった会社の事務作業からAI化は進みます(既に会計ソフトで自動化は進んでいます)。ビックデータを扱う事を得意とする事から、「分析や判断」の大部分もAIに置き換わって行くかも知れません。既に投資銀行ではコンピューターが短時間で多量の取引を自動で行っています。

この様に従来高い能力の人材が必要とされた、ホワイトカラーと呼ばれる職種から「自動化」が進み、これらの仕事に携わっていた人達が職を失います。「頭を使う仕事=コンピューターで自動化し易い仕事」だからです。

一方、建設業や介護や医療の現場は自動化が難しい。これらの仕事は「リアルな空間」にて行われるので、コンピューターやAIが進化しても、あまりメリットはありません。ロボットによる自動化も可能ですが、費用対効果を考えれば、安い人件費で人を雇用した方が経営者には有利です。例えば、飲食店の場合、発注までは既に自動化されています。テーブルに食事を運ぶ作業の一部もロボットが運ぶ店がチラホラ出て来ました。しかし、客の前に配膳する作業は人が行っています。この作業を自動化する事は不可能ではありませんが、ロボットアームヤセンサー類など高いコストを掛けた割りには客の満足度は低いはずです。ウエイトレスがにこやかに配膳してくれる方が嬉しい。

話が逸れますが、配膳の自動化などは大昔に実現しています。マクドナルドなどのセルフサービスです。或いは回転ずしなども配膳の自動化です。サービスの一部を客にやらせる代わりに安く食事を提供するというバーターによって自動化を実現しています。

上記の様なバーターが存在しない分野は自動化が難しい分野です。医療における看護や、老人介護は客が自分の世話を出来ないのでバーターが成立しません。患者の容体を観察し、ケアーをし、処置をするという行為も複雑で機会やロボットによる自動化が難しい。建設などの分野も、自動化から取り残されるでしょう。機械による自動化よりも、安い人材を使った方がメリットが大きいからです。

この様に、AIやロボットによる自動化が進んで、失われる職種は「知能労働」が多く、人の手に残る職種は「自動化が割りに合わないサービス業」となる。これは多くの本にも書かれている事です。

 

■ 社会を維持する最低限の人しか必要としない社会 ■

AI化や自動化が進んだ社会では、現在のホワイトカラーと呼ばれる様な職業はほぼ失われ、農林水産業や、建設業や、医療介護、サービス業、システムの保守の分野などで働く職種が残ります。しかし、これらの残された職種に従事する人口は少ない。

では、仕事を失った多くの人(或いは今後仕事を失うであろう多くの人)をどうするのか?

最近盛んなベーシックインカムはこの問題の解決策と期待されていますが、「国家がタダ飯を食らう大多数の国民の生活を支える」というのは怠け者の妄想です。

AIを駆使する様な企業が、多額の税金を国家に払うでしょうか?答えはNOです。デジタル空間を主戦場とする様な企業は、本社をタックスヘブンに移す事が容易です。工業にしても、自動化が進めば労働者の質に縛られる事はありません。土地が安く、消費地に近く、電力などのインフラが安定して、政治的に安定し、税金の安い国が最適立地となります。

「AIや自動化の時代に人々は労働から解放される」というのは身勝手な願望に過ぎない。国家間の競争は熾烈ですから、国家が衰退しない為に、「タダ飯を食らう大多数の国民」を淘汰する選択をするはずです。

■ 新型コロナウィルスとワクチンのコンボ攻撃で人口を大幅に削減する ■

人口削減の仕掛けは世界中で既に発動しています。新型コロナウィルスとワクチンです。

私は新型コロナウイルスの毒性が低い事から、最初は「経済兵器」だと考えていました。ロックダウンで経済を麻痺させて、リーマンショック後のバブルを確実に崩壊させる為の仕掛けだと考えていた。

しかし、執拗に接種が推奨され、人権の一部を制限してまで接種が強要されるワクチン政策が各国で行われるに至り、新型コロナワクチンこそが、この騒動の目的ではないかと疑い出した。そしてワクチンの作り出すスパイクタンパク質自体がウイルスの毒性である事、実験的なm-RNAワクチンが免疫抑制をして多くの疾患を促進させる事、アジュバンドとして使われている脂質ナノ粒子(LNP)が強力なアジュバンド(免疫賦活剤)で接種後にサイトカインストームを起こしたり、長期に渡る炎症作用でガンの原因になる事に気付きました。

しかし、足りない・・・。AI化や自動化した社会に対応する様に人口を大幅に削減するには、新型コロナワクチンでは不確定過ぎる気がします。確かに精巣や卵巣に影響を及ぼすワクチンによって出生率が10%程度下がるかも知れませんが、その効果が確実な人口抑制として機能するまでには20年、30年という年月が必要となります。そして、出生率の低下は少子高齢化の歪を拡大するので、国家の財政を破綻させる。

では新型コロナウイルスとワクチンの組み合わせで、一気に人口を減らす方法があるのか・・・・。京都大学の免疫学の専門家の宮沢先生がちょっとコワイ話をしています。

1)人体はコロナウイルスに対しては抗体を作らずに、細胞免疫で対抗している

2)コロナウイスは抗体を作ると抗体依存性増強(ADE)を起こし易くなるなど、不都合がある事を身体は知っているのだろう

3)武漢型ウイルスは毒性はあまり強く無く、抗体依存性増強も起こしにくい型のウイルスだった

4)武漢型ウイルスの恐怖を煽って、半ば強制的に武漢型ワクチンを接種させ、武漢型の抗体を作らせた

5)コロナウイルスは一度免疫記憶させると、変異株でも最初の武漢型の抗体を免疫系は主に生産する

6)武漢型で免疫記憶された所に、武漢型の抗体で抗体依存性増強を起こす強毒型のコロナウイルスが発生するとワクチン接種者はADEによって感染・重症化して多くの死者が出る

