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「おまえなんか、生まなければよかった」 と、
誕生日に、母親から言われ、
11歳の少女・あすかは、衝撃のあまり、言葉を話せなくなってしまった・・・・
『ハッピーバースデー』(金の星社)はそんな、実話をもとに、
カウンセラーの青木和雄氏が書いた児童小説です。
今年になり、文芸書が発売され、たちまち大反響になり
児童書とあわせると100万部を突破し、
アニメ化、コミック化もされています。
【あらすじ】
実の母に「あなたなんか産まなければよかった」と言われ
深く傷ついたあすかは、声をなくしてしまう。
療養のために訪れた祖父母のもとで、人間の優しさに触れ、
また自然の営みに触れることにより、「命の意味」を学び
あすかは大きく成長する
○『ハッピーバースデー』文芸書版
母親からの精神的虐待で声を失う少女・あすかの物語
「ハッピーバースデー」。文芸書版は、
母・静代が娘を愛せない理由を丹念に追い、
静代のバックストーリーが明かされていきます。
心の闇を暴く新たなる人物の登場によって
静代はどう変わっていくのか。
原作とはまた違う涙を誘う感動作!
以下、『ハッピーバースデー』からの文章を見てみましょう。
あすかの視線を受けて、直人(兄)はふっと鼻で笑った。
「かけてもいいぜ。ママはさ、
おまえの誕生日のことなんか、すっかり忘れてるよ」
そういうと直人は、スプーンに山盛りにしたカレーを、
大きく開けた口の中におしこんだ。
口を動かしながらも、
直人は動揺するあすかのようすを楽しそうに見ている。
「そんなことないよ。ママは、あすかの誕生日を忘れたりしないよ」
細い指でのどをつまみながら、あすかはかすれた声でいった。
あすかの心は、悲しみやつらさでいっぱいになると、
焼けつくように痛みだす。息ができないほどに痛くなる。
心が痛くなると、いつのころからか、
あすかはのどをつまむようになった。
心の痛みがますにつれて、のどをつまむ力もだんだん強くなり、
あざができるほどだった。
それでも、心の痛みよりはずっとましだった。
あすかは、体に痛みを加えることで、
心の痛みを忘れようとした。
直人は、クックッとのどをならして笑った。
「おまえさ、算数のテスト、20点だったんだってな。
理科は12点だったけか。
おまけに授業はうわの空で、先生にしかられたそうじゃん。
そんなバカな子は、ママ、きらいだってさ。
あすかなんて、生まなきゃよかったっていってたぞ」
あすかの見開いた目に、みるみる涙があふれる。
あすかは、ふるえる手でグラスをつかむと、
直人の顔に、思いっきり水をかけた。
「何すんだよ。信じらんねえ、このタコ!」
不意をつかれてよけきれなかった直人は、
頭から水をかぶった。
あすかは、すばやく自分の部屋ににげこんだ。
胸をギュウとしぼられるような痛さに、
あすかののどから、犬の遠ぼえのようなうめきがあがる。
息苦しさに、気が遠くなりそうだった。
――おにいちゃんなんか、大っきらいなんだから……。
――ママが、あすかを生まなきゃよかったなんて、
いうはずないじゃない……。
――あすかだって、おにいちゃんとおんなじ、
パパとママの子だもの……。
――おにいちゃんなんか、死んじゃえばいいんだ……。
ドアの前に直人よけのバリケードを築きながら、
あすかは直人をのろった。
泣きながら、あすかはいつのまにか眠ってしまった。
深夜、ふと目ざめたあすかの耳に、直人とママの話し声が聞こえてきた。
「あいつにさ、水、ぶっかけられたんだよ」
「ひどいことするのね、あすかは。まったくどうしようもない子だわ」
お酒が入ったママの声は、ふだんよりずっと大きくかん高くなっている。
「ママがあすかの誕生日を忘れたからってさ、
なんで、ぼくが水をかけられなきゃいけないんだよ」
「あっ、そうか。きょうだったんだ。あすかの誕生日」
「やっぱり、忘れてた」
「だって忙しかったんだもの。
でもねえ、お誕生日をしてほしかったら、
あすかも努力すべきよ。直人くんみたいに、
お勉強もできていい子だったら、ママ、絶対に忘れないのに。
あすかは、何をやらしてもだめなのよね。
直人くんと比べて、何ひとつ、いいとこないんだもの。
ああ、あすかなんて、ほんとうに生まなきゃよかったなあ」
ママのことばに、あすかの心は、ひりひりと焼けつくように痛くなる。
――ママのいじわる……。
――ひどいよ、ママ……。
声に出していったつもりなのに、
かすれた息の音しかしなかった。
自分の耳にさえ届かない声のたよりなさに、
あすかの心は、不安と悲しみではりさけそうだった。
高鳴る心臓の鼓動に、降りだした雨の音が重なった。
あすかはベッドからおりて、そっと窓を開けた。
雨の香りがふわっと部屋にとびこんできた。
窓から身をのりだして、あすかは思いっきりさけんだ。
――助けて。
――だれか、あすかを助けて!!
