ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

クラナハ 「ルクレツィア」

2017年06月21日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (21) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (73)

 ドイツ・ルネサンス期に活躍したルーカス・クラナハ(1472-1553)、エロティックな表現を用いた<アダムとエヴァ>などの裸体画を数多く描いたことで知られている。

 その彼が、貞淑な妻として多くの文学・美術作品の主題となっている古代ローマのある物語を描いた 「ルクレツィア」(1533年)、このところまた長くなっているので短く書く。

 漆黒の闇を背景に短剣を胸に当てている本作、彼独特の<構図>で描かれている。

 古代ローマにおける補充執政官トリキピティヌスの娘ルクレツィアは、夫コッラティヌスが戦場へ出た留守中に、彼女に横恋慕したスペルブス王の息子セクストゥスに剣で脅され陵辱されてしまう。

 セクストゥスの去った後ルクレツィアは、ウァレリウスを伴った父、ブルトゥスを伴って駆けつけた夫の四人の前ですべてを告白、復讐を誓わせると短剣で自らの命を絶つという悲劇の物語がテーマになっている。

 付け加えるならば、復讐を誓った男たちは民衆に呼び掛け、王家はローマから追放されてしまう。
 四人は、その後成立した共和政ローマの最初の執政官や補充執政官に就任する、が、何れも伝承の域を出ていないという。

 例によってクラナハ、題名も同じ 「ルクレツィア」、<アルテ・ピナコテーク収蔵版>(1524年)、<ウィーン美術アカデミー収蔵版>(1532年)を描いている。

 レンブラント(1606-1669)も 「<ルクレツィアの最期>」(DC・ナショナル・ギャラリー蔵)を描いているが、クラナハのそれとは随分と趣が異なっている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1331


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