7)自然感染によって得られる抗体は、新型コロナウイスの様々なタンパク質に対応している為にADEを起こし難い

8)武漢型のスパイクタンパク質のみの抗体を生産するワクチンによって得られた単一の抗体はADEを起こし易い

9)上記の内容は、ウイルステロのシミュレーションとして専門家ならば誰でも考える

10)現在の遺伝子操作の技術があれば、北朝鮮でも実行出来るウイルステロの手法だ

 

ちょっと恐ろしい内容ですが・・・、この方法ならば、ビル某が言う様に世界中で10億人を削減する事も可能です。「新型コロナの強毒性の変異株が流行して多くの人が亡くなった」と後の歴史には書かれるでしょう。スペイン風邪と同様です。

ここで注意すべきは、高齢者とハイリスクの方はワクチンが優先接種されている点です。ワクチンの含まれるm-RNAを操作してADEを起こし易くする事が出来るかも知れません。一方、医療関係者や一般の人、子供が接種したワクチンはADEを起こしにくい抗体を作る様な仕掛けがしてあるかも知れません。この方法によって短期的には、高齢者やハイリスクの方を選択的に淘汰し、長期的にはm-RNAワクチンの効果によってガンの量産や出生率の低下によって、緩やかに人口を削減できます。高齢になった時のガンの発生率が高くなれば、高齢者対策にもなります。

WHOは全てのワクチンをm-RNAにする計画を立てている様なので、「長生き出来ない子供」を計画的に生み出すのかも知れません。(妄想です)

■ 家畜としての人 ■

経済活動の主役がAIや自動機械になった時代に人々の役割は現在と大きく変わるでしょう。人間の役割は、最低限の社会インフラを維持して、AIや自動機械の効率を最大化する事が求められる。当然、ベーシックインカムの様な方式で、人々の生活は保障されますが、利益の大半は、AIや自動機械を所有し使役する人達が独占します。

これは言うなれば「人の家畜化」です。陰謀論者は、ユダヤ支配に絡む「家畜としての人=ゴイム」という言葉を好んで使いますが、私が予測しているのはAI化や自動化の帰結としての「人の家畜化」です。家畜はオオカミなどの外敵から守られ、美味しい牧草や飼料を保証されて一生を終えます。その代償に家畜は「人の役に立つ」事を求められます。これと同じ事は、AI化と自動化の進んだ未来に、人はAIや自動化を支える仕事に従事して、生活を保障される存在となる。

 

■ ベーシックインカムと資産保有の制限 ■

人に残された仕事の生産性が下がると、賃金が低下します。それを補うのがベーシックインカムです。

MMT支持者は「ベーシックインカムは夢の制度」と夢想していますが、現在の人口規模でベーシックインカムを実施する為には政府通貨の様なシステムが必要になります。民主主義の制度では、政府はは国民の要求に屈してベーシックインカムで配る金額が拡大して行き、インフレを招いたり、市場がバブル化します。

そこで、ベーシックインカムが実施される為には、貨幣の在り方も変わる必要があります。私は電子マネーがこれを実現する鍵だと妄想しています。電子マネーは個人が所有するお金が個人情報に紐付いています。現在のお金は、人の手に一旦渡れば、その使い道を制限する事は出来ませんが、電子マネーならばそれが可能になります。

例えばベーシックインカムで配分したお金は3カ月後に政府に戻るとか、或いは投資に使えないといった制限をお金自体に与える事も可能です。だから政府はマイナンバーカードを必死に国民に取得させようとしているのだと私は確信しています。マイナンバーカードが電子マネーのプラットフォームとなるからです。そして、政府の必死さから推測して、3~5年の内に、現在の通貨が電子マネーに置き換わる様なイベントが発生すると妄想しています。

 

■ デジタル管理社会という家畜に居心地の良い環境 ■

少し過激な内容が続きましたが、「人の家畜化」というと聞こえが悪いですが、既に私達は「家畜化」されています。国家は外国の攻撃から国民を守り、福祉によって最低限の生活を保障してくれています。TVは人々に娯楽を与え無駄な思考を停止させています。その代償として、私達は社会を乱す行動を慎み、勤労に励んで税金を国家に収めます。この関係が成り立つのは、労働によって生み出される価値が経済的利益を人々と国家にもたらすからです。

因みに経済的利益を生み出す労働とは「第一次産業」と「鉱工業(第二次産業)」だけです。サービス業は消費するだけですから、第一次産業と第二次産業で生み出された富を消費する事で成り立っています。(金融業は他国が生み出した富を搾取しますが、日本の様に搾取される国もある事に注意が必要です)

先日、阿修羅掲示板に面白い書き込みがありました。ヨーロッパのシステム開発の会社が政府に極秘に依頼された仕事の内容です。それは国民をA~Dの4段階に分けて管理するシステムの構築で、内容的にはAランクは資産保有の自由が認められている、そしてB~Cになるに従って資産保有に制限が掛けられるといったシステムだったそうです。真偽は明らかでは有りません・・・。

仮に私がベーシックインカムを基本とした社会の設計を任されたら、同じ発想をすると思います。生産性の高いスキルを持つ者に資産保有を認め、生活の基盤をベーシックインカムに置く生産性の低い人には、資産保有に制限を掛ける。但し、最低限の生活は政府が保証する。

「資産保有の自由=豊かな生活」ですから、能力と向上心のある者は、そのステージを目指して努力し、社会の発展に貢献します。一方で、ベーシックインカムの議論でいつも問題となる「怠惰な人達」は、スキルをあまり必要としないが、社会基盤を支える為に不可欠な仕事に従事して、生活の保障を得る。

