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人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

グリンニューディール政策とプリウス

2009-01-27 05:59:00 | 温暖化問題
■グリンニューディール政策はビジネスとして成立するか■

オバマが提唱するグリーンニューディール政策が話題となっています。
「環境ビジネスで500万人の雇用創出」という言葉が一人歩きしています。
しかし、環境ビジネスって、いったい何なのでしょう?
はたして、環境ビジネスは新しい富を生み出すのでしょうか?

■ITも初めは意味不明だった■

実は、今では主要産業に成長しているIT分野も初めは意味不明な分野でした。
ネット産業などというものが本当に成立するのか、半信半疑でした。
しかし、現在、IT産業は多くの雇用を生み出し、
我々は、インターネットの恩恵にあずかっています。

環境ビジネスも将来は無くてはならない産業になるのでしょうか?

■環境技術の実利■

人が物やサービスにお金を払うには、実利が必要です。
それでは、環境技術の実利とは何でしょうか?
それは、節約されたエネルギーのコストが、設備の導入コストを上回る事です。

家電品は年々省エネが進みますが、価格はそれ程上昇しませんので、
消費者は分かり易く「省エネ」による実利を手にします。
「今度、買い換えるなら省エネタイプにしましょう。」となります。

二酸化炭素の削減は実利にはなりません。
炭素税でも掛かっていれば別ですが、実利は電気代として表れます。

■プリウスはお徳か■

今はやりのハイブリットカーはどのくらい実利が出るのでしょうか?
プリウスのSクラスが車体価格が215万円、
カローラの1.5ℓが192万円で価格差が23万円。
燃費がプリウス35km/ℓで、カローラが15km/ℓとしてます。

ガソリン価格が120円/ℓの場合を検証してみましょう。

1週間に50kmだけ車を使うサンデードライバーの場合、
プリウスの方がガソリン代が228.5円おお徳。1年で\11,887円お徳。
車体価格差をガソリンの節約分で割ると・・・損益分岐が19.34年。
という事はサンデードライバーのおじさんは20年で元が取れます。
20年もプリウスに乗る人はいないでしょうから、
サンデードライバーはプリウスに乗っても実利がありません。

1年間に1万キロの人はどうでしょう。
1週間の走行距離が192Kmだとして、
一週間で877.7円お徳。一年間で\45,640円お徳。
損益分岐は5.04年で、だいたい5年で元が取れます。
ここら辺がプリウスの購入者のターゲットでは?
実利は5年以降でしか発生しませんが、
ハイブリット車に乗るという付加価値が5年で買えます。

実際の街乗りでのプリウスの燃費は20km/ℓ程度、
カローラが12km/ℓでもだいたい5年で損益分岐が発生します。
これが比較がヴィッツであったりすと、なかなか損益分岐が発生しません。

■ECOという満足■

結局、補助金や減税が無ければ、ガソリン代の節約による実利は
5年目以降に発生する事になりますが、
長距離走行を経たバッテリーの性能低下により、
プリウスの燃費はガソリン車並みに下がるというデータも見受けられます。

結局、ハイブリット車はバッテリーとモーターという余分なパーツが発生します。
量産効果が上がったからといって、ガソリン車並の値段にはなりません。
バッテリーやモーターの廃棄コストも上乗せされますから、
燃費の良いガソリン車や環境対策されたディーゼル車の方が消費者には有利です。

さらに、プリウスは戦略車でトヨタとして利益の薄い商品です。
通常の価格転嫁をすれば、ガソリン節約によるメリットは消し飛んでしまいます。

結局、消費者は「環境に貢献している」という優越感を23万円で購入するのです。
ようするにプリウスにおいての付加価値は、コスト節約よりも
「ECO」意識の充足にあるようです。

■温暖化防止とプリウス■

プリウスが公証値通りの燃費ならば、年1万キロ運転するドライバーは
カローラ比較で1916ℓのガソリンを5年間で節約出来ます。
これは結構大きな数字の様にも思えます。

但し、バッテリーやモーターなどの製造と廃棄に要するライフサイクルコストと
その時消費するエネルギーが価格等価と考えるならば、
ガソリン節約分の二酸化炭素は既に、あるいは将来的に発生するとも考えられます。

