ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ブリューゲル(10) ‐ 美術史美術館(29)

2016年10月05日 |  ∟オーストリアの美術館

 ※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(47)

 ブリューゲル(1525-1569)に、一年の各月を描いた月暦図がある。
 その連作で、四季の移り変わりのなかで自然とともに働き暮らす人々の様子をつぶさに描いている。

 月暦図とするならば十二点ある筈だが、現存するのは、今のところ五点のみとされている。
 そのことから、元から隔月暦図、六点だったとする説もあって、現在ではその説が有力のようだ。

 その最初は、彼のすべての作品の中でも傑作のひとつとされる 「雪景色の狩人たち」(1565年/117×162㎝)、単に 「雪中の狩人」とも呼ばれている。

 農作業ができない冬期(12月/1月)の農民たちの狩猟の風景を余すところなく描いている。
 犬を引き連れ村に帰ってきた狩人たち、不猟だったのか押し黙っているであろうことを窺わせる後ろ姿は、それだけでこの地方の冬の厳しさを物語っている。

 数羽のカラスや片方が外れた看板が侘しさを募らせるものの、火を焚き開店の準備をする人や遠景の凍てついた池で遊びに興じる人々もいて、雪に閉ざされた長い冬を過ごす喜びも謳っている。

 彼の作品収蔵を誇る美術史美術館、この月暦図を三点も所蔵しているのは流石と言えば流石、残りを二回に分けて投稿、然(さ)しものブリューゲルも漸くゴールが見えてきた、で、少し先を急ぎたいと思う。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1194

 ※ 「美術史美術館(28) ‐ ブリューゲル(9)」へは、<コチラ>からも入れます。


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