「努力すれば報われる」事と、「努力しなくても救われる」事がセットになっていれば、人々に不満は溜まりません。

 

■ 資源の乏しい西側諸国は、ネットの中に経済の主体を移す ■

AI化や自動化はデジタルと親和性が高い分野です。ですから、それらが生み出す価値の多くが、ネット空間で流通するものになる可能性は高い。金融サービスなどが最たる例ですが、銀行を介さずにお金の決済が出来る電子マネーは、これらの取引のスピードを飛躍的に向上させます。お金の余っている所から、必用な所にスムーズに資金を流す事が出来、リスクの計算もビックデータを活用して正確に行えます。

さらに娯楽もネット空間に移って行くでしょう。バーチャルリアリティーの技術が進歩すれば、ドラマや映画は主観体験に変わって行く。人々は実生活では質素な生活をしていても、仮想空間では華やかな生活が体験でき、美女やイケメンと恋に落ちる事も可能です。これこそ現在の弱者が望む「異世界転生」です。こうして家畜化された人達は、現在のTVに依存する以上に、バーチャルな現実に逃避する様になるでしょう。そして、これらのコンテンツを提供する産業が今のハリウッドを引き継ぐのでしょう。

西側の国々は資源に乏しいので、出来るだけ資源を消費しない産業を発展させると私は妄想しています。それは上記の様な、デジタル金融業で他の国や誰かの利益を掠め取ったり、魅力的なデジタルコンテンツで世界の人々をシャブ漬けにする分野でしょう。AIを使役する一部の人達が、この分野の利益を独占します。

■ 人としての従来型の幸せを選んだプーチン ■

ダボス会議や世界の経営者は、「物質消費を最小化するデジタル管理社会」を実現したい様ですが、プーチンはダボス会議の演説で、「ロシアは従来の人の幸せを追求する社会を目指す」と宣言して、その後ダボスと袂を分かちます。プーチンは「家族や地域と一緒に伝統を守って生活する幸せ」を強調しました。

プーチンや習近平は「独裁者」として国民を管理している様に思われていますが、彼らの政治手法は独裁的ですが、彼らの国民は伝統的です。これは大陸国家の特徴とも言えます。ロシアはツァーリズム(皇帝主義)の伝統を持つ国で、国民は強い指導者を求めます。中国も同様で、古来より強い皇帝が支配して来ました。広大な領土に様々な民族が住む大国では、強権でしか国家の統一が保てないからです。

中国やロシアで社会主義に実験が行われた事には実は意味があったと私は考えています。世界の経営者は、社会主義革命によって皇帝主義を駆逐しようと試みたのでは無いか。それは、世界の経営者「強い独裁者」を邪魔者と考えたから。

しかし、この実験は失敗したのでしょう。ソ連は崩壊して、ロシア人はプーチンというツァー(皇帝)を望んだ。家族を否定した社会主義に反動で、家族を大切にする文化が残った。中国も共産党独裁が資本主義を取り入れて、習近平独裁で政治の意思決定を高速化している。そして家族愛や地域愛はそもそも中国人の伝統でもある。

この様に中国やロシアはダボス会議や世界の経営者の目指す「省資源なデジタル管理社会」を選択せずに、伝統的な社会の持続を選んだ。これが可能なのは、広大な土地に多くの資源を持ち、食料も自給出来るからです。ブラジルやサウジアラビア、インドなど、南アフリカなどが、この陣営に加わりました。

尤も、中国やインドなどは人口問題を抱えていますから、新型コロナによる人口削減には参加している様です。但し、ワクチンがm-RNA型でない点に注意が必要です。イギリスもチャッカリ、アストラゼネカのウイルスベータ型にワクチンを接種しています。

■ 世界は冷戦によって二分される ■

第二次世界大戦後の社会実験はソ連や中国で実施されました。人権を制約された社会主義や、怠け者を生み出す共産主義は失敗に終わります。

これから始まる「省資源のデジタル管理社会」の実験は、どうやら西側の国々を中心に行われる様です。人々は最低限の生活を保障されながら、デジタルでソフトに管理される。この社会を作る為に「資源の制約」が不可欠です。だから、東西対立が煽られ、再び冷戦構造が作られ様としている。資源を多く有する国々と対立する事で、「省資源のデジタル管理社会」の必要性を強引に作っているとも言えます。

 

■ これから世界は混乱期に入る ■

私の陰謀論は、「世界は全て結託している」というものですから、プーチンや習近平の選択が正しく人間的と主張する気は毛頭ありません。伝統的な幸せに魅力は覚えますが、ソフトなデジタル管理社会にも興味はあります。

ただ、残念な事に、新しい社会を生み出す為には、「破壊と混乱」が必要です。短期間の内にシステムは再構築する為には、古いシステムは一度徹底的に破壊する必要があります。

「新型コロナ&ワクチン」「金融緩和バブルの大崩壊」はその為に仕掛けで、これから10年間は、世界は大きな混乱に陥る可能性が高い。そして、その間、国民の不満を抑える為に戦争が利用されるでしょう。アジアにおいても台湾有事は十分に起こり得る。中国と東側世界を完全に分断する為に・・・。但し、アメリカと中国のデカップリングが未だ完了していないので、今は危機を煽る段階です。米国企業や、西側企業か中国から撤退して、生産拠点を自国内や、西側経済圏の国に移転し終わった時に、台湾有事(或いは尖閣有事)が発動すうのでしょう。

日本は中国に近過ぎ、ヨーロッパはロシアに近過ぎる。そして、イギリスやアメリカはそれらの国から適度に離れて海の上に浮かんでいる・・・。

 