■ハイブリットが当たり前の時代■

もしハイブリット車が普及し、
「お宅、まだハイブリットでないの?」という時代がやってきたら、
多分、皆さんハイブリット車を購入するのでしょう。

その場合は、価格上昇が個人負担であるならば、事実上の値上げですし、
税的優遇処置や補助金であれば、税金による不公平なコスト負担となります。

いずれにしても、「ハイブリットが当たり前」の時代が到来すれば、
車の車体価格は値上がりし、価格転嫁が適正に行なわれれば、
自動車メーカーは収益が上がります。

しかし、現在の様に価格転嫁が適正でない状態が続けば
ハイブリット化は企業収益を圧迫します。

■究極のECOカー■

インドの大衆車は25万円です。
これをハイブリット化する事は、ちょっと考えられません。
そもそも、燃費の良い小型車は、街乗りではプリウス同等の燃費です。
ですから、新興国の大衆は、皆プリウスユーザーと同等の環境貢献をしています。
ハイブリットの為の付属部品が無い事を考えれば、プリウス以上の貢献です。
(昔のサニーやシャレードは20km/ℓ以上走りました)

そもそも自家用車を所有出来る人が少ないので、
彼らは、地球に優しい生活をしています。
大衆はエアコンも使いません。

そのような国に、環境対策技術を移転しようとしても、
そもそもが環境に低負荷なので、なかなか普及しません。

結局環境技術は、既に大量のエネルギーを消費する先進国にこそ必要な技術で、
一人当たりのエネルギー消費量が少ない国には魅力の無い技術です。

■石油価格に左右される環境ビジネス■

環境ビジネスを成長させる最大の要因は石油価格の高騰です。
世界の経済活動が低迷している現在、原油価格は低いままです。
この情況では省エネの実利は発生し難い情況です。

バイオエタノールの盛衰を見るまでも無く、
エネルギーと言えども、市場原理を無視する事は出来ません。

結局、温暖化の二酸化炭素原因説を拠り所とするしか無いのです。
その根拠が磐石で無い事がだんだん明らかになってきています。

昨日の読売新聞の社説は、産業界の現在の心境を良く代弁していました。

「グリーンユーディール政策の波には乗りたいが、経営コストの増大は避けたい。
日本としても、次期温暖化対策協定で京都議定書の様な不利益は何としても避けたい。
そもそも、二酸化炭素による温暖化説自体が怪しいのだから・・・。」

と読めるのですが、いかがでしょうか。
政府の掛け声とは裏腹に、産業界は環境ビジネスに昨年程は熱心ではありません。
新聞はそこら辺の温度を敏感に反映しています。

さて、オバマのグリーンニューディール政策は環境バブルを起せるでしょうか?




環境ビジネスは成功するか

2008-12-04 17:47:00 | 温暖化問題
■次世代環境技術は必要

オバマ次期アメリカ大統領は
景気対策の為、アメリカに一大環境ビジネスを発展させ、
500万人の雇用を生み出そうとしています。
もし、現在の経済状況の中で、
オバマのチャレンジに投資を呼び込めれば、
成功するかもしれません。

現在は原油価格が下落して魅力が削がれた環境ビジネスですが、
将来的には確実に原油価格が上昇します。
現在の景気低迷もある時点で終結し、石油の需要も又急上昇するでしょう。
又、石油の埋蔵量にも限界があります。
埋蔵量自体は毎年発見される新たな油田の出現で、減りませんが、
容易に採掘出来る油田は減ってきています。
オイルサンドや深海油田など、原油生産にコストが掛かる油田が増えれば、
原油価格の上昇の原因になります。

原油価格上昇、そして将来的な原油の枯渇を視野に入れれば、
省エネ技術とバイオマスなども次世代エネルギーの開発は必要不可欠です。
今回の金融崩壊を機に、アメリカが消費一辺倒の経済に別れを告げ、
環境ビジネスといる次世代産業を育成する事は、
ある意味歓迎すべき事かもしれません。


■環境ビジネスの成功要因

環境ビジネスが成功する為に何が必要でしょうか?
それは、環境ビジネスに投資を呼び込み、
「環境バブル」を出現させる事です。

では、誰が環境ビジネスに投資するのでしょうか。
投資するからには、リターンを期待します。
環境ビジネスが生み出すリターンとは何でしょうか?
それは、そのビジネスで利益が出る事に他なりません。

