ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ドイツの町

2013年04月06日 | ドイツ/オーストリア

 街の字には、都会的な雰囲気を漂わすイメージがある一方、村よりは少し大きいイメージの町、その町の字が似合う国がある。
 中公新書に、「ドイツ 町から町へ」(池内紀著/中央公論新社刊)という本があって、著者は前書きで、そのようなことを書いている。

 少し引用すると、“ ドイツの町には驚くほど個性がある。通りや建物、広場から民家の屋根や壁の色、窓のつくり、土地ごとにはっきりとした様式がある。(中略)歴史的な背景があってのことだ。現在もそうである。法律が自治権を保障している。国家に預けず商業主義に売り渡さない ” と書く。

 引用したこの一章が、この国のかたちを上手く表している。
 そのドイツ連邦共和国なる外(と)つ国、首都ベルリンでさえ350万人、ベルリンと並ぶ特別市のハンブルクが170万人、南部バイエルンの州都ミユンヘンで130万人に過ぎない。

 Book_2_2 Frankfurt_am_main Dresden

 ♪ フランクフルト・アム・マイン(中)とドレスデン(右)です
 ♪ どちらも、町の中心を流れる川があって、大阪・中ノ島公園に少し雰囲気が似ています

 ライン川畔のケルンが100万人に近いが、日系企業が多く進出するデュッセルドルフ、空の玄関フランクフルト、旧東ドイツの中核都市ドレスデンですら50万人を僅かに超す程度。

 著者は、“ リューベック、ブレーメン、フルダ・・・、何れも古い歴史をもつ町だ。わが国の尺度でいうと中都市あるいは小都市にあたる。別に好んで町の規模を競うなど愚かしい。人間的尺度に応じた大きさ、あるいは小ささがいいのである。それをこえると快適さを失うだけではなく、都市が人間を困惑させ時には威嚇してくる。そのことを人々はよく知っている ” と続けている。

 Aachen Kassel_2 Potsdam

 ♪ ゲルマン民族の最初の国の首都だったアーヘン(左)
 ♪ グリム兄弟ゆかりのカッセル(中)、そして、日本への降伏宣言を決めたポツダム
(右)
 ♪ 訪れた季節は違いますが、どの町も森に囲まれ川が流れる美しい町でした

 まわりくどくなったが、情熱の国スペインは<トレド>にエル・グレコを訪ね終えた 《ペトロとカタリナの旅》、さて、次なるはと思案、個性豊かな町とそこに暮す人々が、その地方の文化を守り育てているドイツへと思い至った次第。

 で、今回は、トレドの旅でグレコの傑作「聖衣剥奪」でちょっと顔を出したミュンヘンの<アルテ・ピナコテーク>へと出掛けることにした。例によって、待降節で賑わうニュルンベルクなど、個性ある町へ道草をしながら。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.595

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