本日は50年後の世界をSF的な思考で妄想してみました。これからの10年間・・・世界も社会も大きく変わって行くのでしょう。それを体験出来るのは楽しみではありますが・・生活の保障は・・・。

 

<追記>

私はダボス会議の提案する「グレートリセット」は、ワンマンな経営者が打ち出した「無理の多い経営戦略」だと考えています。実現性の詳細は詰められておらず、実施の方法は社員に丸投げされた状態。だから、今後、色々な不都合が生じて、思った様な結果を生まない、或いは技術的な問題で進捗が思わしく無いケースも出て来るでしょう。

ダボス会議や世界の経営者は、デジタル化を過大評価している様にも感じます。その保険として、ロシアや中国が伝統的な社会として残されるのかも知れません。第二次世界大戦後とは立場が逆転している点が面白い。


「民主主義の限界」と「グレートリセット」

2022-10-27 00:41:35 | 時事/金融危機

 

■ 資本家の作り出した「民主主義」 ■

「グレートリセット」というダボス会議のテーマが一人歩きしていますが、リセットされるモノの中に「民主主義」も含まれると私は妄想しています。

近代の民主主義は「国王」や「皇帝」と言った世襲の権力から、「市民=資本家」が権力を奪う時に用いられた「方便」です。初期の民主主義では参政権も被選挙権も、ある程度の所得のある男子に限られていました。要は議会は資本家により運営されていた。

しかし、次第に一般人も参政権を求める様になります。納税者としては当然の権利の主張です。そこで、資本家達は、参政権を成人男女全てに拡大してゆく一方で、メディアを使って世論をコントロールする方法を確立して行きます。新聞が、TVのニュースが「洗脳」の道具として活用されて行きます。

■ 国民が自らの命を喜んで差し出す「民主主義」 ■

職業軍人同士の小規模な戦闘で勝敗が決まった時代とは違い、近代の戦争は軍隊の規模によって勝敗が決します。国土の広さ、国民の多さ、植民地からの豊富な物資が、強力な軍隊を支え、国家を反映させ、資本家を潤します。

国家は国民の納税と、軍隊への参加によって維持される時代となりましたが、国民が喜んでこれに従うハズはありません。そこで、メディアを使って国民をこう「洗脳」します。

1) 敵が攻めて来て、お前の大事な家族が殺される

2) 国家は国民のものだ。だから税金を収め、戦争にも参加して自分達の国家を守ろう

「民主主義」や「近代国民国家」と言えば聞こえは良いですが、その実態は農民までも戦争に参加させるシステムに過ぎません。

■ 戦争無き時代の「民主主義」 ■

「近代国民国家」を生み出したのは「大規模な戦争」でしたが、第二次世界大戦を境に大規模な世界戦争は過去のものとなりました。核兵器の登場により、大国間の全面戦争は「人類の滅亡」を意味する様になったからです。これによって、「戦争によって国力を増大させる時代=帝国主義」が終わりを告げます。

次なる時代は、資本家達が「経済を最大化する時代」に変わります。大規模な戦争は経済活動を妨げるので避けられる様になります。

大規模な戦争が無くなると、「外国が攻めて来て家族が殺されるぞ」という脅しが効きにくくなります。国民は国家に「生命の保障」では無く、「豊かさの保障」や「長生きの保障」を求める様になります。

誰もが平等に選挙権を持つ現代の民主主義において、人々は「結果の平等」を求める様になります。

1)能力が低くても、或いは無職であっても最低限の生活は保障して欲しい

2)高齢者であっても手厚い年金と医療は保障して欲しい

政府(資本家)は徴税と再分配、そして年金システムによって、「結果の平等」を担保し、国民が経済活動に勤しむ様な制度を構築して行きます。これは一種の社会主義です。第二次世界大戦後の「民主主義国家」とは「ソフトな社会主義国家」と言い換える事が出来ます。

■ 「結果の平等」の限界 ■

「誰でも平等な社会=結果の平等」を追及した社会主義国家は、40年程でシステムが限界を迎えました。生産性が低下して、国家を維持出来なくなったのです。ソ連を始めとする社会主義の実験国家が崩壊すると「民主主義の勝利」などと言われました。

しかし、民主主義国家の実態は「ソフトな社会主義国家」なので、同様の問題が生まれて来ます。国民全員に豊な生活を保障する事には限界があるのです。その為には国家は莫大な貿易黒字、或いは金融取引による所得収支の黒字を経常する必要が有ります。

先進国各国は、生活が豊になるに従って労働コストが上昇し、輸出産業が国外に流出し始めます。

■ 通貨の大量発行と、金融によって「結果の平等」を担保する試み ■

最初に産業革命を達成され、綿織物工業などが発達したイギリスは、当時貿易黒字国だと思われがちですが、イギリスは17世紀から貿易黒字を出した事はありません。イギリスは植民地から大量の物資を輸入していたので貿易赤字だった。では大英帝国を支えていたのは何かと言えば、海運業です。イギリスはスペインやオランダを排除して世界の海の覇者となり、綿花や奴隷、はたまたアヘンを取引して莫大な利益を上げていた。東インド会社という巨大な商社が植民地を経営し、そこでの産物を世界中に輸出して稼ぐ国が大英帝国のビジネスモデルでした。

現代、このビジネスモデルは「金融」に置き換わっています。大英帝国は自分達で船を調達して世界の海を渡り利益を上げていましたが、金融を使えば自分達が働く事無く、利益の上米だけを得る事が出来ます。誰かのビジネスに投資して利益を分けて貰えば良いのです。1980年代から始まった「金融革命」とは、生産力が低下して貿易黒字が稼げなくなった先進国(イギリスやアメリカ)が、お金の力によって利益の上米を得るシステムの構築だったとも言えます。

