ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント ‐ 美術史美術館(1)

2016年04月25日 |  ∟オーストリアの美術館

 ※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(19

 ウィーン美術史美術館の旅、大ブリューゲル(1525-1569/フランドル/ルネッサンス後期)の前に、ブリューゲルとともに美術館が誇る北方の名画三作品から出発する。

 オランダ絵画黄金期をフェルメール(1632-1675)と共に担い、光と影の魔術師とも称されたレンブラント・ファン・レイン(1606-1669)の 「大自画像」、もしくは 「自画像 ‐ 職人の装い」が最初の作品。

 宗教画や神話画などで17世紀のオランダ画壇で華やかに活躍したレンブラント、<世界三大集団肖像画>とされる 「夜警」(アムステルダム国立美術館蔵)などで知られているが、自分自身とも対話し続けた自画像の画家でもあって、それは他の画家と比べても際立って多く、素描も含め100点以上にのぼるという。

 彼は20代から30代にかけて秀作を次々と発表、高い評価と対価を得るが、36歳の時、愛妻サスキアの死を境にその画業に陰が差し始め、加えて放蕩な暮らしの果て50歳で破産、不遇の晩年を過ごした。

 本作は、その破産の数年前、46歳の時に描かれたとされている。

 顔にあてられたスポットが、虚飾を捨てた初老の男の苦悩を浮かび上がらせ、じっと見つめてくる視線に(下/部分)に取り込まれそうになる。

 当時のアムステルダムにあって本作は、“ 絵画が目に映るだけのものではなく、人間の魂、苦悩をも表現し得るものであることを証明した ” とも評されている。

 レンブラントの卓越した洞察力と明暗対比を駆使した技法が、男の深い孤独と悲劇を写し出し、見る者を捉えて離さない、そんなふうに思った。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1124

 ※ 「続・中欧の美術館を訪ねて」へは、<コチラ>からも入れます。


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