ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ラファエロ ‐ アルテ・マイスター(12)

2016年04月15日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ/ドレスデン国立美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(18)

 盛期ルネッサンスの巨人ラファエロ・サンツィオ(1483-1520)。

 その彼の 「サン・シストの聖母」、別名 「聖会話 システィーナの聖母」が、ドレスデン国立美術館 アルテ・マイスター最後の作品。

 本作は、画業として晩年になる1514年頃、教皇ユリウス2世の注文に応じて、教皇の故郷イタリアのピアツェンツァにあるサン・シスト聖堂の祭壇画として描かれ、その後、ドレスデンに移されたとされている。

 画面向かって左手、初期ローマ教会で崇拝されていた殉教者のひとり聖シクトゥスが、聖母マリアの顕示に感動を示すかのように、仰ぎ見るポーズで描かれている。

 一方、右手には十四救難聖人のひとりである処女聖人バルバラが恭順を示し、下方に視線を投げかけている。

 ちなみに十四救難聖人とは、危急の際に信者がその名を呼ぶことで難を救ってくれるとされるカトリックの諸聖人のこと。
 出産、悪魔からの逃亡のアンテオキアのマルガリータ、急死の<アレクサンドリアのカタリナ>などが配されてい、バルバラは発熱と急死とか。

 半開の幕間、光の中から聖母子が現れるという神秘的な幻想と人間の理想の融合ともいうべき作品と評価されている。
 当時の墓碑をイメージするというその幕、発注者の教皇ユリウス2世の墓碑に掲げる為、とする説もあるようだ。

 ※ カタリナの独り言
 ラファエロが多く手がけた他の<聖母子画>と比べ、聖母マリアの表情の趣が少し違う
 それに、キリストも自信溢れる顔ではなく、何か話しかけてくるような憂いのある目と口元が秀逸、思っていた以上に大きな作品を前に、そんなふうに思った (

 また、退屈そうな表情を浮かべ無邪気に見上げる天使があどけなく、本作で示される宗教的な主張とはまた別の癒しを与えてくれるのである。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1120

 ※ 「ジョルジョーネ ‐ アルテ・マイスター(11)」へは、<コチラ>からも入れます。


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