あすかのさけびは、ただ小さな息となって、
6月の雨のスクリーンへ吸いこまれていった。
あすかは声をなくした。
さけびはだれにも届かない。
涙と雨にほおをぬ らして、あすかはふるえながら、
やみの中に立ちつくしていた。
子供を愛せない親
親を恨む子供・・・・
「生まなければよかった」と親は嘆き
「生まれてこなければよかった」と子供が泣く・・・・
悲しいことですが、このような関係は増える一方のようです。
だから、この本に共感を感じる人が多いのでしょう。
そこには根本的な「命の尊さ」が感じられず、
「命が薄く」なってしまっているように思います。
成績のよしあしで人の価値を判断してしまう社会が人をそうさせるのか、
成績のよしあしで価値を判断する人が集まった社会になっているのか。
児童虐待、少年の凶悪犯罪が後を絶たず、
「心の闇」という言葉もよく聞かれるようになりました。
学校の成績と、人間として「生きる意味」は、まったく別のものなのですが、
ハッキリとした「人生の目的」「命の尊さ」が分からず、
この問題が「闇の中」にあるから、それが「心の闇」という形で
あらわれてくるのではないでしょうか・・・・?
実は、私は、一番下の従妹を自殺で亡くしています。
二度とこの悲劇を繰り返したくないと一つの物語を描きました。
余命一カ月を告げられた愛する人のために
「死に対して自由な心」を探す哲学少女と
妹の自殺未遂をきっかけとして
「どうせ死ぬのになぜ生きる」
という大問題の答えを探し始めた青年の物語
です。
「死を教えぬ教育 弱い」
という見出しで、
日本の教育では死とは何かを教えない、
「この根本的な問題をないがしろにしたまま、今、道徳を
教科化しても、効果はないと思う」
と語っていました。
「死の準備教育」は死の恐怖を免れていると思われる若者にこそ必要とされ、
アメリカ・イギリス・ドイツでは小学生時代の比較的早い時期からおこなわれており、
日本における教育現場への導入の遅れが指摘されています。
この重要かつ難解な問題を、どうしたら分かりやすく伝えられるかに
ついて、私は26年学び、この度、一つの物語にしました。
実はこの物語にでてくるこの地図に、150もの哲学、思想が収まっています。
これだけ聞かれると、ちょっと難しいように感じられるかもしれませんが、基礎知識ゼロの
時計店で働く30代の女性を初め、多くの方から、試作品レベルでも
次のような分かりやすかったと好評をいただいています。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
とても解り易い話でした。
自分も生簀の魚と同じです。
生簀でずっと生きられない不安を抱えて
毎日生きているんですね。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
登場人物のその場の情景が目に映る様に描写されていて
まるでスクリーンを見ているようです。
特にシンイチのや妹の心の動きまでも
映像となって頭に浮かびます。
春の日記。(※登場人物が胸の内を綴って日記のことです)
まさに自分の事の様です。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
とても明快で解り易いです。
頭がすっきりしてきます。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
春奈さんの気持ち理解できます。
傍らに誰か居ても 一人孤独です。
自分の本当の心を誰にも話せない
理解し合えないのですから。
世間はナイフの林、傷付かない様に歩くのは
大変神経使います。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
簡単に解り易く書いてありますのでよくわかります。
哲学は事難しくこねくり回した無い様だとしか
記憶していませんでしたが、この様に簡潔だと理解し易いです。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
フライザイン、凄く良かったです!