このシステムは、やがて「お金でお金を稼ぐ」モデルへと変化して行きます。いわゆる「デリバティブ」とか「金融派生商品」とか呼ばれる「実体の無い取引や商品」が売買される状態が生み出されて行きます。この過程で、「誰かの債権」という実体の有る商品は、何倍もの実体の無い金融商品に拡大して行きます。

「無限に拡大し続ける実体の無い金融市場」を支えるのは、大量の資金です。そこで、中央銀行はベースマネーを大量に発行してこれを支えます。現在の主流派が提唱する「供給サイドの経済」或いは「マネタリズム」というのは、工業製品の輸出で稼げなくなった国家を支える為に生み出されたものとも言えます。

「結果の平等」を求める国民を満足させる為に、通貨を大量発行して、金融によって国家が利益を得ようとした・・・これが1980年代以降の先進国の姿です。国債の大量発行も、ベースマネーの供給という意味で、これに一役買います。

一見すると、国債の大量発行で、人々の「結果の平等」が保たたれ、金融で儲ける事も出来るのだからウィン・ウィンの関係に見えます。

 

■ 金融崩壊で「結果の平等」の維持は完全に行き詰まる ■

1980年代以降、社会主義に勝利したかに見えた「民主主義」ですが、政権基盤である「国民の満足=結果の平等」を支えていたのは、「通貨の大量発行」と「金融」という生産を伴わない経済の拡大でした。

これを支えていたのは、新興国や途上国の安い労働力と、安い資源でした。生産力の落ちた民主主義国家は、実体の伴わないお金を使って、貿易赤字を補填していたのです。この最たる例がイギリスです。

しかし、お金がお金を生む様な「ネズミ講」はいつかは行き詰まります。まさに、現在がネズミ講の限界だと私は考えています。

先進国は「ネズミ講」が崩れると、国民の結果の平等を担保する事が出来なくなります。「金融」によって国民を支えるだけの利益を得られなくなるからです。金融崩壊が通貨の信用問題に発展すると、インフレ率が急上昇します。大量に国債発行をしている国々では財政が維持出来なくなり、社会主義諸国の末期と同様に、国民生活が崩壊し、そして既存の政治システムが崩壊します。

ダボス会議は「民主主義を改革する」とカッコイイ事を言っていますが、冷静に考えれば「ソフトな社会主義を維持出来なくなった」だけとも言えます。「グレートリセット」によって「民主主義を壊す」のでは無く、「結果の平等を追い求めた民主主義が自壊」するのです。これはマルクスの予言でもあります。

 

本日はリハビリ的な記事なので、妄想はこの辺で・・・。

 

<追記>

「民主主義」と「資本主義」は同一に語られがちですが、「民主主義」は国民を国家に動員する方便で、現在の先進各国の本質は資本によって誰かの富を略奪する「資本主義」です。

マルクスは「資本主義は自壊する」と予言していますが、今後起こる事は「資本主義の自壊」によって「民主主義の幻想が崩壊」する現象です。西側諸国の人々が神の様に崇めていた「民主主義の幻想」が崩れた後、人々を国家に縛り付ける新たなシステムが必要になります。そこら辺を次回は妄想したいと思います。


風張林道 + 都民の森 ・・・一日で2度美味しいライド

2022-09-01 15:25:39 | 時事/金融危機

 

東京近郊の激坂4天王にには諸説あるが、一般的には「子の権現」「和田峠」「筑波山・十三塚」「風張林道」辺りでしょうか。ローカルでは千葉県の「富山(とみさん)」辺りはこれらの峠のさらに上位互換だと思うのですが、そもそもかなりの「テクニック」が無いと登攀不可能。

東京近郊の人がアクセスし易く、それなりの登り堪えがあって、中級以上の自転車乗りには「無理で無い」坂という意味では、「風張林道」がおススメ。仮に途中で足を着いても、そこから再スタートして終点の風張峠まで到達できれば「それなりの達成感」を味わえます。最大傾斜区間の路面がキレイで道幅が広い事もススメの一つ。道幅が狭すぎる場合は蛇行が出来ませんし、路面が悪すぎる場合はダンシングで後輪がスリップして転倒する危険性があります。

ところで、「激坂」と一口に言っても昨今はスプロケットが大口径化していますから、コンパクトクランクで、後ろ32Tや34Tならば、初心者の女性だって攻略不可能ではありません。逆に言えばギアー比3のピストやシングルスピードならば10%超えは「激坂」になります。だから「オレ、ラピタ坂登れたぜ」なんて人にはギアー比を聞いた方が良い。「コンパクト+乙女ギア」ならば、ある程度の自転車乗りならば登れて当然。

坂道が嫌いな私ですが、これまでに「絶対に無理」と感じたのは富士山の「アザミライン」。3km以上の15%越え、所々20%という坂道は、小野田坂道や真波山岳にお任せしたい。このクラスになると、蛇行に切り返しで前輪が浮きまくるし、下りも怖い・・・。

そんなこんなで、貧脚の私には「風張林道」が丁度良いレベル。最近ではセミコンパクトクランク(52-36T)にリア32Tがデフォルト。これならほぼシッティングで楽に登れます。(きのこセンターの下以外は)

 

ただ、楽に風張林道を登ると、何か「もの足りない」・・・・。「俺たちの戦いは、これからだぜ!!」って気分で檜原村役場まで戻る事になる。そうすると、奥多摩周遊道路で都民の森に「無性に登りたくなる」。これ、何なんですかね・・・千葉から五日市まで輪行して「風張林道1本」というコスパの悪さに、「貧乏性」が抵抗を示しているのでしょうか・・・。

