ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント(4)「自画像」

2018年02月13日 |  ∟ベネルクスの美術館

 ※ オランダ ‐ アムステルダム/ライクスミュージアム編(8)‐ ベネルクス美術館絵画名作選(16)

 レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)ほど自画像の多い画家はいないとされている。
 単独画としては、油彩だけで56点、サスキアと二人で描いたもの、聖書物語に自身をなぞらえたもの、さらにエッチング、素描を加えると100点近く現存するという。

 1624年、アムステルダムのピーテル・ラストマンのもとで半年間の修行を終えた彼はライデンに戻り、同郷の画家ヤン・リーフェンスと共同でアトリエを構えた。

 その頃に知ったとされるバロックの奇才カラヴァッジョ(1573-1610)の影響が強いこれらの作品、鏡を睨みながら自分の顔を描いたのだろう。

     

   §「1627年の自画像」(左/24×17cm/カッセル国立美術館蔵)
   §1628年の自画像」(/23×19cm/アムステルダム国立美術館蔵
   §「1629年の自画像」(右/16×13cm/ミュンヘン/アルテ・ピナコテーク蔵)

 乱れた髪の影を顔の半分に落とした明暗対比によって紡ぎ出された彼の表情には、二十歳過ぎの若き画家のたぎる野望を持て余すかのような、心の動き、葛藤も見て取れる。

 私的(習作)に描かれたこれら作品では、巻き毛にあたる光を表現するために、木製の筆の柄の先端でキャンバスをひっかくなど、独創的なテクニックを使った自由な表現がなされたという。

 習作と言うこともあってか原題は全作品「Self - portrait」といたって素っ気ないが、勝手にタイトルに制作年を冠した。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1506

 ※ 小編は、2017-11 に投稿した記事をリライト、再投稿したものです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レンブラント(3)「聖ペト... | トップ | 灰の水曜日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

 ∟ベネルクスの美術館」カテゴリの最新記事