毎日楽しく読ませていただきました。
とても深い内容でしたが分かりやすく書かれてあったので読みやすかったです。
忘れがちなこの問題から目を逸らさず、暗い森の出口へ向かって進んでいきたいと思います。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
物語の一部分だけあげてみますと、
* * *
「そなた、『フライザイン』を知っているか?」
突然、こんなことを聞かれるなんてありえない。お互い自己紹介すらしてないのに。
〈知らない。知ってるはずがない〉
誰だってそう思うだろう、九十九%以上。
でも、なぜか僕は知っていた、『フライザイン』は人類三千年の謎=しかも、どんな人にとっても一番大事な謎=を解く鍵、らしいことを。
全身に降りしきる雨を受け、悲鳴をあげる肺に手を当てよろめき走りながら、僕はこの衝撃の出会いを思い出していた。
同時に、わずか一カ月で最大の謎が解けた奇跡のような現実に身体を震わせている。僕は古今東西の英知を集めた『しあわせの地図』を手にしたんだ。この地図さえあれば、幸せの花を見つけられる……。
* * *
星空を見るのが好きだった私。
ある日、それは恐怖に変わった。
あまりにちっぽけな自分に気づいてしまったから。
大宇宙のチリにうごめく私。
いてもいなくても何も変わらない。
変わり映えのしない日常にあるのは、
支えきれない苦痛。
出どころ不明な不安。
なのに、
人は、なぜ生きるの?
ねえ、あなたは答えてくれますか?
どうせ死ぬのに、なぜ生きるの?
* * *
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では、物語の中でお会いしましょう(^-^)/
>「生まなければよかった」と親は嘆き「生まれてこなければよかった」と子供が泣く・・・・
何だか身につまされる言葉ですね。
心の奥底でそう思っている人は意外に多いはずです。
この世は地獄のような世の中で、でも生まれた以上は生きなければならない。
でも思うように生きられない。
愛せないのも愛されてこなかったから。
心の病を抱えている人は、単に精神科にかかっている人だけではないですよね。
皆どこかがおかしい。
皆どこかが狂っている。
それを見て見ぬ振りをしているだけ・・・。
この子が療養先で人の優しさに触れられた事は良かったですね。
そうでない人が多いでしょうから。
10ヶ月もの間、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で成長しますよね。自分の体の中にあるもう一つの命は、ものすごい自己主張します。「ここにいるよ!」と。それを母親が感じられないはずはないのに、どうしてこんな悲しい話が後を絶たないのでしょうね。同じ女性として理解ができません。
マスコミの取り上げ方にも問題があるようにもお思いますね。
やっぱり、こういうのってこれから
増えていくだけですよね(苦笑)。
今の生き方…考え方が蔓延っているかぎり…。
コメント有難うございます。
ブログ読ませてもらってますよ!
ホント、最後まで救いがない人が多いですよね。
何とかしたい!
●kikoさん
なぜこうなってしまうのでしょうね。
何とも悲しいです。
報道も大きく考え直さねばならない
時にきていると思いますね。
報道の自由の名のもとに社会を悪くしては
ならないです。
●Ashさん
そうですね、何か革命的なことでもおきない限り、この手の悲劇は増える一方でしょう。
おこしましょうか、レボリューション!!
自分の中のいろいろなものが主人公の
心と合わさって全部出てきたような気さえ
しました。
広告機構のCMで母親が子供を抱きしめるシーンありましたよね
ただ抱きしめるだけでいいのに、それをためらってしまう親子の関係ってすごく難しい気がします。
それはその母親こそが必要な愛情を受けてこなかったのではないだろうかという
そんな気さえしてしまいます。
愛につまづく子供が親になるとまた同じ
過ちを繰り返してしまうことがある
いかに子供への愛情のかけ方が必要かが
わかります
このつまづきの連鎖をなんとかしたいですよね。
出来る人が出来ることからやっていくしか
ないですね。
お互いガンバリマショウ!
虐待の連鎖、周囲の手助け、コミュニケーションの重要性…。さまざまな問題を提起している小説ですね。個人的には、登場人物の中でただ一人まだ闇から完全に抜け出ていない母親のことが気になります。
mokekekさんもコメントのなかでおっしゃっていますが、
母、静代のその後が気になりますね。
この本、ただ感動するだけではなく
ホントにいろいろと考えさせられるお話ですよね。
心の闇…簡単に癒せるものではないだけに、
しっかりと受け止める必要があるのかなあと感じます。
他のみなさんやぱんださんも書いている通り
この本はただ読み終わることはできませんよね。
必ず読みながら何かを考えさせられました。
哲学ブログ、深いですね。
あと記事の最初にある写真はご自分て撮られて
いらっしゃるのでしょうか?
すごくきれいで素敵だと思います。