 

そんな訳で、今回も風張林道から、表奥多摩周遊道路経由で都民の森を「お代わり」しちゃいました。ただ、その後、あわよくば「都留峠→裏和田峠」という一粒で4回美味しいルートを密かに狙っていたのですが・・・・これ無理。もうすぐ57歳のメタボオヤジが真夏にチャレンジするコースでは無かった。

そんな事もあろうかと、中型サドルバックには、しっかり「温泉セット」が忍ばせてあります。武蔵五日市の駅まで5kmの地点に「瀬音の湯」という日帰り温泉施設がある事をチェック済です。ここ、地下1500mからくみ上げたアルカリ泉で、屋内浴槽は加温してあるが、源泉かけ流し。

 

自転車乗りで無ければ意味不明の文章が続きましたが、今回のライド、翌々日から都民の森から三頭山に登ぼる家内に「都民の森のパンフレットを貰って来て」というミッションを完遂する為のものでした。だから、都民の森まで、何が何でも到達しなければならなかった・・・。普通やらないよね、「風張林道」から「都民の森」の「お代わり」って・・・。え?、風張林道から都民の森に降りれば楽勝だって・・・それ、チャレンジじゃないから・・・。

 

 

 

 


最後の貸し手・・・日銀

2022-06-17 04:35:09 | 時事/金融危機

■ リスクの鏡・・・ジャンク債 ■

上のグラフはハイイールド債(ジャンク債)ETFの価格チャートです。ハイイールド債は信用力の低い企業の社債の事で、「ジャンク(ゴミ)債」とも呼ばれます。倒産リスクのある会社の社債ですから、当然金利は高く、2000年頃までは10%近い金利が一般的でした。ハイイールド債も他の債権同様に市場で売り買いされます。国債などと同様に中古市場で価格が下がれば債権金利は上昇し、価格が上れば債権金利は下がります。

ハイイールド債はBB格以下の格付けの社債の総称です。先日ソフトバンクの社債の格付けをムーディーズが「Ba3ネガティブ」と発表しまして、ソフトバンクは「勝手な格付けだ」とホームページで抗議しています。ところでBa3とは、どの程度の格付けかと次の図を参考にすると、Ba3はジャンク級(投機的)とされる格付けでも一番下の相当します。

 

■ 「炭鉱のカナリヤ」としてのハイイールド債 ■

ハイイールド債はリスクが高いので、逆に言えばリスクに敏感です。市場は弱い所から崩れますが、暗号通貨やハイイールド債金利は「炭鉱のカナリヤ」の様に、リスクの高まりを教えてくれる。

リーマンショック以降、中央銀行による過剰な資金供給によってハイイールド債金利は下落傾向でしたが、ギリシャ危機、バーナンキショック、FRBのテーパリングや利上開始の際には10%近くまで跳ね上がっています。

皆さんが見逃しがちなのは2018年12月のピークで、この頃は金利上昇によってハイイールド債の新規発行が殆ど停止していました。ジャンク債市場のメインプレーヤーは農林中金で、農林中金がハイイールド債の購入を控えると市場は干上がり金利が急上昇します。実は2018年は金融市場にとっては非常に危険だった年で、FRBが利上げの継続を断念した年です。この時の金利が2.5%。

その後、FRBの利上げ停止で金利は低下しますが、コロナショックで金利が急上昇しました。その後は各国中央銀行の絨毯爆撃の様な緩和政策によって金利は再び低下していました。ところが、FRBの利上げにより、またもやハイイールド債金利は上昇しています。

 

■ アメリカの政策金利2.5%の壁? ■

2018年のハイイールド債市場の混乱は、FRBが政策金利を2.5%にした頃にピークを迎えました。

FRBは2019年まで政策金利を2.5のままにしていますが、裏で量的緩和を拡大した事で、市場への資金提供を拡大して、市場を鎮静化させました。どうやら、ハイイールド債市場など、リスクに敏感な市場は2.5%という政策金利には耐えられないのかも知れません。

ウクライナ戦争以降のインフレ率の上昇で、FRBは上のグラフの様に急激に金利を上げていますが、次の利上げにジャンク債金利が耐えられるのか、微妙な状況と言えます。

■ 最期の貸し手・・・日銀の存在感 ■

市場はFRBの利上げや、量的緩和の縮小ばかり気にしますが、実は市場に大きな影響を与える存在がもう一つあります。それは日銀。

リーマンショックの元となるサブプライムショックは2007年の末に起りましたが、これの引き金を引いたのは2006年3月から実施された日銀のゼロ金利解除(量的緩和の縮小)だと見る人達が居ます。

FRBは2006年から利上げを5.25%で停止していますが、この頃日銀はゼロ金利を維持して、量的緩和も実施していたので、現在同様に「円キャリートレード」が発生していて、金利の安い日本円を調達して、為替市場でドルに替えた後に、アメリカの住宅市場や債券市場に大量の資金が流入していた。ところが日銀が2006年3月に量的緩和を縮小してゼロ金利を解除したので、市場への資金供給量が減り、円キャリートレードにブレーキが掛かった。これによってサブプライム層へのローンの貸し出しが鈍り、アメリカの住宅バブルが終焉を迎えます。

■ 日銀の量的緩和縮小はいつか? ■

日本国内のインフレ率上昇で、日銀も金利を上げるべきだとの声が高まっています。しかし、黒田総裁は異次元緩和を継続すると言い続けています。世間一般には、金利上昇で国債市場が動揺する事が原因と言われていますが、本当の理由は金融市場に与える影響でしょう。

仮に「最後の貸し手」となっている日銀が「利上げに踏み切る」と発表したら、世界の金融市場は大きく動揺するでしょう。為替市場は円安から2007年と同様に急激な円高に振れます。そうなると「金利の安い円」で為替差損が発生するので、円を調達通貨としていた投資家達が、一斉にポジションを解消して円を返そうとします。これはドル売り円買いになるので、為替市場は益々、円高が加速し、金融市場から急激に資金が引き上げられて行きます。

市場にとってFRBの利上げは確かに恐怖ですが、日銀の利上げはもっと怖い・・・。

だから黒田総裁は自分の任期中に世界崩壊の引き金を引きたくは無いと考えているハズです。

 

久々に妄想を垂れ流したら・・・すっきりした!!

