■ ワクチン接種の義務化に対してワクチン反対派が暴徒化したフランス ■
<訂正>
デモと暴動の動画を貼っていましたが、デモ隊の服装が真冬の恰好だったので、この動画はイエローベストの時のものですね。コロナワクチンの暴動というタイトルでネットに上がっていたので、私も騙されました。ワクチンのデモは、もう少し平和的で、一部で警官隊に投石が発生している程度との事です。訂正してお詫びします。
フランスでは医療機関と高齢者施設で働く人々にワクチン接種を義務付け、遊園地やコンサート会場、レストランやショッピングセンターで、それぞれワクチンを接種した証明や検査による陰性証明の提示を義務づける方針を示しました。長距離移動でも同様の証明書の提示が求められる様です。
これに対して、ワクチン接種の義務化に反対する人達がデモを起こし、一部が暴徒化して警官隊に投石したり、放火をしたりしています。
フランスは元々、日本と並ぶ「ワクチン嫌い」の国ですが、新型コロナワクチンの接種率は54.8%(1回接種を含む)と半数以上の国民がワクチンを接種しています。

フランスのワクチン接種状況(7/15まで)
■ ワクチン接種が6割に達すると接種が進まなくなる ■
上のフランスの接種グラフからも分かる様にワクチン接種は鈍化しています。どこの国でもワクチン接種が6割に達すると接種が横ばいになる傾向が見られる様です。欧米では新型コロナウイルスの死者は日本の20倍程度(人口比)ですから、日本など比べ物にならない程コロナウイルスは脅威ですが、それでも4割の人がワクチンを拒絶する傾向がある。

アメリカのワクチン接種状況(7/15まで)
アメリカも同様で、東京オリンピックの取材で大挙して入国したアメリカの取材スタッフの約半数がワクチン未接種の様です。これはアメリカ国内の接種状況をほぼ反映しています。
マクロン大統領が今回打ち出した「長距離移動での証明書の提示」はバカンスシーズンを意識したものですが、「バカンスを楽しみたいならばワクチンを打て」という圧力とも言えます。
■ ワクチン反対派は陰謀論者? ■
この様な「ワクチンの義務化」に対して、ワクチン接種に反対する人達がデモを起こし、一部暴徒化した。映像を見る限り、若い方が多く、それ程裕福そうにも見えません。世界的に「ワクチン反対派=陰謀論者」というレッテル貼りが行われていますが、これはあながち間違いではありません。
トランプ大統領以降、陰謀論は若者や貧困層を中心に拡大を続けています。ネットの「噂」が拡大再生産される形で広がり続けています。貧困層は「自分達が貧しいのは金持ちや政府が搾取しているからだ」というルサンチマンが在ります(間違いではありませんが)。このルサンチマンと陰謀論は非常に親和性が高い。
「ワクチンは世界政府の人口削減計画」という噂は陰謀論界隈では10年以上前から広まっていましたが、新型コロナワクチンはまさに「陰謀論の筋書き通り」に進行している様に見えます。
一方で表のメディアや各国政府は、「反コロナはバカな陰謀論の妄想」というレッテル貼りで、科学的、統計的知識に裏付けされた「正当なワクチン懐疑論」までも「ウソ」として排斥しています。
■ ワクチン推進派と反ワクチン派で二分される世界 ■
日本人は同調圧力に弱いので反ワクチンの方でも、職場などで接種を半ば強制されればワクチンを接種される方が殆どでしょう。しかし、アメリカでは医療スタッフや消防士や介護職でも5割の人はワクチンを拒絶しています。
この様なワクチンを打たない人々に対して、世界の国々では「ワクチン義務化」の動きが出ています。医療スタッフや介護施設職員がメインですが、段々と拡大して行くでしょう。
ワクチン接種の圧力が高まる中で、反ワクチン派の一部は暴徒化します。フランスだけで無くギリシャでもデモが発生しています。
自由を重んじる欧米の国々では、ワクチン接種者でもワクチンを打ちたく無い人達への理解は高い。しかし、反ワクチン派の反抗が過激化すると、ワクチンを接種した人の中から、「お前らがワクチンを打たないからコロナ禍が収束しないんだ」という反感が生まれます。現にメディアはその様に誘導しています。
こうして、世界はだんだんとワクチンを接種した人と、ワクチンを接種していない人に2文化されて行き、その対立は深まるでしょう。
■ 日本はこれから対立が深まる? ■

日本のワクチン接種状況(7/15)
高齢者を中心に急ピッチでワクチン接種が進んだ日本の接種率は32.4%(一回接種含む)です。未だ接種率が鈍化すると思われる6割接種には遠い。
60才以上の方が1回目接種が終わった感じで、職域接種以外では、50代以下の接種は8月に入ってから本格化するでしょう。ワクチンの供給も不足気味なので、接種率6割に達するのは10月頃かも知れません。
一方、デルタ株に対して従来ワクチンの感染予防効果が25%程度しか無い事が分かっり始めました。重症予防効果も予想されていたよりも低い様です。
「ワクチンを接種しても感染する」事が知れ渡り始めると、ワクチン懐疑派は増えるはずです。職域接種などで若い人の副反応をリアルで見聞きし、ワクチン接種後の死者の報道などが増えるので当然の反応です。
職場などでも「若いヤツラが調子に乗ってワクチンも打たないのに感染している」という声がチラホラ聞こえますが、コロナ禍の収束が長引けば長引く程、ワクチン接種者の非接種者への反感は高まります。メディアも意図的に誘導します。
■ 抗体証明が必要になるかも知れない ■
職場などでもワクチン接種の圧力が高まると思いますが、これに対してワクチンを打ちたく無い人は何等かの「対抗手段」が必要になるかも知れません。
陰性証明書はその一つですが、日々感染リスクがある中で、効果は短期的です。毎週提出しろなどと言われたら、負担もバカになりません。
一部医療機関ではコロナのスパイクタンパク質に対しる抗体検査をしている様ですが、こちらの方が有効でしょう。但し、コロナに感染して居なければ抗体は出来ない事になっているので、「お前コロナに罹っていたのかよ!!」というお叱りを受ける可能性も高い。
何れにしても、何等かの対抗策を講じておかないと、「ワクチンを打たないヤツは陰謀論に脳を冒された危険なヤツ」というレッテル貼りをされ、職場で居心地が悪くなる可能性が高い。