尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「驚愕」

2011年06月30日 23時26分17秒 | 新詩集
 「驚愕」

全宇宙の中で、地球だけが謎である。
たった一つのその謎のため、に全宇宙は解けない謎であり続ける。
…と、あなたたは正しく考える。
その時宇宙も、140億年かかって同じような思想に達しているのである。
つまりあなたこそ、この宇宙で最も驚愕されるべき謎であり、
そして今やっと自分が誰だか、驚愕しはじめたのだ。

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写真「ほんまにかわいいオットセイ」

2011年06月30日 23時04分28秒 | 尾崎まことの「写真館」

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詩「神々の犬」

2011年06月29日 23時58分58秒 | 詩の習作
埃の舞う
明るい玄関で
わたしは犬ではあるが
神々の留守を預かっている

おっしゃったのである
人を信じるよりは
神を信じる方が
はるかに容易だろうと
そして待て、と

人の気配に鼻を鳴らし
首をかきながら
祈りの言葉はとうに失われたけれど
かわりに
無駄吠えなどを楽しみながら

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詩「地球が青い暗号であるならば」

2011年06月29日 22時54分00秒 | 新詩集
地球は宇宙にぽっかり空いている
丸くて青い暗号
それさえ解ければ
宇宙のジグソーパズルは
完成するだろう

子供たちが学校で
一生懸命勉強するのも
大人たちが職場で
一生懸命働くのも
青い暗号を解読するため

たとえばそれは
雨上がりにかかる七色の虹の橋
たとえばそれはモナリザの不思議な微笑
たとえばそれは
夜空の星から送られてくる
十億年前のモールス信号
たとえばそれは
はじめて会ったあの人の
泣きたくなるような懐かしさ

  ティル ティル ティル ティル 

答えは人の話す言葉より
小鳥のさえずりに似ているらしい
青い暗号が解けると
平和が訪れるという

科学者と詩人が協力し
小鳥の言葉が解るとき
人々の額がぱっと明るくなって
重かった頭を起こし
次から次へと手をつなぎ
世界を結ぶ輪になって
いのちの言葉で
かろやかに歌い始めるだろう
 <もう戦わなくてよいのだ> と
美しく歌いあげるだろう
 <心の底から愛し合おう> と

ヒントはかわいい小鳥のさえずり
  ティル ティル ティル ティル 

その日
子供たちは
分厚い辞書をほうり投げ
検事は六法全書をほうり投げ
指揮者は指揮棒をほうり投げ
兵士は武器をほうりなげ

もしも地球が青い暗号であるならば
宇宙のパズルの最後のピース
答えはいのちの言葉で

  ティル ティル ティル ティル
  テュラララ テュラララ



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詩「丸い暗号」

2011年06月29日 00時18分28秒 | 新詩集
「丸い暗号」


地球は宇宙に空いた
小さな丸い暗号
それが解ければ
宇宙のジグソーパズルは
完成するだろう

子供たちが学校で
一生懸命勉強するのも
大人たちが職場で
一生懸命働くのも
丸い暗号を解読するため

たとえばそれは
雨上がりにかかる七色の虹の橋
たとえばそれはモナリザの
不思議な微笑
たとえばそれは
夜空の星から送られてくる
十億年前のモールス信号
たとえばそれは
はじめて会ったあの人の
泣きたくなるような懐かしさ

ティル ティル ティル ティル 

答えは人の話す言葉より
小鳥のさえずりに似ているらしい
丸い暗号が解けると
平和が訪れるという

科学者と詩人が協力し
小鳥の言葉がわかるとき
人々の額がぱっと明るくなって
重かった頭を起こし
次から次へと手をつなぎあい
頬をふくらませ歌い始めるだろう
もう戦わなくてよいのだと
命の言葉で
軽やかに歌いあげるだろう
心の底から愛し合おうと

ヒントは小鳥のさえずり
ティル ティル ティル ティル 

その日
子供たちは
辞書をほうり投げ
検事は六法全書をほうり投げ
指揮者は指揮棒をほうり投げ
兵士は武器をほうりなげ

地球の丸い暗号
宇宙のパズル
命の答えは
ティル ティル ティル ティル
テュラララ テュラララ


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詩「木漏れ日」

2011年06月28日 23時59分10秒 | 詩の習作
「木漏れ日」


くやしさに
捨ててはいけない
わたしであることを
悲しみに
忘れてはいけない
わたしと
あなたであることを

手をお椀にすれば
そそがれていく
光のエキス

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詩「夕方」

2011年06月28日 23時40分21秒 | 詩の習作
夕方は疲れている
正確にいうと夕方が疲れている
彼女に母がいるとしたら
西の地平線あたりか
額に手を当てて
熱を計るであろう

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詩「咳払い」

2011年06月28日 23時31分00秒 | 詩の習作
誰もいないので
打ち水のような咳払いをする
私には払うものがあるのだ
払ったあとに
世界は聞き耳を立てている

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詩「深い夜に」

2011年06月21日 22時09分10秒 | 詩の習作
暗闇の向こうに様々な人の顔が浮かんでくる
深い夜がある

彼らは目を閉じても消えない
目の前でありながら
この手をのばしても決して届かない場所に
誰が彼らをならべるのであろう
一葉一葉
私の体の周りに輪のように並べられていく

懐かしい人の顔もちらほらいる
忘れてはならない人もいる
忘れたい人まで交ぜられている
しかしほとんどの顔がどこのだれだか
思いだせない顔である

あの喜ばしい日々に
私が避けた人が一葉
結ばれた
とびきり悲しい日々に
ただすれ違っただけで
私の不幸を理解した人が一葉
結ばれた

これから出会う人々よりも
もう会えない人達の方が
圧倒的に多いことは知っている

深い夜に
私は一本の木になる
私は茂っている

わずかに
木漏れ日が
こぼれている

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