 


朝鮮半島型分割統治で安定する冷戦構造

2022-06-07 05:08:54 | 時事/金融危機

 

■ ポーランドに併合される西ウクライナ ■

ゼレンスキーとポーランドのドゥダ大統領が最近親密です。

ポーランドは歴史的には領土を巡ってウクライナとは仲が良いとは言えぬ間柄。しかし、ロシアの侵攻後はポーランドが積極的にウクライナを支援しています。その理由はウクライナ併合!?

ロシア情報ではウクライナでは『ポーランド人のウクライナにおける特殊法的地位』という法律が議会で審議されているという。その内容は・・

 1. ポーランド人はウクライナの被選挙権を獲得し、ウクライナの民選公職に当選し、ウクライナ各州・地方行政官に就任する権利を有する。
 2. ポーランド人はウクライナ国有戦略企業の枢要職に就き、ウクライナの国家機密情報を閲覧・使用する権利を有する。
 3. ポーランド人はウクライナの裁判官および憲法裁判所判事に任命される権利を有する。
 4. ウクライナンの司法・情報機関、軍その他国家武力機関はポーランドによる統合合併を受け入れる。

にわかには信じられない内容ですが、ウクライナをポーランドに併合させる内容となっています。

■ 自動的にEUとNATOに加盟出来るウルトラC ■

ウクライナは戦争当事国として、国内の紛争が終結するまでNATOには加盟出来ませんし、戦争による財政赤字の急拡大でマーレヒト条約の基準を今後数十年間は満たす事が出来ないでしょうからEU加盟も門前払いです。

そのウクライナがEUに加盟し、NATOに加盟する唯一の方法はポーランドに併合される事。ポーランドはEU加盟国である、NATOの加盟国ですから、ポーランドがウクライナ西部を併合すれば、ウクライナ西部はポーランドの領土となりNATO軍はウクライナ領に展開する事が出来ますし、EUもウクライナ西部の戦後復興に多額の資金を払わざるを得ない。

一見、荒唐無稽に思えるウクライナ西部のポーランド併合ですが、実は合理的な選択と言えます。

■ 粘り強くドニエプル川東岸と黒海沿岸を抑えるであろうロシア ■

マスコミのプロパガンダとは反対に、ロシア軍は着実にウクライナ東部と南部の支配地域を拡大しています。今はルハンシク州の最後の砦とも言える瀬ベロドネツクで攻防が続いていますが、これはロシア軍による包囲殲滅戦に近い。ただ、ロシア軍もウクライナ正規軍や志願兵である郷土防衛隊を無駄には殺したく無いので退路を開いています。

西側報道とは違い、ウクライナ侵攻をロシア人の大勢は支持しています。彼らにとってこの戦争は「同じロシア人を守る聖戦」です。そしてロシアの最大の強みは国民の粘り強さ。これは戦争遂行の為に重要な要素です。

アメリカ人は移り気ですから、開戦当初は世論も「ヤツラに正義の鉄槌を!」と盛り上がりますが、戦争が長引くと国内の反戦活動が活発化して政権基盤を揺るがします。ですから、現在のアメリカの戦争は初手で派手に軍事目標やインフラを破壊して、相手国の主張を殺し「形だけの勝利」を収めた後は、多国籍軍や民間軍事会社が戦闘を引き継ぐ。結果的に、支配された国では反米感情だけが高ぶってゆき、アフガニスタンやイラクの様にアメリカの統治は失敗に終わります。

一方、今回のウクライナ戦争では、ロシアの軍事介入をウクライナの東部と南部の住人が望んでいるので、「被支配意識」は元々少なく、戦争が長引いてもロシア人は同胞を救うためにこの戦争を粘り強く支持します。確かのロシアのインフレ率は経済制裁で高まっていますが、これは輸入品に限った話で、農産物を全て時給出来、エネルギーや資源も時給出来るロシアには経済制裁は効果が薄く、日常品の値段は上がっていません。

ですから、プーチンは停戦を急ぐ必要は無く、ウクライナが妥協出来ない条件を出して戦争を長引かせながら、確実にウクライナ東部と南部を制圧してゆけば良い。

■ ジャベリンが投げ捨てられているウクライナ陣地 ■

西側報道では供与されたジャベリンやスティンガーが有効にロシア軍を撃退していると伝えられていますが、ウクライナ軍が後退した後にはジャベリンやスティンガーが放置されているらしい。これは、バッテリー切れで使い物にならなくなったので、20kgを越えるこれらの武器は敗走時には単なるお荷物に過ぎないので放棄されているらしい。

西側諸国は大量の携帯武器をウクライナに送り込みましたが、どれも期限切れ寸前でバッテリーが従来の性能を発揮しない様です。ゼレンスキーも動画で「バッテリーの問題が有る」と語っています。ましては前線で充分な充電が出来ない環境となれば、近代兵器は電池切れの携帯電話同様に機能しなくなります。

