尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

「杉山平一全集(上)」

2006年02月14日 12時31分12秒 | 読書記録
厚さ5センチ以上もある辞書のような氏の詩業を
一週間かけて丁寧に読ませていただいた。
あまりの本の大きさに、駅のベンチで読んでいるとき、
何の本ですか、と美しい女性に声をかけられ、
久しぶりに鼻の下をのばしたこともあった。

僕たちがほとんど失ってしまった日本とその時代が
杉山さんが歩まれた人生と共に、そこにあった。
確かにこの本に、缶詰のように閉じこめてあった。

ほんの、さわりだけを…

辞書の中に迷いこんで
行きつけないで
よその家へ上がりこんで
紅茶をのんで帰ってきた
  
   (「辞書」より)

あなたも、この辞書のような詩集を読んで
美人のお家で、紅茶をのんで帰りましょう。


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2 コメント

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Unknown (アドリアナI)
2006-02-15 23:54:15
鼻の下を伸ばしているまことさんを想像しました。まあ!って。杉山先生の詩は、等身大だよね。押しつけがましくなくて、無理もしてなくて、気取らない。講演をお聞きすると、とても面白いよ。笑わせながら、ポイントを外さない。非常に頭のいい方だと思います。先生のエッセイで心に残っているのは、デパートのことを書いたもの。何で一階にアクセサリー売り場や化粧品売り場があるのか、それは人間が夢を求めているからだ、と書いてあった。そんなことを思い出しました。では、おやすみなさい!
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Unknown (まこと)
2006-02-17 09:39:03
ほんとだといいんですが、

美人のお話は作り話だからね。

でも、同年代のおじさんに話しかけられました。

ずっと前に、杉山先生の詩論集みたいな本を図書館から借りてよんだことがあります。

詩も映画と同じくショットの積み重ねみたいなことが

書いてありました。

その意味で、現在書かれている詩の多くは、フレームが雑かも知れません。

嘆かれていると思います。
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