環境ビジネスは大別すると2つに分けられます。

①エネルギー消費の削減・・・いわゆる省エネです。
②代替エネルギーの開発・・・バイオマス、自然エネルギー、燃料電池、核融合

この2つが実質的な価値を生み出すには、
超えなければならない技術的なハードルがあります。


■省エネ技術の関門

省エネ技術にはいろいろあります。

例えば、白熱電球を蛍光灯に変える、
さらにはLED光源に変えという方法は簡単で実効力があります。
古い生産設備や火力発電所を最新の物に変える方法もあります。
家庭の給湯や暖房設備の高効率化や、住宅の断熱化も省エネに繋がります。
ハイブリット車なども、捨てていた運動エネルギーを再回収するので省エネです。

これらの省エネ技術に設備投資する為には、
「削減されたエネルギーコストで、設備投資のイニシャルコストを賄える事」
が重要になります。
さらに、出来れば損益分岐が短い事が、投資を促進します。

その為には、次のような条件が発生します。

①削減されるエネルギー量が大きい・・・優れた省エネ技術である事
②設備投資の価格が適正である事・・・・イニシャルコストの低減
③エネルギーコストの単価が高い事・・・ランニングコストの上昇が損益分岐を早める

現在の様に、原油価格が低迷している状態は、
省エネ技術に投資を呼び込むのは不利な状態です。
 
■代替エネルギー導入の関門

代替エネルギー導入の為には、2つの事が重要になります。

①代替エネルギーのコストが、既存エネルギーのコストに近い事
②二酸化炭素の排出量が既存エネルギーより低い事

例えば、バイオエタノールは原油高騰の時にはブームとなりましたが、
原油価格が下落した現在は創業を停止する工場が続出しています。

そもそもバイオエタノールでは二酸化炭素は削減されません。
なぜなら、トウモロコシは生長過程で二酸化炭素を吸収しますが、
バイオエタノールを使用した時点で二酸化炭素を発生します。
又、捨てられる茎や葉を燃やしたり、生物が分解した時点で二酸化炭素が発生します。
トウモロコシだけを見れば、カーボンニュートラルと言えますが、
トウモロコシの生産と運送、工場の建設と創業にエネルギーを消費しますから、
1の石油を投入して、1のエネルギーを得られなければ、
二酸化炭素の排出量はむしろ増大してしまいます。
トウモロコシ生産で農業機械や肥料生産に
既にバイオエタノールで得られるエネルギーを消費するという説もあり、
トウモロコシ原料のバイオエタノールは初めから代替エネルギーとしては破綻しています。

バイオマスのエネルギーが二酸化炭素削減に貢献するとすれば、
生ゴミや建築廃材などを発酵させて燃料化する事ですが、
工場にこれらの原料を運んでエネルギー化するよりも
直接燃やして熱を吸収する方が、圧倒的に効率が高くなります。

風力や太陽光といった自然エネルギーは、
「薄く広く分布するエネルギーを、効率悪く回収する」訳ですから、
太陽電池や風力発電機やその蓄電設備を製造するエネルギーを
回収する事すら非常に難しい状況です。
補助金を投入して初めて、設備投資を促す事が出来ます。
それでも、発電コストは石油に追いつきません。
これらの自然エネルギーは、インフラ(電線)と整わない僻地に適しています。

このように、現代の技術での代替エネルギーはコスト高で
さらには二酸化炭素排出量も石油利用よりも増大してしまいます。


■環境ビジネスの魅力度

環境ビジネスを他の視点から考えて見ましょう。
たとえば、人がお金を払うのは、「儲かる時」と「見栄を張る」時です。
ファッションは地球環境には貢献しませんし、再生産性も乏しいので
完全なる消費と捕らえる事が出来ますが、
人は「見栄を張る」ためにファッションに投資します。
見返りは「満足感」です。
飲食も同じ、不動産やレジャーも同様で、人々は好んで投資します。

