「時の神様」
白い昼下がり
噴水が不整脈のリズムで噴き上げている
ママの甘い声もする
しかし、時の神様は眠りこけている
命を刈り取る大きな鎌の刃を枕にして
そのかわり子供たちが彼の周りを
狂った日時計のように駆けまわっている
白い昼下がり
噴水が不整脈のリズムで噴き上げている
ママの甘い声もする
しかし、時の神様は眠りこけている
命を刈り取る大きな鎌の刃を枕にして
そのかわり子供たちが彼の周りを
狂った日時計のように駆けまわっている
人間、ひとりひとりは、
自分としても、あるいは他人としても、実はたいへん重いものである。
はっきり、人が計るに人は重たすぎるのだ。
重たい自分を薄くして軽くして交わるのも、われわれの時代を生き抜くための、
もっとも大切な作法の一つであるのだろう。
ある瞬間、われわれが映画の写像よりもっと虚ろに見えたとしても、
それはそれで、それぞれ個々のため息のような通時的決断が、その時その場の一点で集合し現れたところの共時的結果なのである。
自分としても、あるいは他人としても、実はたいへん重いものである。
はっきり、人が計るに人は重たすぎるのだ。
重たい自分を薄くして軽くして交わるのも、われわれの時代を生き抜くための、
もっとも大切な作法の一つであるのだろう。
ある瞬間、われわれが映画の写像よりもっと虚ろに見えたとしても、
それはそれで、それぞれ個々のため息のような通時的決断が、その時その場の一点で集合し現れたところの共時的結果なのである。
まわるまわるまわる
日も月も星も季節も
まわるまわるまわる
楽しい日々も悲しい日々も
まわるまわるまわる
わたしを愛したあのひとも
わたしを忘れたあのひとも
まわれまわれまわれ
わたしの自転車
わたしの地球
日も月も星も季節も
まわるまわるまわる
楽しい日々も悲しい日々も
まわるまわるまわる
わたしを愛したあのひとも
わたしを忘れたあのひとも
まわれまわれまわれ
わたしの自転車
わたしの地球
本日はフォトピアの皆さんと、淀川河川敷を歩きました。
地下鉄西中島南方でおり、淀川沿いに阪急十三駅まで歩きながら撮影しました。
梅田からふた駅目で、こんなあけっぴろげな空間に出られたことが、驚異でした。
地下鉄西中島南方でおり、淀川沿いに阪急十三駅まで歩きながら撮影しました。
梅田からふた駅目で、こんなあけっぴろげな空間に出られたことが、驚異でした。
「カメラ・オブスキュラ」
僕のからだには
小さな穴
がひとつ開いていて
虹色の光
さしこんでいる
たとえば鬼の消えてゆく
一本の楠木の年輪のまんなかに
たとえばくりっとひっくり返された
冷たい蒼い空の裏庭に
僕はゆっくり思いだす
詩は何かではなく
誰かである、と
僕のからだには
小さな穴
がひとつ開いていて
虹色の光
さしこんでいる
たとえば鬼の消えてゆく
一本の楠木の年輪のまんなかに
たとえばくりっとひっくり返された
冷たい蒼い空の裏庭に
僕はゆっくり思いだす
詩は何かではなく
誰かである、と
わき目もふらず
一本の細い
ひとりごとの上を歩いている
遠くのほうでは
犬が鳴いている…
忘れるために言葉はあると
それだけを思い出す
神を信じないのは
神ではなくて神を信じる人を信じないこと
しかし
わたしのひとりごとは
祈りに似ている
そうだよ
落ちる時には
猿のように歯をむいて
胸の上で手をむすぶだろう
愛している愛している愛している
愛している 言葉を一輪に
くるくる漕いで
わたしは深い夜の高いところを
渡ってゆく
一本の細い
ひとりごとの上を歩いている
遠くのほうでは
犬が鳴いている…
忘れるために言葉はあると
それだけを思い出す
神を信じないのは
神ではなくて神を信じる人を信じないこと
しかし
わたしのひとりごとは
祈りに似ている
そうだよ
落ちる時には
猿のように歯をむいて
胸の上で手をむすぶだろう
愛している愛している愛している
愛している 言葉を一輪に
くるくる漕いで
わたしは深い夜の高いところを
渡ってゆく