ジョン・マン第3作望郷編を読みました。てっきりニューベッドフォードから話が始まるかと思ったら、土佐国中ノ浜からでした。行方不明になった5人を送り出した徳右衛門は、1人だけ5人の生還を信じ願掛けに明け暮れる毎日。それにしても、目と鼻の先の室戸岬を通過しているのに、ハウランド号から下りることができないのは何とも酷な話です。そこで見た津呂組の鯨漁は、ハウランド号の乗組員には衝撃的だったことでしょう。マッコウクジラの背中に登った話は、脚色しすぎのような気がしますが。その捕鯨シーンの他上陸での出来事、レイさんが船から落ちてからの救出物語、リオでの鯨油売却の駆け引き等山場がいくつもあり、今回も存分に楽しめました。ジョン・マンの名前の由来も出てきました。ジョンはジョン・ハウランド号から取ったもので、マンは万次郎です。海の小説だけに、取り舵と面舵が出てきますが、聞き慣れた言葉にも関わらず、どちらに曲がるのか知らない人が多いのでは。取り舵が左で、面舵が右です。次作は4作目になりますが、おそらく今年の12月になると思われます。
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