それでは環境ビジネスは「満足感」を与えてくれるでしょうか?
「この電気は太陽光発電でクリーンなんだ」と喜ぶ人はかなり奇特な人です。
経済は好調の時には、このような人もいるでしょうが、
結局、省エネや環境が「楽しみ」や「目的」とならない限り、
個人のレベルでの積極的な投資はあり得ません。
「省エネ」=「カッコイイ」だから「モテル」なんて図式が確立したら
世の男どもま真冬に冷水のシャワーだって浴びるでしょうが・・・・。

「節約」や「我慢」を強要する環境問題は、
人間の「欲求」とは正反対のベクトルを示しています。


■技術革新の可能性

ただ稀に技術革新が「省エネ」と「満足」を両立させます。
例えばコンピューターのCPUが好例です。
ペンティアム4までは、高速化は消費エネルギーの増大化を伴っていました。
しかし、マルチコア世代のCPUは性能は向上しながらも
消費電力は200Wクラスから、50W程度に下がっています。
集積化の技術も省資源化に貢献しています。
このように、黎明期の技術においては、
技術革新が省エネに結び付く事があります。

それでは、車はどうでしょうか。
内燃機関の効率は多分今後飛躍的に向上する事は無いでしょう。
後はハイブリット技術と、燃料電池、バイオ燃料ですが、
水素もバイオ燃料も製造時に既にエネルギー収支がマイナスなる可能性が高いです。
ハイブリットは無駄な運動エネルギーを回収しているので
有効な技術ですが、多分、補助金無しでのコスト比較では
ハイブリットで節約したエネルギー価格と、
ハイブリット化による価格上昇は釣り合いません。
蓄電池に用いられるリチウムが高騰すれば、
この差はさらに埋めがたいものとなります。

むしろ、情報化社会の発達によって、
人の移動の必要性が無くなる方が、圧倒的に省エネに貢献します。
例えば、バーチャルリアリティー技術の飛躍的進歩は
バーチャル会議だけでなく、旅行のバーチャル体験を生み出すかもしれません。
googleのストリート・ビューはすでにその先駆けとなっています。


■環境ビジネスは成功するか

結局、既存の技術やライフスタイルは資源消費型ですから
この延長線上の環境ビジネスは原油価格に高騰を抜きにしては
成功しないのではないでしょうか。

むしろ、IT化の促進やバーチャル技術の飛躍的進歩の方が
低消費型社会を実現して行くのでしょうか。

誰もが三ツ星レストランの料理を実際に食べられる訳ではありませんが、
感覚器官や脳の認識構造の解明は、バーチャルな三ツ星レストランの体験を
可能にするかもせいれません。
世界の全人口が贅沢な生活をすれば、地球は破滅しますが、
世界の全人類が擬似的な贅沢を安いコストで体験できれば、
格差是正と地球環境の保全が両立します。

なんだか話がSFじみてしまいましたが、
すでに部屋に引きこもってインターネットに没入している若者は
次世代の世界の住人かもしれません。

温暖化の真実が明るみに・・・

2008-12-04 13:49:00 | 温暖化問題
前回に続いて無責任な時事ネタをもう一つ。

■世界経済の失速と温暖化

半年前までは原油高、エネルギー危機なんて騒いでいたのに、
原油価格は1/3になっています。
バイオエタノール需要で高騰していたトウモロコシも1/3に。

これだけ世界経済の先行きが怪しい状態になると、
投機マネーも一気に市場から消えてしましました。

さて、このまま世界が不景気に突入すると明らかになる事があります。
「二酸化炭素による温暖化問題」です。
景気の悪化は石油の消費量にダイレクトに影響を与えます。
その結果、二酸化炭素の排出量も減少傾向になるはずです。

それでは地球の温暖化は止まるのでしょうか?