こうして廃棄されたジャベリンやスティンガーをロシア系民兵組織が鹵獲して自分達の武器にしている。

■ 戦車や大型兵器は戦地に着く前にミサイルに破壊される ■

戦車や榴弾砲やなどの大型兵器も供与され始めましたが、これらの移送は衛星から丸見えなので、集積地をロシアはミサイルで確実に潰しています。結局前線に届くのはごく一部です。

さらに、供与された武器の2/3が横流しされてセルビアの闇市場から世界の紛争地域に拡散しているという噂も。汚職に関しては途上国以上のウクライナですから「さもありなん」です。

米国は5兆円の追加援助を決めましたが、供与された武器のトレースは不可能とされています。そもそも、5兆円のうちのどの位が本当にウクライナへの武器輸送に使われるたのかチェックされない。軍事産業とアメリカの政界はベタベタに癒着していますから、資金の何割かが政治家に還流している可能性も指摘されています。

■ 戦争が長期化するのを恐れたキシンジャー ■

ダボスでキシンジャーが「ウクライナを領土の一部を放棄しても早期停戦をすべき」と発言して話題となっています。一見するとウクライナ人がこれ以上無駄死にしない様に早期に停戦すべきとも受け取れますが、その真意は別のものだと私は妄想しています。

上記の様に、西側が武器支援をして戦争が長期化してもウクライナ軍に勝ち目はなく、ズルズルと後退してロシア軍の支配地域が広がって行きます。ロシアとしてはロシアウクライナ国境に接する地域と、黒海に接する地域を支配下に置きたい。さらに出来る事ならば、防衛戦を引き易いドニエプル川まで支配地域を広げたい。

この様にロシアが支配地域を広げる前に現状で取り合えず停戦するというのがキッシンジャーの本心だったのでは無いか?

■ 北朝鮮型の東西分断で安定するヨーロッパ ■

ここで上の地図を見て欲しい。私が勝手に色付けしましたが、青がポーランドとポーランドに併合されるであろうウクライナの西部地域。赤がロシアとロシアが事実上に支配下に置くであろうウクライナの東南部とモルドバの沿ドニエストル共和国。

仮に停戦ラインがドニエプル川となった場合、ドニエプル川で東西に分かれるキエフ(キーウ)はベルリンの様に東西に分断される可能性があります。停戦ラインに近過ぎてキエフは首都として機能しません。

仮にドニエプル川で停戦ラインが引かれた場合、ウクライナのGDPの7割以上がロシアの支配地域に存在する事になります。西部の地域は巨大な北海道と同じく農業が主要産業になります。これでは国家再建もままなりませんから、この地域をポーランドが併合して、EU全体で面倒を見るというのが現実的な選択でしょう。

こうして、ロシア国境に沿って、ロシアの事実上の支配地域が完成し、ポーランドがウクライナ東部を併合した後に、これらの地域を「非武装地域」としてロシア、ウクライナの双方が管理すれば、ヨーロッパとロシアの間に巨大な干渉地帯が生まれ、この地域は軍事的に安定します。

こうして分断されたウクライナは「新な冷戦の象徴」となり、西側諸国と、BRICSを始めとする「新しい世界」の対立の象徴とされるのでしょう。

■ ポーランドとゼレンスキーに一掃されるであろうネオナチ ■

イギリスとアメリカが裏で糸を引く、アゾフを始めとするネオナチ勢力は、新しい安定には必要とされません。むしろ、緊張を高めるだけの存在です。

急激にポーランドに擦り寄るゼレンスキーに対して、民族自決主義を先祖に持つアゾフは黙ってはいません。当然ゼレンスキーも対抗してアゾフを排除する。戦争前と戦争時にアゾフが行ったウクライナ人への残虐行為の数々を明らかにし、「戦争の責任はネオナチにある」とする事で、彼らを逮捕し、排除するでしょう。国民も戦争の責任を彼らに押し付ける事が出来る。

ポーランドもそこそこに狂った国家ですが、ネオナチよりはマトモです。

■ NATOはアメリカが衰退した後にヨーロッパの安全保障の枠組みになる ■

アメリカはネオナチをさんざんけし掛けてロシアを戦争に駆り立てましたが、ロシアに対する経済制裁はブーメランの如くアメリカ経済に襲い掛かっています。国務省の中には「アメリカに有害な経済制裁を止めるべきだ」との意見も出ています。

アメリカで高まるインフレ率は、ガソリン価格の高騰など、確実に庶民の生活を圧迫し、FRBの利上げはバブル市場の崩壊を早めています。遅かれ速かれアメリカは大混乱に陥り、バイデンの再選はあり得ない。

次の大統領が共和党候補となるのは確実ですが、トランプになるにせよ、他の誰かになるにせよ、アメリカは急速に世界の戦争から手を引いて行くでしょう。アメリカは財政的に世界の警察の座を維持出来ない。

こうして、2~3年のうちに、ヨーロッパでも東アジアでもアメリカ軍は縮小、撤退して、その地域の安全保障は、その地域の国々の集団安全保障体制に移行するでしょう。ヨーロッパではNATOがその受け皿になるので、フィンランドとスエーデンも中立を捨てた。ヨーロッパとロシアは依存関係にあるので、アメリカの影響力が薄れれば、ロシアとの緊張関係は弱まり、NATOとロシアは力の均衡によって安定を生み出します。

東アジアも、ウクライナ型の紛争が演出された後に、アメリカ軍はハワイ・グアムラインの退き、東アジアと東南アジア、そしてオーストラリアの海洋諸国は集団安全保障体制を確立する。当然日本もその一翼を担う事になるでしょう。

 

とまあ、妄想垂れ流しではありますが、「三方良し」という事で、私が世界の経営者ならば、このプランを採用します。