もし、二酸化炭素が温暖化の主原因なら、
二酸化炭素の排出量の減少を反映して、気温は下がるでしょう。

もし、地球や太陽のダイナミックな活動周期が温暖化の原因であるならば、
二酸化炭素の排出量に関係無く、温暖化は進んでいくでしょう。

しかし、第3の可能性も考えられます。
既に昨年の世界の平均気温が低下したように、
現在、太陽の黒点周期が活動低下時期を迎えており、
それを反映して今後数年間、地球の平均気温が低下に転ずる可能性です。
この場合は、温暖化の議論に結論を付ける事は難しくなります。
二酸化炭素排出量が減ったから、気温の低下が起きたと主張する事も出来ます。

しかし、アメリカ発の金融崩壊により世界経済が減速した時点で
温暖化問題には既に終止符が打たれたと言って良いでしょう。

■京都議定書の目的

温暖化問題の最大の目的は、日本やアメリカ経済発展を
ヨーロッパ諸国が阻害する事にあったと私は考えています。
京都議定書を批准した国の中で、削減義務を負っているのは日本だけです。
アメリカは批准していませんし、カナダもオーストラリアも
実現不可能なので脱退しています。
ヨーロッパやロシアは京都議定書のトリックで、削減義務を負うどころか
排出権を売る側になっています。

その後、サミット等でアメリカを含め、
二酸化炭素の削減に一応前向きな姿勢を見せ始めたのは
インドや中国などの新興工業国の二酸化炭素排出量が急増した事と
それらの国々の急激な経済発展を牽制する目的があったのでしょうが、
「50年後に二酸化炭素の排出量を現在の1/2にする」という目標は
「50年後の事なんて知った事ではない」という無責任さが透けてみえます。
そもそも中国やインドを初めとしたBRICS諸国の経済発展を指摘して
有力な投資先に仕立て上げたのはアメリカのゴールドマンサックスです。

既存の産業の競争力を失った先進諸国が、
「環境技術」を新たなビジネスチャンスと捕らえた事も事実です。
温暖化対策の旗振り役であるアル・ゴア前アメリカ副大統領は
明らかに、「環境ビジネス」を新産業として育成する目的を持っていました。
これは、オバマ次期大統領の「グリーン・ニューディール政策」として復活しています。

ヨーロッパなどはさらに「二酸化炭素の排出権取引」という
サプライムローンにも匹敵する詐欺商売を始めました。
(二酸化炭素排出権を売買しても二酸化炭素はい1gも減りません。
 正に、二酸化炭素排出権の証券化以外の何物でも無い。)


■世界不況と温暖化ビジネスの行方

ところが、世界経済が、いざ減速に転じると
もはや今後5年は立ち直りそうにないアメリカの代わりに、
BRICS諸国の経済発展に、世界の期待が一気に集まります。
当然、二酸化炭素削減をこれらの国に強要する事は、
世界経済の発展を阻害する事になりますから、
国際的には温暖化問題は棚上げの状態になるはずです。

オバマ次期アメリカ大統領は環境技術開発を
「グリーン・ニューデール政策」として、
景気回復の糸口にしたいようですが、
既に日本国内でも省エネ投資が急速に鈍化している事実からも、
コスト高(エネルギー消費も実際には上昇してしまう)の省エネ技術にお金を払う程、
世界は豊かでは無くなっているのが実態でしょう。
もし、アメリカが省エネ技術の輸入を強制しても、
中国もインドも簡単にはお金を払わないでしょう。
既に、世界経済はその余力を失っているのだから。

では、国内的にはどうかというと、
原油価格や電力価格が低下が転じ、
企業の業績悪化から設備投資の余力が削がれた今、
投資に見合うコスト削減効果が得られない、
省エネ投資が鈍化するのは明白です。

ただ、日本の行政は柔軟性に欠けますから、
法制化された二酸化炭素削減義務を企業が免れる事は、
二酸化炭素問題に決着が付くまで難しいと思われます。

しかし、これとて、経団連を始め産業界が新しい「ビジネス」として
省エネ・ビジネスに期待していただけであって、
メリットが少ないとなれば、何らかの対抗処置を打ってくるはずです。

先日、朝日新聞に温暖化への懐疑的記事が掲載されたようですが、
二酸化炭素問題が経済の足枷となると明確化した時点で、
一気にこのような記事や論調が噴出して来るでしょう。
後は、省エネ利権を手にした省庁や業界と、
省エネでデメリットが生じる業界との力関係で決着すると思われます。

さて、二酸化炭素問題はどうなるのでしょうか?
アメリカが「グリーン・ニューディール」政策に本腰を入れれば、
「罪の無い二酸化炭素」を悪者にして、
世界的な「環境ビジネス・バブル」が起きるかもしれませんが、
今の経済状況ではたしてそれが可能かどうか・・。